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 webnews 03/12/12 (金) <前へ次へindexへ>
輝く坂田のゴールデンゴール。ライバル韓国に初勝利
FIFA World Youth Championship UAE2003 ラウンド16 日本代表vs.韓国代表

2003年12月8日(月)18:00キックオフ アルナフヤン・スタジアム 観衆:5,500人
試合結果/日本代表2−1韓国代表(前0−1、後1−0、延前1−0)
得点経過/[韓国]チェ・ソングッ(38分)、[日本]坂田(82分、105分)


文/中倉一志

 2勝1敗、勝ち点3でグループリーグを首位で突破した日本。決勝トーナメントの初戦はアジアのライバル韓国との対戦となった。この世代の代表が韓国と対戦するのは、これが5回目。過去4回の対戦では、いずれも0−1で敗れている。ここまでは、結果も内容も、残念ながら韓国の後手を踏んでいるが選手たちに苦手意識はない。「力の差がなくなったことをここで証明したい」(今野)。粘り強い守備と切り替えの早い攻撃でベスト8を目指す。

 その韓国は苦しみながらグループリーグを突破してきた。初戦のドイツに勝利した後は2連敗。得失点差でかろうじて3位に入り、各グループリーグ3位の中で4番目というギリギリの成績で決勝トーナメント進出を果たした。だが、日本に対しては強気の姿勢を崩さない。「韓国も日本も同じようなチーム。だが、事実を述べれば我々が4回勝っている。5回勝つのに何の障害もない」(パク・スンハ監督)。そんなライバル同士の対戦は18:00にキックオフの笛が鳴った。



 立ち上がりから攻勢に出たのは韓国だった。韓国のフォーメーションは4−4−2。ターゲットマンのキム・ドンヒョンが前線に張り、その回りを自由にチェ・ソングッが動き回る。やや引き気味のラインから、攻守の切り替えを速くして日本の3バックの両サイドに出来るスペースをつく。攻撃の中心は右サイド。このスペースにチェ・ソングッ、イ・ジョンミンが飛び出してチャンスを作る。4分、22分と早くも決定機を作り出した。

 対する日本は、これまでの戦い同様、まずはしっかりと守って自分たちのリズムを作る。立ち上がりは堅さが見られたものの、この日も粘り強い守備は健在だ。韓国とは対照的に、奪ったボールをゆったりとしたリズムでつなぎ、リスクを抑えてゲームを進める。前線でボールがキープできないという課題は残されているが、ゲームプランは前半を0−0で凌いでの後半勝負。いつ坂田と平山を投入するかが勝負の鍵を握っている。

 攻める韓国、守る日本という構図でゲームが進む中、先制点が韓国に生まれる。時間は38分、中盤でボールを受けた韓国はイ・ホが素早く右サイドへ展開。これを受けたイ・ジョンミンが素早いタッチでゴール中央へ送り込む。そこへ飛び出してきたのはチェ・ソングッ。DFラインの裏を取ると、ワンバウンドしたボールの上がりっ鼻を捉えてループシュート。緩やかな放物線を描いたボールは、川島の頭上を越えてゴールマウスに吸い込まれた。



 前半での、しかも最も警戒すべきチェ・ソングッに決められた先制点。ゲームプラン通りに試合を進めていた日本にとっては痛い失点だった。すかさず大熊監督が動く。40分、阿部に代えて平山を投入。後半の頭からは小林に代えて谷澤を入れると、成岡をボランチの位置に下げてトップ下を任せた。反撃体制に入るときのいつもの選手交代だ。ラインを上げて攻める日本。平山が前線でボールをキープし、日本にリズムが生まれてきた。しかし、低く構えて守りを固める韓国の壁を崩せない。

 攻め続ける日本。73分、大熊監督は3枚目のカードを切る。ピッチに現れたのは坂田だ。残り時間は約20分。日本はターゲットとなる平山と、前線のスペースに飛び出す坂田にボールを集めて最後の攻撃に出る。これが見事に効を奏した。時間は82分、前線へフィードしたロングボールを、韓国DFに競り勝った平山がペナルティエリアに落とす。そこへ飛び込んだのは坂田。鋭い動きから右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。1−1。日本が同点に追いついた。

 両者一歩も引かない対戦は延長戦へ。先に攻勢に出たのは韓国だ。ロングボールを放り込んで積極的に前に出る。再び押し込まれる日本。しかし、日本は粘り強い守備を見せてチャンスの時をじっくりと待つ。そして105分、遂にその時がやってきた。平山が激しく当たって韓国からボールを奪い返すと、谷澤、今野とつなぐ。そこから浮き球のパスをゴール裏へ流し込んだ。飛び込んだのはまたも坂田。ワンタッチでボールをコントロールすると素早く右足を一閃。次の瞬間、韓国のゴールネットが大きく揺れた。



 韓国相手に先制点を許す厳しい試合だった。しかし、大会を通して身につけた粘り強さが、この日の試合でも見事に生かされた。前半の立ち上がり、更には延長の立ち上がりは、前へ出てくる韓国に守るので精一杯のシーンもあったが、ゴールさえ奪われなければ必ずチャンスがやってくることを選手たちは貴重な経験から学んでいた。ターゲットマンとしての役割を十分に果たした平山、値千金の2ゴールを挙げた坂田はもちろん、全員で勝ち取った勝利だった。

 また貴重な経験を積んで階段をひとつ登った若き日本代表。準々決勝ではサッカー王国ブラジルと対戦する。今まで以上に手強い相手だ。しかし、まだチームとしてのまとまりを欠くブラジルは、日本にとって決して困難な相手ではない。これまで同様、粘り強い戦い方が出来ればつけ入る隙は十分にある。2大会ぶりにベスト8まで駒を進めて来た日本。ここまで来れば、相手がどこであろうと勝利を目指して戦うだけだ。


(日本代表) (韓国代表)
GK: 川島永嗣 GK: キム・ヨングァン
DF: 菊地直哉 永田充 栗原勇蔵 DF: オ・ポムソッ(85分/ヨ・ヒョジン) キム・ジンギュ イム・ユファン キム・チウ
MF: 徳永悠平 今野泰幸 成岡翔(73分/坂田大輔) 小林大悟(46分/谷沢達也) 鈴木規郎 MF: イ・ジョンミン イ・ホ クォン・ジブ チョ・ウォンヒ(61分/ハン・ジェウン)
FW: 阿部祐大朗(39分/平山相太) 茂木弘人 FW: キム・ドンヒョン チェ・ソングッ(86分/チェ・ジョグッ)
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