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 webnews 03/06/03 (火) <前へ次へindexへ>
アビスパ福岡、鳥栖に快勝!!しかし、課題も残す。
2003Jリーグ ディビジョン2 第15節 アビスパ福岡vs.サガン鳥栖

2003年5月31日(土)14:01キックオフ 東平尾公園博多の森球技場 観衆:5,538人 天候:雨時々曇
試合結果/アビスパ福岡5−2サガン鳥栖(前3−0、後2−2)
得点経過/[福岡]宮崎(19分)、篠田(30分)、宮崎(39分)、[鳥栖]佐藤大(76分)、[福岡]林(77分)、宮崎(80分)、[鳥栖]佐藤大(83分)


取材・文/中倉一志

 今シーズン2度目の九州ダービーは、いささかさびしいシチュエーションで迎えた。ホームの福岡は勝ち点11の10位、鳥栖は最下位の湘南と並ぶ勝ち点10で11位。ともに上昇のきっかけを見つけることができないまま14節を消化した。本来なら、同じ九州勢同士の戦いに特別な意識を持つところだが、両チームにダービーマッチを特別視する余裕はない。相手がどこであろうと、とにかく勝ち点を積み重ねて出口を見つけたい。それが両チームの本音だったろう。

 しかし、ゲームの入り方に明らかな差が出た。台風の影響で強い風が吹き、雨でぬれたピッチコンディションで思うようにプレーできない中で慎重にならざるを得ないのは理解できなくもない。しかし、鳥栖はあまりにも腰が引けていた。「前半を0−0でいければ、後半勝負」(千疋監督・鳥栖)との狙いは消極的過ぎなかったか。過去の実績はともかく、両チームの置かれた立場は同じようなもの。現時点では力の差を意識する相手ではなかったはずだ。



 そんな鳥栖に対して福岡は立ちあがりから攻勢に出る。開始直後の2分、右サイドを駆け上がってきた立石のクロスボールをベンチーニョがヘディングシュート。ボールはポスト左へ外れたが、福岡の意気込みが感じられるプレーだった。そして当然のように試合を支配した。下がってくるベンチーニョにボールを集め、そこを起点にしてボールを散らす。ベンチーニョが動いてできたスペースに宮崎が飛び込み、米田とベンチーニョのパス交換がリズムを作り出す。福岡の得意とする攻撃パターンだ。

 雨の影響でスリッピーなピッチ状態のため、福岡のパス回しは微妙に合わないシーンが見られるが、それでも集中を切らさずにボールを良く動かしていく。また、守備陣も高い位置を保ち、中盤も積極的に前へ出て鳥栖にプレッシャーをかけ続ける。前に出てこれない鳥栖を面白いように振り回す福岡。ゴールが生まれるのは時間の問題だった。そして先制点は19分、鳥栖のバックパスを宮崎がカットして無人のゴールに流し込んだ。

 福岡の2点目は30分、ベンチーニョのCKに篠田が飛び込んだ。そして39分には、宮本のロングフィードにタイミングよく飛びだした宮崎が、鳥栖DFの背後でボールを受けると、そのままドリブルで独走。GKとの1対1から落ち着いてゴールネットを揺らした。何もできないままに低い位置でとどまる鳥栖。中盤のつなぎ役として存在感を示す米田、ボールを裁くベンチーニョ、スペースへ飛び出していく宮崎等々、自分たちの特徴を存分に発揮する福岡。福岡がゴールを量産するのは当然の結果だった。



 完璧に近い形で3点ものリードを奪った福岡。しかし、ここからリズムを崩すのも福岡らしいといえば福岡らしい。後半開始から3トップに変え、風上にたったのを利用してロングボールを意識的に放り込んでくる鳥栖の前に押し込まれた。「守りに入ることだけは避けようと。同じ試合を、後45分進めるんだ」という松田監督の指示にもかかわらず、選手たちはどんどん下がり、中盤に大きなスペースを作る。今度は鳥栖が攻める番だ。

 だが、鳥栖もロングボールをゴール前に放り込む以外に、これといった攻めてが見出せない。ゴール前に人数をかけるだけでセカンドボールを拾えず、カウンターも仕掛けられない福岡は鳥栖の拙攻に救われる形で時間を使っていく。しかし、さすがに人数をかけているだけの守備では90分間持つものではない。76分、ジェフェルソンのシュートを、一度は水谷がはじき返したが、そのこぼれたボールを、佐藤(大)に豪快に決められた。

 ずるずると下がって喫した1点。福岡にとっては嫌な失点だった。しかし、その直後の77分、前がかりになった鳥栖の背後をついて、篠田、立石とボールをつないで最後は林が右足であわせて4点目。さらに80分には、ベンチーニョの絶妙な配給を立石がゴール前に折り返し、走りこんできた宮崎が頭で押し込んだ。見事なカウンター攻撃だった。しかし、福岡はこれでゲームを終えられなかった。再びズルズルと下がって2失点目を喫した。試合に影響はなかったが必要のない失点だった。



 いいところと悪いところが半分ずつ出た。福岡にとってはそんな試合だった。前半に見せたパフォーマンスは、福岡の攻撃の形が出来上がりつつあることを証明するものだった。ベンチーニョと米田が作り出すリズムが、宮崎の特徴を余すことなく引き出している。ようやく福岡に明るい兆しがともってきた。しかし、それが90分間続かない。後半はズルズルと下がってピンチを招いた。鳥栖が前ががりになったこともあるだろうが、どちらかといえば自分たちの問題。無失点で抑えなければいけない試合だった。

 一方の鳥栖は、いまだに出口が見つけられない。ロングボールを放り込んでスペースへ走り込むのがパターンのはずだが、この試合では自分たちの得意の形を見せることのないままに終わってしまった。2得点を奪ったとはいえ、チーム状態は悪いままだ。さまざまな問題を抱えているのだろうが、チームが試合に集中できる環境を作り出すことが先決かもしれない。個々の実力は決して最下位に甘んじるようなチームではないのだから。


千疋監督(鳥栖)記者会見
松田監督(福岡)記者会見

(アビスパ福岡) (サガン鳥栖)
GK: 水谷雄一 GK: 藤川康司
DF: 立石飛鳥 セルジオ 千代反田充 宮本亨 DF: 鈴木勝大 川前力也 カブレリーゾ 中村祥朗(45分/服部浩紀)
MF: 宮崎光平 篠田善之 米田兼一郎 宮原裕司(83分/アレックス) MF: 米山大輔(72分/佐藤大実) 川崎元気 佐藤陽彦 大友慧
FW: 林祐征(88分/福嶋洋) ベンチーニョ FW: 鳴尾直軌 ジェフェルソン
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