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 webnews 03/06/12 (木) <前へ次へindexへ>
サガン鳥栖、横浜FCを一蹴!しかし内容は・・・
2003Jリーグ ディビジョン2 第16節 サガン鳥栖vs.横浜FC

2003年6月8日(日)13:01キックオフ 鳥栖スタジアム 観衆:2910人
試合結果/サガン鳥栖5−2横浜FC(前2−1、後3−1)
得点経過/[鳥栖]米山(14分)、[横浜]城(21分)、[鳥栖]川崎(31分)、[横浜]内田(45分)、[鳥栖]朝比奈(48分)、佐藤大(85分)、ジェフェルソン(89分)


取材・文/中倉一志

 第14節の大宮戦を3−2で乗り切って久しぶりの勝利を挙げたサガン鳥栖。チーム状態は上向きかと思われたが、続く福岡戦ではまさかの5失点。途中出場の佐藤(大)が2得点と気を吐いたものの、チームは相変わらず立ち直りのきっかけを見つけられずにいる。アンドレコーチが実質上の指揮を執ることを公式発表してから3試合目。上昇機運に乗るためには、内容も結果も追い求めなければならない。この日の相手は横浜FC。負けられない試合だ。

 対する横浜FCは4勝4分7敗。こちらも苦しい戦いが続く。ルディ、城を中心に試合を組み立てるものの、チームの完成度の低さは否めない。「対戦相手がどうこうというよりも、どちらかというと、自分たちがどういうことが出来たのか、出来なかったのかということを中心に考えている」(阪倉コーチ・横浜FC)というように、まずは自分たちの戦い方を確立することが急務だ。現在は2連敗中。この試合に連敗ストップをかける。



 ホームのサガン鳥栖は慎重な立ち上がりを見せた。前がかりになるわけでもなく、引きすぎるわけでもなく、ゆっくりとボールをつなぐ。いつもならば、ロングボールを多用して縦に速いサッカーを展開するのだが、まずは様子見といったところだろう。対する横浜は、いつものように必ずといっていいほどボールをルディ経由で前へ送り、最前線では城がゴールへの嗅覚を研ぎ澄ましてボールを待つ。こちらもゆったりとした立ち上がりだ。

 先制点は14分、鳥栖に生まれる。GK藤川からのフィードを佐藤(大)が頭で落とすと、そこへ走りこんできた米山が右足を一閃。横浜のゴールネットを揺らした。横浜の同点弾は21分。横山がドリブルで左サイドからペナルティエリア内に進入すると、鳥栖の守備陣は警戒のあまりゴール前にスペースを空けて二アサイドへ集中。そのスペースへフリーで入ってきた城は、ただクロスボールにあわせるだけで良かった。

 しかし、それにしても両チームの動きはピリッとしない。横浜はルディにボールを預ける以外は何も出来ず、フォローも連携もない。そんな横浜に対し鳥栖がペースを握るのは当然のことであったが、その鳥栖もミスが多く、横浜を押し切るだけの力がない。31分に川崎が直接FKを決めて、鳥栖が1点リードのままで前半を終了したが、攻めにも、守りにも注意力が散漫なシーンが見られ、決して優位に試合を進めている状況ではなかった。



 案の定、鳥栖の集中力が欠如したプレーに乗じて横浜が同点に追いついた。後半開始直後の45分、右サイドでボールを持った内田がドリブルで中へ切れ込む。しかし、鳥栖の選手はただ目でボールを追うだけで身体が動かない。そして、そのまま内田が左足を振り抜くと、あっさりとゴールネットがゆれた。しかし、集中していないのは横浜も同じ。その直後の48分、FKのこぼれ球を川崎がループでペナルティエリア内へ送ると、前線に残っていた朝比奈が難しい体制からボレーシュート。ふわりと浮いたボールはGKの頭上を越えて無人のゴールマウスら吸い込まれた。

 その直後、鳥栖は米山に代えてジェフェルソンを投入。鳴尾、佐藤(大)、ジェフェルソンの3トップで得点を狙う。しかし、鳥栖の中盤のバランスが崩れたところを利用して、横浜FCが反撃を開始する。そして30度を越す暑さも影響したのだろう。互いに中盤にスペースが開きだすと、ゲームは大味な展開になってく。守備のバランスが悪くピンチを招くのもお互い様。そして、ミスを続けてチャンスをものにすることが出来ないのも同じだった。

 そんな展開の中、鳥栖が試合を決める4点目を奪った。時間は85分。交代出場した小石が右サイドで粘ってクロスボールを上げると、これに佐藤(大)が頭で合わせる。シュートは一度はポストに嫌われたが、その跳ね返りを再び佐藤(大)が押し込んだ。これで横浜は意気消沈。鳥栖はロスタイムにも、ジェフェルソンが左サイドからドリブルで切れ込んでシュートを決めた。どちらもピリッとしない試合だったが、終わってみれば5−2で鳥栖が勝利を手に入れた。



「試合の中では2回、追いつくことができたんですけれど、終わってみれば大量失点をしてしまったと。勝つチャンス、引き分けるチャンスは多くあったと思う」、阪倉コーチは、そう試合を振り返ったが、これが正直な感想だろう。試合内容を見るだけなら、ここまで点差が開く試合ではなかった。ともにミスが多い試合は、佐藤(大)による4点目が入るまでは、どちらが勝つか分からない試合だった。鳥栖の3点目を決めた朝比奈も、「結果的に5点入ったが、途中まではどちらが勝つか分からなかった」と試合を振り返った。

 鳥栖はチームにとって一番の薬となる勝利を手に入れた。しかし、佐藤(大)が2試合続けてゴールを挙げたという事実以外は、内容的には得られるものは少なかった。むしろ課題満載の試合だったとも言える。そして横浜FCも、ルディにボールを預ける以外に何も出来ないのはこれまでと同じ。これでは、いくら前線に城がいたところで得点は生まれない。厳しい指摘かもしれないが、両チームの苦しみは、まだまだ続きそうだ。


阪倉コーチ(横浜)記者会見
千疋監督(鳥栖)記者会見


(サガン鳥栖) (横浜FC)
GK: 藤川康司 GK: 水原大樹
DF: 鈴木勝大 朝比奈伸 カブレリーゾ 中村祥朗 DF: 臼井幸平 眞中幹夫 山尾光則(75分/神野卓哉) 小野智吉
MF: 米山大輔(49分/ジェフェルソン) 川崎元気(82分/小石龍臣) 佐藤陽彦(76分/井手口純) 大友慧 佐藤大実 MF: ルディ 吉武剛 内田智也 小野信義 横山博敏(60分/北村知隆)
FW: 鳴尾 直軌 FW: 城彰二(36分/佐藤正美)
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