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 webnews 03/07/15 (火) <前へ次へindexへ>
市原の首位はフロックじゃない!仙台を5−1で一蹴
2003Jリーグ ディビジョン1 1stステージ 第12節 ジェフユナイテッド市原vs.ベガルタ仙台

2003年7月12日(土)19:04キックオフ 市原臨海競技場 観衆:8,971人 天候:曇
試合結果/ジェフユナイテッド市原5−1ベガルタ仙台(前4−0、後1−1)
得点経過/[市原]崔(16分)、羽生(22分)、ミリノビッチ(24分)、山岸(42分)、[仙台]佐藤(62分)、[市原]崔(75分)


取材・文/佐内豊

 前節、柏を下した好調市原はついに首位に浮上。優勝争いという未体験ゾーンに突入しての初めてのホームゲーム。市原臨海競技場はこれまでにない緊張感が漂っていた。どちらかというと「のんびりしている」というのが市原のサポーターから受ける印象なのだが、この日は試合前から違っていた。望外の好成績にとまどいを感じつつも「ひょっとして」という思いが交わす言葉の端々から感じられる。一方の仙台は4月19日の第4節ヴィッセル神戸戦以来勝ち星に見放されている。悪い流れを断ち切るためにも、この日は是が非でも勝ち点がほしいところだ。この日もゴールド・ブルーの仙台サポーターがゴール裏に陣取り、試合前から熱い声援を送った。



 中盤の底で攻守の要である阿部勇樹(累積警告)と佐藤勇人(負傷)が欠場となったこの日、オシム監督は坂本、茶野を守備的ハーフ、斉藤とミリノビッチをストッパー、中西をリベロとする新しい布陣をとった。とりわけ仙台の左サイドバック根本からの攻撃を、対面する右サイド山岸がどう押さえ込むかが焦点であった。

 仙台のキックオフで始まった前半だが、序盤から市原の一方的な展開となった。選手の動きの質とスピードがまったく違うのだ。マークの受け渡しが実にスムーズで常に数的優位を保つことが出来るために、効果的なプレッシャーとなり、相手が苦し紛れに出したパスをカットするシーンが再三みられた。そして早い展開で攻撃への切り替え。サッカーの教則本のような攻撃が序盤から繰り広げられた。

 そして15分、羽生のプレスで仙台MF阿部が痛恨のバックパスのミスをおかしてしまう。崔がこのミスを見逃すわけもなく、ねらい澄ましてゴール左すみに先制ゴールを決めた。あとは市原のやりたい放題の展開。崔のFKのこぼれ球を押し込んだ羽生の2点目やミリノビッチの足に触って入った3点目など幸運にも恵まれたが、内容は点差以上に開いた前半戦だった。



 ベガルタの清水監督のハーフタイムの檄が利いたのか、はたまた前半終了時の仙台サポーターによる激しいブーイングに発憤したのか、後半は仙台の動きが活発化した。一方の市原は大量リードのためかプレスが甘くなりイージーなミスが目立ちはじめる。ゲームの流れは微妙なものだ。市原が押され気味の後半10分、裏をとられた中西がバックチャージを犯してしまう。この警告で次節の磐田戦に出場停止となってしまった。後半17分、今度は、仙台の猛攻に村井がたまらず自陣ペナルティエリア内でファールを犯してしまった。これを佐藤寿人がきっちり決め、仙台が一矢を報いた。その後も仙台は反撃を試みるが、櫛野のファインセーブと豊富な運動量を背景とする市原の堅守になかなかゴールを割れない。

 仙台に傾いた流れを変え引導を渡したのはまたしても崔だ。後半30分、坂本からのセンタリングをねらい澄ましてヘッドで決め、仙台の反撃の気力を打ち砕いた。その後は、市原の猛攻が再開。バーやポスト直撃のオンパレードの攻撃を見せた。リードしても決して守りに入らず攻めに徹する姿勢は、今の市原のサッカーの魅力の一つだ。結局、90分走りきった市原が5−1の大差で仙台を下した。



 仙台はこれで引き分けを挟んで7連敗。通算3勝2分7敗の14位まで交代。試合終了後、市原臨海に詰めかけた仙台サポーターが騒ぐ場面もあったが、チームの状態は深刻である。このゲームを見る限り、敗因は明らか。前半はプレスが甘く、運動量で上回る市原に思い通りのサッカーをさせてしまった。とりわけ、攻撃に起点であるシルビーニョ、財前が徹底的にマークされては、スピードに優れた能力をもつ山下、佐藤が孤立するのは自明だった。熱い仙台サポーターに応えるためにも、清水監督はあらたな戦略を示す必要があるだろう。

 一方の市原は、パスの出所を押さえ込むゲームプランが見事にはまった試合と言えるだろう。しかしながら、後半の立ち上がりの時間帯、相手に主導権を許したことは反省材料の一つだ。PKによる1失点に押さえたとはいえ、マークのずれから、相手に再三決定機を許した。次節対戦する磐田は早いパス回しで崩してくる強豪でミスは少ない。選手個々の技量の差を埋めるには、相手に走り勝つファイティング・スピリットしかないだろう。オシム監督が強豪相手にどのような采配をするのか楽しみだ。


(ジェフユナイテッド市原) (ベガルタ仙台)
GK: 櫛野亮 GK: 高桑大二朗
DF: 斎藤大輔 中西永輔 ミリノビッチ DF: 森川拓巳 ファビアーノ 小村徳男 根本裕一
MF: 山岸智(80分/望月重良) 茶野隆行 坂本將貴 村井慎二(77分/楽山孝志) 羽生直剛 MF: シルビーニョ 森保一 阿部敏之(45分/福永泰) 財前宣之(77分/千葉直樹)
FW: サンドロ(77分/林丈統) 崔龍洙 FW: 山下芳輝(85分/中原貴之) 佐藤寿人
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