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 サポーター通信 04/11/06 (土) <前へ次へindexへ>

 大宮アルディージャ サポーター通信 〜ひとつひとつの積み重ね


 レポート/OrangeSmile
 わずか15秒ほどの出来事だった。GK荒谷弘樹からMF島田裕介へ、島田からMF金澤慎、そしてFW森田浩史へ。森田の右足から放たれたボールがゴールネットを揺らす。閃光のようなカウンターで、勝利の女神を引き寄せた瞬間だった。

 前日までの晴天が嘘のような激しい雨の中で行われた、J2第40節の川崎フロンターレ戦。DF箕輪義信やMFアウグストら主力を欠く陣容とはいえ、川崎がJ2王者であることに違いはなく、難しい相手であることに変わりはない。また大宮としては、昇格争いを勝ち抜くために、展開によっては引き分けも頭に入れて戦わなければならない。しかし選手たちは勝つことしか頭になかったのだろう。試合開始直後から、積極的に前でプレッシャーをかけて、高い位置でボールを奪おうとする動きが見えた。前半41分の先制点も、ハーフウエーライン付近で奪ったボールを素早く展開して奪った得点だ。FWバレーの得点は、リーグ戦でいえば第24節福岡戦以来16試合ぶり。10月10日の天皇杯アローズ北陸戦で1得点しているとはいえ、リーグ戦で決めてこそやっと復活と言えるだろう。残り4試合のラストスパートに、バレーの爆発力は欠かせない。

 この試合も大宮は、連勝中に見られた良い流れのままプレーしていた。中盤での激しいプレスもそうだが、ボールを奪うや否や複数の選手が連動し、ボールを追い越してスペースへ飛び出していく。連勝の要因として守備面が注目されているが、攻撃に移ったときの1歩目の早さや、前線へ顔を出す選手の多さなど攻撃面もこれまでとはまったく違う。先制点を奪ってからも、後半29分にMFマルクスにFKを直接決められても、その積極性が変わることはなかった。ただだからといって守備のバランスが崩れるわけではない。空いたスペースには必ず誰かがカバーに入り、相手の攻撃を遅らせて自分たちの守備陣形を整える。どの試合でもピッチ全体でバランスが取れており、攻守の切り替えも素早くできていることも連勝を続けられる大きな要因のひとつだ。

  決勝点の場面でも、得点に絡んだ選手たちの動き出しの早さが生きた。荒谷からボールを受けた島田が左サイドで相手をかわして前を向いたとき、既にFW横山聡、金澤、森田の3人が前線へ動き出していた。横山は左サイドへ動いて中央にスペースを作り、金澤は中央でボールを受けてから素早く右の森田へと展開した。すぐにボールを受ける位置へ動き出した島田も良かった。「あそこで横さん(横山)を入れてきて、引き分け狙いじゃないんだと感じた」と金澤が振り返った84分の横山投入は、チーム全体に向けた三浦俊也監督からの『攻めろ』というシグナルだったのかもしれない。それに見事に応えた選手たちは素晴らしい。森田は前節の鳥栖戦に続き2試合連続で終了間際の決勝弾を挙げた。チームをより一層勢いづかせ、なおかつ勇気づけさせるゴールだった。

 3位のモンテディオ山形も第29節以降の12試合を9勝2分1敗(大宮は10勝1分1敗)の好成績を残しているためあまり差がつかず、まだまだ予断を許さない状況が続いている。しかし大宮が優位な位置にいるのは間違いない。もちろん山形の追い上げにプレッシャーを受けているが、山形もまたプレッシャーを受けているはずだ。これだけのハイペースで追いかけているのに、差が詰まらないのだから。自分たちだけが苦しいわけではない。相手も苦しいのだ。

 次節から横浜FC、水戸、札幌と下位チームとの対戦が続く。守備を固めてくるであろうチームとの対戦のほうが、昇格を争うチームとの対戦より難しいことは三浦監督も何度も言っている。また累積警告でリーチがかかっている選手が多くいることも懸念材料のひとつだ。MF久永辰徳、金澤、FWトゥットの3人は警告を受けると累積警告が2度目となり、2試合出場停止となってしまう。これからはこういった点も注意しなければならない。

残り4試合、今まで以上に苦しい戦いが続く。まずは目の前の試合に集中して、ひとつひとつ結果を出していこう。守備でも攻撃でも、自分のやるべきことをきっちりやる。出場時間が長かろうが短かろうが、大事なことはまずそこなのだ。この9連勝は、試合毎にすべての選手がやるべきことをやってきた結果だ。どんな局面でも、そうできるかどうか。その積み重ねがゴールを生む。今までのように1試合ずつ結果を積み重ねていけば、必ずゴールにたどり着ける。
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