topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 03/12/07 (日) <前へ次へindexへ>
まずは幸先のいいスタート。日本、イングランドを下す。
FIFA World Youth Championship UAE2003 グループD 日本代表vs.イングランド代表

2003年11月29日(土)20:30キックオフ ドバイ(アルマクトゥム・スタジアム) 観衆:12,000人
試合結果/日本代表1−0イングランド代表(前0−0、後1−0)
得点経過/[日本]坂田(54分)


文/中倉一志

 ユース年代のワールドカップ、FIFA World Youth UAE2003が11月27日、開幕した。大会には各大陸予選を突破した23カ国と開催国であるUAEの計24カ国が参加。4カ国ずつ6グループに分かれて総当りのリーグ戦を行った後、各グループの1、2位と、成績上位の3位4チームが決勝トーナメントに進出する。5年連続6度目の出場となる日本は、コロンビア、エジプト、イングランドとともにグループDで一次ラウンドを戦う。

 第10回大会(95年)でベスト8に進出した日本は、以後、コンスタントに上位に進出。第12回大会(99年)では、FIFA主催の公式大会で初めての決勝進出を果たす等、この年代では世界のトップクラスの実力を有している。しかしながら、前回大会は無念のグループリーグ敗退。今大会はその雪辱を狙う。まずはグループリーグの突破、そして決勝トーナメントでの上位進出が目標となる。初戦の相手はイングランド。まずは勝ち点3を狙いたいところだ。



 グループリーグ突破のために重要な意味を持つ初戦、日本は慎重な立ち上がりを見せる。やや低めに設定したラインでイングランドを待ち受け、奪ったボールは中盤で手数をかけずに前線へフィード。坂田がスペースへ飛び出してボールを受ける。リスクを極力排除して、まずは守りから入ろうということなのだろう。そのため、ボールキープ率はイングランドに譲ったが、リズムとチャンスはイングランドに与えない。

 イングランドの攻撃はハイボールを前線に送るところから始まるのだが、日本はこのボールに決して競り負けない。また、左サイドに流れるトーマス、更には、その後方からオーバーラップしてくるカルザースを押さえ込んだだけではなく、局面での個人勝負の場面でもことごとくボールを奪う等、イングランドに攻撃の糸口を与えない。そして16分にカウンターから、17分には阿部のポストプレーからいい形を作ると、徐々に前へ出始めた。

 日本は、攻守の切り替えの要となる今野を経由してボールをつなぎ、前線では、坂田がスピードを生かしてスペースへ飛び込んでボールを引き出す。25分に一瞬の隙を突かれて決定的なピンチに見舞われたが、これはGK川島がスーパーセーブでゴールを死守。以降、イングランドにチャンスを与えない。そして30分を過ぎてからは、試合のペースを手繰り寄せた。イングランドの集散が早く決定的なチャンスを作るには至らず0−0で前半を折り返したが、まずまずの前半と言えそうだ。



 中盤でつながずに、しきりにDFの裏へボールを蹴ってくるイングランドと、しっかりとつないでビルドアップを図る日本。後半に入ると、その違いが更に顕著になっていく。しかし、攻守のバランスのいい日本がハイボールに慌てるシーンはない。試合のペースは日本のものだ。そして51分、日本に最初の決定的なシーンが訪れる。左からのクロスボールに阿部が頭で合わせてシュート。ふわりと浮いたボールが右ポストを叩いた。

 そして、その直後の54分、日本に待望の先制点が生まれる。左サイドに流れた阿部がボールを受けて、後方から駆け上がってきた鈴木へバックパス。鈴木はクロスボールをファーサイドへ。そこへ詰めて来た徳永がダイレクトで中央へ折り返す。この一連のパス回しにイングランドDFは完全に振られた。そして中央へ頭から飛び込んできた坂田がゴールネットを揺らした。

 この後、反撃を図るイングランドはラインを上げて攻めに出るが、前半から安定した守りを見せる日本は決して崩れず、イングランドが繰り出すロングボールを的確に押さえチャンスの糸口さえ与えない。終了間際の43分、そしてロスタイムにゴール前で決定的なチャンスを作られる場面があったが、ここは再び川島がスーパーセーブを見せてボールをはじき出した。やがて試合終了のホイッスル。日本は大事な初戦で貴重な勝ち点3を挙げた。



 日本の守備意識の高さがもたらした勝利だった。確かにイングランドの攻撃がロングボール主体の単調なものであったことに救われた感もあるが、日本にとって、ハイボールでの競り合いは決して望むものではない。このハイボールに的確に対応できたことが勝因だったと言えるだろう。また、戦術・技術ともに日本が上であったことも感じられた一戦でもあった。特に先制点の組み立ては見事。日本のパス回しが十分に通用することも感じさせてくれた。

 だが、課題もある。1点を奪うまではシナリオ通りの戦い方であったが、やはり、早い時間帯で追加点が欲しかった。このクラスになれば、どんな戦いをしても1度や2度は決定的なピンチに見舞われるもの。事実、日本も終了間際にあわやというシーンに見舞われた。そういう意味では、確実に2点目を取ることが勝ち点を重ねる上では重要になる。ポストに入った選手が高い位置でボールをキープできるかどうか。その辺りがポイントになってくるだろう。


(日本代表) (イングランド代表)
GK: 川島永嗣 GK: ロナガン
DF: 近藤直也 菊地直哉 角田誠 DF: ウェルシュ S.テイラー キルガロン カルザース(46分/エブリー)
MF: 徳永悠平 小林大悟(52分/谷沢達也) 成岡翔 今野泰幸 鈴木規郎(71分/山岸智) MF: オニール フォックス(67分/ライト) カーター ジョンソン(78分/クロフト)
FW: 坂田大輔(87分/茂木弘人) 阿部祐大朗 FW: トーマス チョブラ
<前へ次へindexへ>
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送