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 webnews 03/07/15 (火) <前へ次へindexへ>
神戸ホームで連勝ならず、名古屋の不敗は12試合に!
2003Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第12節 ヴィッセル神戸vs.名古屋グランパスエイト

2003年7月12日(土)19:00キックオフ 神戸ウイングスタジアム 観衆:11,658人 天候:屋内
試合結果/ヴィッセル神戸0−3名古屋グランパスエイト(前0−0、後0−3)
得点経過/[名古屋]吉村圭(54分)、滝澤(62分)、ウェズレイ(80分)


取材・文/貞永晃二

 両監督が声を揃えたようにピッチ状態が極めて悪いウイングスタジアム。パスを細かくつなぐ攻めはかなりのリスクを負うことになる。お互いにミスを回避し慎重なプレーぶりだ。

 11分、オゼアスと競ったパナディッチのキックがGKへのバックパスと判断され、名古屋は思わぬピンチを迎えた。しかし、こういう間接FKはえてして決まらないもの。アリソンのシュートはGK楢崎がブロックした。さらに岡野がオゼアスをポストに使い突破を企て、シュート。しかしこれも守護神は右へ跳び弾き出す。神戸の攻撃は続く。右サイドカズとのワンツーで抜けた岡野の切り込みを契機に左サイドでアリソン、オゼアスとつなぎ中央で攻撃参加した松尾が飛び込みダイレクトシュート。またまた日本代表GKが今度は左へ反応し華麗にセーブ。神戸はおよそ10分間のこれら一連のチャンスをものにできなかったことが後で響くことになる。

 神戸の攻撃はやはりオゼアスがキーを握る。この中心人物を厳しくマークしたのは、ファイター・パナディッチ。オゼアスとの制空権争いは熾烈を極めたがほぼパナディッチが抑え込む。対する名古屋の攻撃はウェズレイと新加入マルケスのブラジル人の連係の成熟度にかかる。そして、名古屋で目を引いたのは右サイドを担った韓国帰りの海本幸(弟)。クロスの精度はまだ物足りないがスピードある飛び出しでチャンスを作った。

 30分を過ぎて神戸はやはり岡野のスピードを活かし、名古屋はウェズレイの強引なシュート、カウンターからのマルケスの突破と攻め合うがスコアレスでハーフタイムを迎えた。白いキャップをかぶった名古屋・ベルデニック監督がいらつきながら選手に頻繁に指示を送る姿が目立ったことからもわかるように神戸がペースを握った前半であった。



 後半、いきなりアリソンのスルーパスで左サイドを破った松尾のクロスが鋭く入ってスタジアムが沸く。好調な岡野も古賀にマークされた場合はさすがのスピードも活かせない。なんといっても古賀の潜在能力は相当なものだ。

 0−0の均衡が破れたのは54分。中盤やや左でボールを受けた吉村圭がマルケスとのワンツーでボックスに侵入し鋭く左足を振り切った。GK掛川はノーチャンス、吉村圭が神戸のリザーブの兄・吉村光の前でJリーグ初ゴールを披露した。赤いサポーターにアピールしてみせる吉村圭。

 直後、神戸オゼアスがGKと一対一のチャンスを迎えるが乗っている楢崎は破れない。一方いまだ不敗の名古屋だが引き分けが多いのは追加点をうまく取れないことがその理由の一つ。同点を狙う神戸が前がかりになるところをカウンターで2点目を目指す。ウェズレイのアーリークロスからのマルケスの右足ボレーはGK掛川がファインセーブで防ぐ。しかし直後62分には左サイドを上がった滝澤のキックをクロスと決めつけ、フラフラと前に出たところを直接左足アウトサイドでカーブシュートを決められたのはいただけなかった。0−2、ウイングスタジアムがため息に包まれる。

 副島監督はカズを播戸へ、ボランチ山口を新戦力・小島に替えてまず1点を奪いに出る。70分のシジクレイの直接FKのこぼれを松尾が見事なシュート。楢崎は触れなかったが、今度はゴールポストがホームチームの敵となってしまう。神戸の攻撃には運も味方しない。そして相変わらずオゼアスはパナディッチに封じ込まれたままではゴールは遠い。

 とうとうダメ押し点が80分に決まる。右サイド海本幸が持ち上がりセンターのマルケスへ。これをマルケスがスルーしウェズレイへ。マルケスへはたいたボールはダイレクトでウェズレイに戻る。スピードあふれたパス交換についていけない神戸DFを尻目にウェズレイのトラップがまた見事。シュートはネットに突き刺さった。



 前半のチャンスを決め切れなかった神戸。特にパナディッチに完敗を喫したオゼアスの責任は大きい。守備では北本の成長は著しいものがあるが、やはり土屋の不在による守備への不安は両サイドバックがほとんど攻撃で機能しなかったことに表れている。

 名古屋はまた負けなかった。12試合での失点が9というのは素晴らしい数字だ。3試合を残し首位・市原と勝点4差。まだあきらめるには早すぎるが、優勝には少し苦しい。しかしマルケスがチームに溶けこんでくる2ndステージでの優勝を狙うためにも残りを全勝で終わることを目標にすべきだろう。

 最後に。劣悪なピッチは目を覆いたくなるほどだった。素晴らしい臨場感をもった専用スタジアムだけに早急に芝対策をお願いしたい。ホームチームの監督・選手からの不満はあまりに残念すぎる。


(ヴィッセル神戸) (名古屋グランパスエイト)
GK: 掛川誠 GK: 楢崎正剛
DF: 田渕龍二 シジクレイ 北本久仁衛 松尾直人 DF: 大森征之 パナディッチ 古賀正紘
MF: 菅原智 山口貴之(63分/小島宏美) 岡野雅行 アリソン MF: 海本幸治郎(81分/海本慶治)吉村圭司 山口慶 滝澤邦彦 藤本主税
FW: オゼアス 三浦知良(63分/播戸竜二) FW: マルケス(82分/原竜太)ウェズレイ(87分/氏原良二)
SUB: 岩丸史也 吉村光示 三浦泰年 SUB: 本田征治 岡山哲也
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