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 webnews 03/06/17 (火) <前へ次へindexへ>
サポーターの願いはいまだ届かず。福岡、甲府に逆転負け
2003Jリーグ ディビジョン2 第17節 アビスパ福岡vs.ヴァンフォーレ甲府

2003年6月14日(土)14:00キックオフ 東平尾公園博多の森球技場 観衆:5,106人 天候:曇
試合結果/アビスパ福岡1−2ヴァンフォーレ甲府(前1−0、後0−2)
得点経過/[福岡]福嶋(42分)、[甲府]小倉(53分)、オウンゴール(67分)


取材・文/中倉一志

 何度同じことを繰り返すのか。博多の森に足を運んだコアなサポーターたちは同じ思いを抱えていたに違いない。確かに選手間の連携は高まっている。攻撃の形も作れるようになってきた。主導権を握る時間もある。しかし、終わっていれば待っているのはいつも敗戦。それどころか、試合が終わってもいないのに下を向き、相手にぶつかることを忘れてしまう選手たち。あまりにもナイーブな姿からはトンネルの出口は見えてこない。



 ヴァンフォーレ甲府を迎えた第17節。福岡は立ち上がりこそピンチに見舞われたものの、前半は試合の主導権を握って試合を進めていた。ボールを下がってくるベンチーニョに当てて、空いたスペースに宮崎が飛び出していくというパターンはすっかり定着。加えて、米田とベンチーニョ、そして宮原を加えた中盤の連携も練れてきている。この日は、宮原と米田の2人がベンチーニョと適度な距離を保ってパス交換するシーンも目立っていた。

 何より前へ出ようという意識が強く感じられる。ボールが前線に当たると必ず両サイドから選手がスペースに飛び出し、それに後ろからフォローの選手が続く。甲府が守備網を張り巡らせば、後方からロングボールを放り込んでは高い位置からプレッシャーをかけてセカンドボールをことごとく拾っていく。まだパスミスや連携ミスも多いが、積極的に仕掛けていこうという気持ちは見ているほうに十分伝わってくるものだった。

 そんな福岡の先制点は42分。スローインのボールを米田、福島、篠田、宮原とつないでベンチーニョへ。そこへ猛然とオーバーラップしてきた宮本へボールが渡り、サイドを突破してクロスボールを上げると中央で待ち受けていた福島がヘディングシュートを決めた。完璧といっていいゴールだった。その直後、宮原が決定的なシュートを外して追加点はならなかったが、得点以上に福岡の出来が目立った前半だった。しかし、まったく動じたそぶりを見せない甲府の選手たちもまた不気味だった。



 前半、ただ受けて立つだけで何も出来なかった甲府は、後半に入るとシステムを変えて反撃に出る。左SBの奈須を下げて、右から杉山、青葉、池端の3バックに変更。交代出場した水越を右WBに、MFの石原を左サイドに出す。そして、藤田をトップ下に配して、小倉を自由に動かせるようにした。互いに前への意識を強く出す両チーム。試合は攻め合いの様相を呈してくる。それでも主導権は福岡。46分には宮崎が甲府を冷やりとさせるシュートを放ち、続く4分にもあわやというシーンを作り出した。

 しかし53分、甲府が奪った同点ゴールでゲームの流れが変わった。何の変哲もないシーンだった。藤田が左サイドからクロスボールを上げると、なぜかオフサイドをとりに行った福岡のDFラインは、オフサイドトラップを掛け損なって小倉をドフリーにする。小倉は頭で合わせるだけでよかった。人数だけなら1対3。しかも場所はペナルティスポットのあたり。オフサイドを仕掛けるような場面ではなかった。がっくりと方を落とす福岡イレブン。博多の森をいやな雰囲気が包む。

 この後、明らかに福岡の足が止まった。そして、システムを変更した甲府は、相変わらずのバランスのよさを保ちながら、福岡の右サイドを中心に攻め込んでいく。前半とは打って変わってセカンドボールのほとんどをマイボールにして福岡を一方的に押し込んでいく。そして67分、思いもよらぬ形でゴールが生まれた。ロングフィードを須藤がヘッドで折り返したところ、ボールを追ってきた藏田とGK塚本が交錯。そしてボールはそのままゴールマウスの中へ転がり込んだ。



 結局、この信じられないゴールが決勝点となって福岡は敗れた。1−1とされた後の65分には宮原が、逆転された直後の68分には篠田が、それぞれ決定的なシュートを放つ場面もあったがゴールはならなかった。決定的な場面で決めきれなかったこと、入れ替えた選手同士の連携ミスで失点したこと等、原因はいくつもあるが、本質的な問題は、この日もまた、ゴールを奪われた直後から突然パフォーマンスが低下したことにある。いくら連携を高めようが、戦術を徹底しようが、すぐに下を向くチームに勝利の女神が微笑むことはない。

 そんな福岡に対し、甲府は対照的な面を見せた。前半は一方的に攻め込まれながら決して慌てるそぶりは見せない。あくまでもチームの特徴であるバランスの良さを保ちながら淡々と試合を進め、勝負どころで確実に2点を奪って福岡を突き放した。我慢のしどころで最低限の失点に抑え、勝負どころでやるべきことを重ねて得点をあげる。福岡とはまったく違う戦いぶりは、両チームの力の差をまざまざと見せ付けたものでもあった。


松永監督(甲府)記者会見
松田監督(福岡)記者会見


(アビスパ福岡) (ヴァンフォーレ甲府)
GK: 塚本秀樹 GK: 鶴田達也
DF: 平島崇 セルジオ 藏田茂樹 宮本亨 DF: 杉山新 池端陽介 青葉幸洋 奈須伸也(45分/水越潤)
MF: 宮崎光平 米田兼一郎 篠田善之(71分/増川隆洋) 宮原裕司(71分/大塚和征) MF: 倉貫一毅(74分/山本英臣) 外池大亮 藤田健 石原克哉
FW: ベンチーニョ(81分/山田祥史) 福嶋洋 FW: 小倉隆史 須藤大輔(89分/白尾秀人)
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