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 webnews 03/06/03 (火) <前へ次へindexへ>
まさに完敗!ジーコ・ジャパンの前途に暗雲漂う!
国際親善試合 日本代表vs. 韓国代表 

2003年5月31日(土)19:16キックオフ 東京・国立霞ヶ丘競技場 観衆:53,405人 天候:曇後雨
試合結果/日本代表0−1韓国代表(前半0−0、後半0−1)
得点経過/[韓国]安貞恒(86分)


取材・文/貞永晃二

 両チームのシュート数を比較すると、前半1対2、後半は1対13と韓国の数字が激増している。スコア的には韓国の辛勝のように見える。しかしそれは韓国の決定力不足のおかげ。認めざるを得ない、そうこれは完敗だったのだ。



 韓国のスタメンは4.16ソウルでの対戦時と李基ヒョン、李乙容、金南一、車ドゥリ、薛g鉉、崔龍洙と6名が入れ替わった。一方ホームで戦う日本は稲本、鈴木の2名だけだ。

 雨をたっぷり吸ったピッチに強風というコンディション。非常に戦いにくい試合だ。前半の日本はほぼ固定した感のある4バックに、安定感あふれる中田浩とイングランド帰りの稲本が構成する守備組織で韓国の「世界4強」メンバーの攻撃を封じ込めることに成功した。両サイドでも名良橋、服部が薛g鉉、車ドゥリとのマッチアップを優勢に持ち込むことができた。しかし、ボールを奪ってからの攻撃がなかなかスムーズに組み立てられない。2トップが前を向けず、MFに過重な負担がかかる。韓国の守備網もまた堅固なのだ。特にソウルで活躍を見せた小笠原へは激しいマークがつきまとった。

 チャンスは数少ないながらもあった。16分、中盤に下がってボールを受けた鈴木が左サイド服部へパスアウト。服部の上げたロビングは中山が右へ流れて空けたスペースに飛び出した小笠原をめがけて飛ぶ。韓国DFが戻りながらヘッドでクリアしたがそこへ鈴木が現 れ不得意な右足でボレーシュート。GK李雲在は正面ながらキャッチできず、はじくのがやっと。韓国の攻撃も強風にロングボールが流れてしまい波状攻撃には至らない。終了間際、両ペナルティボックスで小笠原、柳想鐵が倒れるがマレーシアのサレー主審の笛は鳴ら ない。



 ハーフタイムのスタンドはウェーブが巻き起こる傍らで、両チームサポーターがもめるという一幕もあった。ナショナル・スタジアムと呼ぶにはあまりに観客の快適さを無視した窮屈な座席配列が一因となった騒ぎのようだったが、やはり因縁の隣国との戦いはただ の親善試合とは違うのだから緩衝地帯を取るなどの処置が必要だったのだろう。



 わずかに日本優勢だった前半とはうって変わって後半は韓国の猛攻に日本が耐えるという展開になった。特に試合後コエリョ監督が、前半は守備のいい崔龍洙、車ドゥリを起用し、後半は技術の高い安貞恒、李天秀を交代投入したと話したように、このメンバーチェンジで、日本DFに疲れの出る後半勝負という作戦がはっきり確認できた。強引なドリブルのできる2人の投入だったからだ。
 
 加えて、前半はほぼ守備に専念していた柳想鐵がゴール前へ飛び出し、ヘッドで楢崎を脅かした。奇抜なカラーヘアの李天秀が右サイドからカットイン、左足で強烈な一発。さらに柳想鐵が強引なドリブルから左足で狙う。いずれも低く抑えたシュートで濡れたピッチで得点につながるGKのミスも狙ったものだ。
 
 ジーコ監督は、守備面では能力を発揮したもののまだ90分戦えないコンディションの稲本を遠藤へ、鈴木を期待の大久保へとチェンジし、チームのリフレッシュを図った。しかし韓国の攻勢は強まるばかり。66分森岡が柳想鐵をボックスの中で倒すが今度も笛は鳴らない。

 安貞桓のミドルを楢崎がファンブルするがなんとかクリアする。日本DFラインの前でボールを左右につなぐ、いやらしい攻めを見せる韓国。日本も冷静にファウルを侵さずなんとか逃れる。74分中山からラッキーボーイ永井への交替で日本の前線は未経験な2人になった。大久保の持ち前のドリブルも老獪な韓国DFにはね返される。永井も間延びした中盤に受けに戻るしかない感じになってしまう。

 そして86分持ち上がった名良橋がパスをカットされる。金泰映から名良橋の背後をついた李乙容へ正確なフィード。ドリブルで進む李。秋田が右へずれて対応する。そして猛烈なスピードでゴール前へ赤いジャージが殺到する。タイミングをはかった李からのクロス はGKとDFの間に流し込まれ、薛g鉉が前でつぶれ、そのウラへ詰めた安貞桓がプッシュしこの日初めてネットを揺すった。ジャージを脱ぎ赤いサポーター席に走る安には清水エスパルスでの鬱憤を晴らす爽やかな喜びがあふれていた。わずかな残り時間、今日の戦いぶ りから日本にはあまりに重過ぎる失点となった。



 ジーコ監督への多大な期待は大きく裏切られた。日本のサッカーを理解していることでは誰にも負けない彼だから、きっと素晴らしい攻撃的なチームを作ってくれるはずだという期待。その期待から一転、聖地国立でしかも宿命のライバル相手にあまりにもふがいな い試合を見せてしまったことへの不信感を、彼は今後の試合でいかにして信頼へと変えていくことができるだろうか。

 トゥルシエも人間だったのだ。今日の敗戦をきっかけに「神様」を監督という一人の人間として厳しい目で見ていこうではないか。 夢から覚めて現実を知っただけ。そう思わないとやりきれない敗戦だ。


(日本代表) (韓国代表)
GK 楢崎正剛 GK 李雲在(イ・ウンジェ)(89分/金龍大(キム・ヨンデ) )
DF 名良橋晃 秋田豊 森岡隆三 服部年宏 DF 李基ヒョン(イ・キヒョン)  金泰映(キム・テヨン) ゙秉局(チョ・ビョンク) 朴忠均(パク・チュンギュン)
MF 小笠原満男 中田浩二 稲本潤一(65分/遠藤保仁) 三都主アレサンドロ MF 柳想鐵(ユ・サンチョル) 李乙容(イ・ウルヨン) 金南一(キム・ナミル) 薛g鉉(ソル・ギヒョン)(92+分/王淨鉉(ワン・ジョンヒョン)) 車ドゥリ(チャ・ドゥリ)(59分/李天秀(イ・チョンス) ) 
FW 中山雅史(74分/永井雄一郎) 鈴木隆行(65分/大久保嘉人) FW 崔龍洙(チェ・ヨンス)(56分/安貞桓(アン・ジョンファン) )
SUB 川口能活 曽ヶ端準 山田暢久 宮本恒靖 坪井慶介 奥大介 福西崇史 松井大輔 石川直宏 SUB 朴載弘(パク・ジェホン) 崔成勇(チェ・ソンヨン) 金泳徹(キム・ヨンチョル) 玄泳民(ヒョン・ヨンミン) 崔兌旭(チェ・テウク) 金斗R(キム・ドヒョン) ゙宰榛(チョ・ジェジン)
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