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ビッグスワン、燃ゆ
2004Jリーグ ディビジョン1 2ndステージ 第9節 アルビレックス新潟vs.鹿島アントラーズ


文/石毛大介

 ナビスコカップの準決勝を挟んでのリーグ戦。前節ビッグスワンで大分に勝利。ホーム2連勝、ホーム初勝利後3連勝と勢いづいています。そして今日はタイトルコレクターである鹿島アントラーズとの対戦。鹿島にとっても2ndステージ優勝争いするには絶対に負けられない一戦です。一方のアルビも暫定ながら3位!いや信じられませんネ。1stステージを考えたら、降格争いをしていてもおかしくないのですが・・・。

 2ndステージ開幕後、スタジアムで観戦したのは、浦和戦と大分戦。浦和との試合は、4失点と大量失点で格の違いを見せつけられましたが、「ん? 1stに比べれば個人・組織にやられてないな・・・。しかも2失点はオウンゴールだし、4失点目もエメの超人的な個人技だし。それよりもなによりも、アルビの守備ブロックは安定しているし、強固だ。ズルズル下がってしまうシーンもあるし、リアクションディフェンスだけど、不用意に飛び込んだりしない。しっかりと相手のパワーを受け止めて対応している感じがするナ。1stとは違うな・・・」という敗戦の中からも自然と見出した印象でした。

 そして観戦はできませんでしたが、ホーム初勝利の広島戦。そして僕にとって初のホーム初勝利の大分戦。今日の鹿島戦もひょっとしたら・・・。でも鹿島の中盤の活性力といったらな・・・。アルビはどう受け止めるのだろうか。カウンターは通用するのか・・・。てなことを行きの新幹線で考えていたらいつの間にか越後湯沢。外は大分戦の時とは違い快晴。これでタイトルコレクターをうっちゃれたら、またまた最高な週末だな、と尽きることのない空想(いや妄想の域かも)を車中していました。また日記のような前置きが長くなるので、このへんで・・・


 さていきなりですが、90分通して一進一退の攻防が続きます。この試合は本当に面白かった。随所に両チームの持ち味が出た試合内容でした。観戦後、録画チェックをしているのですが、一度見た試合にもかかわらず、時間経過が早く感じましたし、何よりメモが取れない試合でした。思わず見入ってしまって・・・。やはりプロのライターの方は凄いですネ・・・。冷静に客観的に観戦できるのですから。少しは見習わないと・・・。捉え方は千差万別ですが、90分間全体の印象としてこの試合を捉える方が良いのかも知れません。

 中盤の支配率は鹿島に軍配が上がります。これは90分間通して言えることです。しかしアルビも負けていません。得意のカウンターで時折攻め込み、アルビの勢いを見せつけます。ですがやはり中盤の支配率が高い鹿島。再三にわたりチャンスを作ります。特にボランチの中田が素晴らしいです。改めて再確認しました。攻守にわたって様々な場面で顔を出します。もちろん効果的な演出もします。「ただいるだけ」ではありませんヨ。前線の隆之、小笠原、本山が縦横無尽に動き回り、その上中田も加わり、時にはフェルナンド、新井場も加わる。中央、サイドと多彩に展開します。

 しかし人数と相手のプレッシャーをしっかりと受け止めてのアルビ専守防衛ディフェンスも負けていません。危ない場面で何とか切り抜ける場面もありますが、90分間、特に押し込まれた前半は集中を切らさず良く守り抜いたと思います。しかし今日は、いや今日もでしょうか。この専守防衛ブロックの最後尾、GK木寺の活躍なしには今日の試合は語れないでしょう。再三にわたり鹿島のシュート、特にミドルレンジからのシュートを幾度もファインセーブでしのぎます。特に圧巻だったのは前半26分頃のプレーでしょうか。

