topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 03/12/24 (水) <前へ次へindexへ>
堅守のスペイン。PKでコロンビアを降す。
FIFA World Youth Championship UAE2003 準決勝 スペイン代表vs.コロンビア代表

2003年12月15日(月)21:00キックオフ ドバイ(ラシッド・スタジアム) 観衆:5,700人
試合結果/スペイン代表1−0コロンビア代表(前0−0、後1−0)
得点経過/[スペイン]イニエスタ(86分)


文/大内孝彦

 ワールドユースUAE2003もついに準決勝。この試合は準決勝の第2試合であり、残すところはこの試合も含めてあと3試合となった。ここラシッド・スタジアムではスペイン代表とコロンビア代表が対戦した。

 スペインはグループリーグB組をアルゼンチンに次ぐ2位で通過。決勝トーナメントではパラグアイとカナダを降して準決勝進出を果たした。スペインといえば派手な攻撃サッカーのイメージがあるのだが、このチームはどちらかといえば守備のチーム。堅実な守備をベースにイニエスタやセルヒオ・ガルシアといった攻撃の才能を上手く生かしてここまで勝ち進んで来たといえそうだ。

 対するコロンビアはD組を2位で通過。ただし、D組を1位で通過した日本に対して4−1と大勝していることを考えると、意図的に2位通過をしたともいえる。ちなみに、1位通過した日本はブラジルに5−1と粉砕されている。ともあれ、アイルランドと開催国のUAEを降して準決勝に駒を進めてきた。グループリーグの日本戦から分るように、卓越した個人技だけでなく高い守備意識も併せ持つ好チームである。



 試合開始早々。スペインはFWのセルヒオ・ガルシアの上手いキープからフリーキックのチャンスをつかむ。しかし、このゴール正面からのイニエスタのフリーキックはGKランダスリがキャッチして得点とはならず。こうして最初にチャンスを得たのはスペインだったのだが、この後、試合の主導権はコロンビアが握ることとなる。コロンビアは卓越した個人技でボールをつなぎ、両サイドをえぐってチャンスを作り出す。しかし、スペインもキャプテンのメッリを中心とした堅実なディフェンスで決定的な形を作らせない。

 一方、なかなか攻撃のリズムを作れないスペインだが、セットプレーからチャンスを作り出した。11分。スペインは左サイドの深い位置でフリーキックを得る。このフリーキックにキッカーのイニエスタは直接ゴールを狙ったのだが、GKランダスリがパンチングで逃れて得点を許さない。

 対するコロンビアはボールはキープできるのだが、決定的な形を作り出すには至らない。それでも25分には、右サイドに流れたペレアの放ったシュートのこぼれ球をアンチコが拾い、右サイド深くをえぐってからゴール前のペレアへマイナスのパス。そしてペレアがシュートを放つ。しかし、これはGKリエスゴの正面を衝いてしまいゴールとはならず。30分。コロンビアはモンターニョがイエローカードを受けてしまう。このカードで累積警告が2枚となったモンターニョは次の試合が出場停止となってしまった。

 コロンビアのペースで進んでいたこの試合だが、30分を過ぎたあたりから、スペインが巻き返す。そして37分には右サイドからセルヒオ・ガルシアが強烈なシュートを放つものの、これは惜しくもサイドネット。この後も何度か1トップのセルヒオ・ガルシアを中心とした攻撃を見せるスペインだが、得点までには結びつかない。44分。コロンビアはペレアがブリセーニョとのワンツーでゴール前へと抜け出してシュートを放つ。決定的ともいえる場面だったが、これはリエスゴが右足でかろうじてセーブ。結局、前半は双方ともに何度か良い形を作り出したものの得点を入れるまでには至らなかった。



 後半。コロンビアがまず最初に大きなチャンスを得る。51分。コロンビアのコーナーキックからのボールをスペインの選手が頭でバックパス。しかしこれがゴール前にいたアギラルへのパスとなってしまい、受けたアギラルが素早く反転してシュートを放つ。だがこのシュートは枠を捉えることができず、大きく上に外れてしまう。
 対するスペインも直後の52分にイニエスタのシュートのこぼれ球をスペインが拾い最後はガビがシュート。これは枠を捉えていたのだが、コロンビアのディフェンスがクリアして得点とはならず。

 こうして後半も両チームが拮抗した試合を展開してゆくことになる。両軍のベンチはコロンビアは62分にアラウジョ、スペインは75分にアリスメンディ、78分にガビランと選手交代からペースを引き寄せようとするのだが、天秤が大きく傾くことは無いまま試合が進んで行く。そしてそろそろ延長戦のことも頭によぎりだした85分。思いもかけない事件が発生する。イニエスタのディフェンスの裏を狙ったパスをペナルティエリア内でアンチコが手で触ってしまいスペインにPKが与えられたのである。そしてこのPKをイニエスタが冷静に決めてついにスペインに1点が入った。
 結局、この1点が決勝点となった。この後、3分間のロスタイムも含めて両チームに得点が生まれることは無く、スペインが1−0でコロンビアを降して決勝戦へと駒を進めた。



 敗れたコロンビアは3位決定戦へとまわることになった。対戦相手はブラジルに敗れたアルゼンチン。南米のチーム同士の対戦となった。コロンビアは攻撃の中心であるモンターニョを欠くこととなってしまったのだが、これがどの程度まで試合に影響するのであろうか。

 勝ったスペインは、決勝戦へ進出。対戦相手はブラジルである。普通、スペインといえば、攻撃的なサッカーが看板であるのだが、このスペイン代表は堅実な守備のチームという印象がある。対戦相手であるブラジルの強烈な攻撃力に、このスペインの守備力がどこまで通用するのかがポイントとなるのではないだろうか。


(スペイン代表) (コロンビア代表)
GK: リエスゴ GK: ランダスリ
DF: ブゾン カルロス・ガルシア メッリ ペーニャ(78分/ガビラン) DF: アンチコ デラクエスタ パチョン ファウセット
MF: ファンフラン(75分/アリスメンディ) ヒーニャ イニエスタ ガビ テージョ MF: モンターニョ(89分/カゥリージョ) アギラル リバス カステリジョン
FW: セルヒオ・ガルシア FW: ペレア ブリセーニョ(62分/アラウジョ)
<前へ次へindexへ>
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送