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 サポーター通信 04/11/19 (金) <前へ次へindexへ>

 大宮アルディージャ サポーター通信 〜歴史の証人になろう!


 レポート/OrangeSmile
 気負いもない。ヘンな緊張もない。大事な一戦を目の前にして、驚くほど落ち着いている。『普段通りやれば勝てる』、そういった雰囲気がチーム全体に、ファン・サポーター全体に漂っている。ここまで大宮アルディージャが残してきた10連勝という結果が、連勝中は失点が僅か2という数字が、そういった雰囲気を醸し出している。

 6日に行われた第41節の横浜FC戦は、連勝中の大宮の持つ強さを感じさせる試合だった。前半17分にDFクリアのこぼれ球を拾ったFWバレーのゴールで先制すると、チーム全体の守備意識の高さでゲームをコントロールする。後半は途中出場のFW城彰二を起点に攻め込まれて、何度か決定的な場面を作られるがゴールラインは割らせない。10連勝中で実に6度目の1−0勝利、モンテディオ山形が湘南ベルマーレに引き分けたため、次節にもJ1昇格が決まる状況となった。しかし1週間のインターバルが入ってしまう。天皇杯を戦うためである。

 最初から決まっていたこととはいえ、このタイミングで天皇杯4回戦が行われることに少なからず不安を覚えた。相手はJ1清水エスパルス、ここ数年は低迷しているとはいえ、FWチョ ジェジンやMF戸田和幸、DF森岡隆三など各ポジションに能力の高い選手が揃っている。簡単な相手ではない。私がこの試合に対して懸念していたことは、リーグ戦の良い流れが途切れてしまうのではないか、ということだった。勝ち負けは仕方がないにしても、失点することによってDFが連勝中に得た自信を失ってしまうのではないか、そう思ったのだ。だから私は3回戦のように、リーグ戦とガラリとメンバーを入れ替えるのもアリだと思っていた。実際はDF斉藤雅人と平岡靖成がスタメン出場とマイナーチェンジといった趣きで、J1相手でも自分たちのサッカーを貫き真剣勝負にいく、という決意が見てとれた。

 そんな私の心配も杞憂に終わる。リーグ戦同様1−0の完封勝利。前半28分のバレーの得点シーンは、バレーのスピードがJ1相手にも通用することを示していたと私は感じている。守備面では確かにボールを持たれる時間帯が多かったし、失点されてもおかしくない場面が何度もあったが、GK荒谷弘樹の好セーブと1人1人の頑張りが最後の場面で得点を許さない。三浦俊也監督は「後半は同点に追いつかれる可能性もあるな、という見方をしていましたが、選手たちが90分間良く守ってくれたなと思います」と試合を振り返り、「今日勝ったことでチームの雰囲気としていい流れのままいけると思う」と次節への意気込みを語っていた。

 天皇杯というワンクッションが入ったが、いよいよ20日のホーム大宮サッカー場、水戸ホーリーホック戦で、J1昇格への最初の挑戦を迎える。今季の対戦成績は1勝1分1分の五分、前回のホームでの対戦はMF島田裕介と金澤慎の得点で2−1の逆転勝利だった。ホームでの通算成績は7勝1敗(うち大宮では6勝1敗)と、抜群の勝率を誇っている相性の良い相手だ。これまでの勢いを見ても、負ける相手ではない。チケットの売り上げも好調のようだし、当日のスタジアムはJ1昇格をこの目で見ようという多くの人たちが訪れるだろう。そういった人々の声援や気持ちが、選手たちの背中を後押ししてくれる。
 
私は今、ある試合のビデオを見ている。約1年前、03年11月23日。J2最終節、アルビレックス新潟vs大宮アルディージャ。この日新潟スタジアムに詰め掛けた人々のほとんどが新潟の昇格を信じ、そして祈っていた。彼ら、彼女らの気持ちが、選手たちを包み込むあの独特の雰囲気を作り出していた。昇格が決まった瞬間。あの歓声、あの雰囲気、選手たちの、サポーターたちの歓喜の姿。そのとき私はぐるりと周りを見渡した。その風景をこの目に焼きつけようと、あえて顔を上げて、唇を噛んだ。

 人数では及ばないかもしれない。しかし気持ちでは少しも負けてはいない。大宮サッカー場に駆けつける人たちよ、スタジアムを『選手たちの背中を押す』空間にしよう。観客席からピッチ上の選手たちへ、目に見えない力を与えよう。選手たちに良い意味でのプレッシャーを与えよう。長年求め続けていたゴールは、もう目の前に迫っている。これまでの結果から得た自信を胸に、今までとなんら変わらず戦えば、皆の望む結果は必ずついてくる。

 「チームの歴史が変わる瞬間なので、みんなでその瞬間を一緒に味わいましょう!」この金澤の言葉を、すべての人々に伝えたい。まだ決まったわけではない。まだ何も成し遂げていない。それでも私はこう言う。04年11月20日。私は歴史の証人になる。
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