 鹿島のスローインからペナルティエリア内のバロンへ、そこから落とし、フェルナンドの右足一閃。ボールインパクトがベストなものだから、鈍い良い音が。そして低い弾道でアルビゴールへ。スタンドで見ていて、このベストインパクトな音を聞いて瞬間的に「やられた!」と思いましたヨ。しかしこの瞬間的な場面で神がかりな反応をみせる選手が。アルビが誇る専守防衛守備ブロック最後の要、守護神ベテラン木寺。その男木寺がフェルナンドの地を切り裂くような強烈な弾道を、左腕一本で防ぎます。まさに時空を切り裂くが如くの手刀セーブ。彼の細胞の一つ一つが反応したようなファインセーブ。スタジアムは木寺コール。ボルテージが上がります。今まで野澤のGKの座を追われていましたからネ。J1昇格してタイトルコレクターの強豪と真正面から対峙する。燃えないわけがありませんよネ。

 前半通して中盤の支配率は鹿島。ですが時折見せるアルビのカウンター。しかし鹿島はそれを知り尽くしているかのように守備陣の対応が素早いです。オゼアスを中心にボールが収まりません。せっかく攻めるチャンスと前がかりになっても、そのベクトルがすぐに自陣に向けなくてはならない。そして中盤を支配され、タテヨコとボール、人が動く。それでもアルビ守備ブロックは集中を切らさず、守りきります。本当に前半は我慢の時間帯でした。また最終ラインとボランチの位置がほぼ同列になり、鹿島のFW2人を最終ラインが対応します。するとその前のスペース(ペナルティエリア前)を有効に使われてしまうので、ある程度フリーでボールを放り込まれ、最終勝負を仕掛けられてしまう。何とか防ぎますが、本当に集中切らさず守り抜きます。


 後半は知将反町監督が動きます。右サイドの寺川を下げ、鈴木健太郎を入れます。パフォーマンス低下のための交代ではなく、3バックから4バックへの変更。久しぶりに見る4バックです。この采配が功を奏したのか、徐々にアルビの守備ブロックが安定し、アタッキングエナジーが増幅されてきます。左サイドを慎吾が、ファビーニョが、はたまた健太郎が。前後半とも鹿島がチャンスを作りますが、最後の決定力不足で助けられます。後半は特にボール無しのプレーが停滞してきてしまったような気がします。誰かがボールホルダーになれば、その周囲を1人、2人、3人と動きまわりチャンスメークをするのですが、かつてのタイトル取り放題の頃と比べると影を潜めたような気がしてなりません。それもアルビ守備ブロックが安定してきた要因の一つかと。しかし個の能力は抜群ですからネ。案の定、個の打開力で守備ブロックを崩される場面も。やはり侮れません。

 そして今日最高の歓喜の瞬間を迎えます。
慎吾からのスローインを優作がキープ。そこを走る慎吾。ポスト役の優作から慎吾へボールが渡ります。そして鹿島のペナルティエリア内に侵入。すると鹿島の守備陣が慎吾に集中してしまいます。そこを見逃さなかったファビーニョ。視線と注意が慎吾へ集中する中、慎吾が中央フリーのファビーニョへ。落ち着いて鹿島ゴールへ流し込みます。タイトルコレクターから、残り時間僅かの場面での先制。ビッグスワンが歓喜で揺れます。あとは終了のホイッスルを待つのみ。ですが、残り数分で怒涛の攻撃を見せます。何とかギリギリで防ぎます。それにしても先制してから終了までの数分間。本当に長かったですヨ。

 タイトルコレクターからの勝利。そして得失点差で差があるものの現在2ndステージ3位。こうなると僕らは有頂天になるしかありません。選手スタッフ等はそんな楽観的であるとは思いませんが、僕らは良いのではないでしょうか?「優勝するかも・・・」ってネ。


 次節はアウェイで、これまたタイトルコレクター、そして2003年度天皇杯優勝チームのジュビロ磐田です。2ndステージは成績が振るいませんが、地力は間違いなくあると思います。今の2ndステージだけの成績だけを考えたら痛い目にあうと思います。そこは知将反町監督も、しっかりとスカウティングして万全の状態で試合を迎えてくれることと思います。この磐田戦は現地に行くかまた未確定ですが、できれば行きたいな、と思っています。やはり目の前でタイトルコレクター2チームを倒すところを見たいですからネ。でも油断は禁物・・・。アルビはまだまだのびしろのあるチームですから、今は発展段階なんだということも再認識しておかなくては。では。
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