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 webnews 03/07/15 (火) <前へ次へindexへ>
東京Vが逆転勝利。アルディレスはチームを変えられるか?
2003Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第12節 東京ヴェルディ1969vs.柏レイソル

2003年7月12日(土)19:00キックオフ 味の素スタジアム 観衆:11,650人 天候:曇一時雨
試合結果/東京ヴェルディ19693−1柏レイソル(前0−1、後3−0)
得点経過/[柏]ジュシェ(12分)、[東京]ラモン(63分)、平野(65分、88分)


取材・文/中倉一志

「前半と後半で全く異質のサッカーをしてしまいました」(マルコ・アウレリオ監督、柏)。この言葉が、この日の試合の全てを物語っていた。ポイントは2つ。明神の怪我による途中交代と、エムボマの後半からの途中出場だった。これで、柏は中盤の支配権をなくし、東京Vは中盤の支配権を奪い返した。結果は3−1で東京Vが逆転勝利、手をつけたチーム改造に勢いがつく勝利だったといえる。一方、敗れた柏には暗雲が立ち込めた。



 試合は相手の出方を探るようなゆったりとしてペースで進む。特にチャンスがあるわけでもなく、かといってピンチがあるわけでもない。序盤はやや膠着した展開で試合が進んでいく。しかし、このゆったりとしたペースは柏の流れ。東京Vは、そのゆったりとしたテンポに飲み込まれてスピードアップか図れない。そんな展開の中の16分、柏に先制点が生まれる。リカルジーニョからのパスを足元で受けたジュシェが、相手DFともつれるようにして左足で流し込んだ。

 柏が試合を有利に進めたのは中盤のプレッシングに優れていたことによるもの。東京Vの選手が中へ入ってくると素早くプレスをかけて絡み取るようにボールを奪う。この中盤の守備が東京Vの力を奪い去った。東京Vはボールを回そうとする意識は高いのだが、柏のプレスの餌食になって、ここからというところでスピードが上がらない。決定的なチャンスは30分の平野が抜け出したシーンだけ。それ以外ではチャンスらしいチャンスを作れなかった。

 しかし、有利に進めているとはいえ、柏の攻撃も迫力に欠ける。確かに中盤の守備は見事だが、そこからスピードアップできないのは東京Vと変わらない。ゆったりしたテンポのまま緩急の差をつけられない攻撃ではチャンスはそれほど多くは作れない。左SBの平山のオーバーラップと、玉田の運動量で左サイドを中心に攻撃を組み立てるものの、こちらも得点シーン以外では28分にマルシオが放ったシュート以外はチャンスらしいチャンスはなかった。



 さりとて、全く攻め手がない東京Vと、チャンスは多く作れないが中盤を支配していた柏とでは、主導権を柏が握るのは当然。前半を終了した時点では、東京Vの反撃は難しいようにも思われた。しかし、怪我のために明神が退くと状況は一変。柏の中盤のプレスが全く効かなくなり、それに乗じた東京Vのパスが回りだした。さらに後半から出場したエムボマがマークを引き付けることで、ラモンに自由が生まれるようになる。そして東京Vの反撃が始まった。

 55分、右からのCKに小林が右足ボレーで合わせる。シュートはわずかにクロスバーを超える。続く57分、ペナルティエリア内にエムボマが落としたボールに桜井が右足を一閃。強烈なシュートがゴールマウスを襲ったが、ここはGK南がファインセーブを見せてはじき返した。しかし、明らかに流れは東京V。柏は守備一辺倒に追いやられた。中盤で守れない柏は、DFラインを下げて堅い守りで凌いでいるが、下がりっぱなしで45分間も守れるはずはなかった。

 東京Vの同点弾は63分、桜井から右へ展開すると、ボールを受けた山田がサイドを突破。そこからの折り返しをファーサイドで待ち構えていたラモンがヘディングシュートでゴールネットを揺らす。さらに逆転弾は65分、桜井がゴール正面から放ったシュートをペナルティエリア内で平野が触ってコースを変えた。あっという間の逆転劇。しかし、それでも柏は前に出ない。ただ後ろに構えて守っているだけだった。この時点で勝負は決まり。88分には平野が決定的な3点目を叩き出して、東京Vは2連勝を飾った。



 柏にとっては、実に痛い明神の交代だった。さらに、玉田の足の状態までもが悪くなり、中盤の支配権を奪われたのが全てだった。その結果、やむなく後ろへ引いたのだろうが、ただ守っているだけでは勝利の女神は微笑まない。後半はなったシュートはわずかに1本。前半とはまったく別のチームになってしまった。加えて、ようやく主力メンバーが戻りつつあったところでの怪我人の発生に、指揮官は「いま頭を抱えているというのが現状」と苦しい胸のうちを吐露した。

 一方、ホームの東京Vは、これで4連勝。アルディレス監督になってからは、ナビスコ杯を含めて2勝1分と、まずは順調な滑り出しを見せた。「彼らとともにやっていけることに私は喜びを感じています。なぜなら、選手たちは向上心を常に持っていますし、自分たちのミスというものを自覚して、それを改善していこうと思っている」と語ったアルディレス監督。日本のサッカーを知り尽くした名将が、どうやってチームを立て直すのか。しばらく、目が離せそうにない。


マルコ・アウレリオ監督(柏)記者会見
アルディレス監督(東京ヴェルディ)記者会見


(東京ヴェルディ1969) (柏レイソル)
GK: 高木義成 GK: 南雄太
DF: 柳沢将之 米山篤志 林健太郎 三浦淳宏 DF: 平山智規 渡辺光輝 薩川了洋 落合正幸
MF: 小林慶行 山田卓也 平野孝 ラモン MF: 下平隆宏 明神智和(45分/根引謙介) リカルジーニョ ジュシエ
FW: 桜井直人(76分/田中隼磨) 平本一樹(45分/エムボマ) FW: マルシオ(73分/矢野貴章) 玉田圭司(69分/永井俊太)
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