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 webnews 04/10/10(日) <前へ次へindexへ>
日本、決勝進出ならず。PK戦で韓国に屈す。
AFCユース選手権大会 マレーシア2004 準決勝 日本vs.韓国

2004年10月6日(水)19:00キックオフ チェラススタジアム(クアラルンプール)
試合結果/日本2−2(1PK3)韓国(前0−1、後1−0、延前0−0、延後1−1、PK1−3)
得点経過/[韓国]ぺク・ジフン(33分)、[日本]渡辺(90+3分)、[韓国]パク・ジュヨン(113分)、[日本]平山(120分)


文/中倉一志

 日本が見せた驚異的な粘りと、韓国との間にある個の力の差。収穫もあり、そして課題も見えた準決勝だった。「よくがんばった部分と足りなかった部分がある。勝負の分かれ目は2点目だった」と大熊監督も試合を振り返る。選手たちも、ワールドユースへの出場権を獲得したという達成感と、韓国相手に3連敗と悔しい気持ちを味わったことだろう。日本が見せた「最後まであきらめない粘り強いサッカー」を伸ばし、個の力に対応する力を身につけること。それがワールドユースまでの宿題になった。



 さて試合だが、立ち上がりから積極的に攻め上がってくる韓国に対し、日本はキックオフと同時に守備に負われる展開を余儀なくされる。フィジカルの強さとスピードを生かして左サイドを中心にグイグイと押し込み、どんどんクロスボールを放り込んでくる韓国伝統のスタイルに完全に押し込まれた。中村、苔口の両サイドは最終ラインまで押し込まれ、攻撃を担うはずのカレン・ロバート、兵藤までもが守備に追われる。頼みの綱は前線への放り込みだったが、厳しいマークを受ける平山はキープも叶わず、前半の日本はノーチャンスだった。

 そんな日本に対し、韓国はグイグイと押し込んでくる。コンパクトに保たれた中盤と激しいプレッシャー。チャンスには後方から選手が次から次へと上がってくる。そして33分、ゴール前のパク・ジョヨンにボールが入るのと同時に、ぺク・ジフンが2列目からダブルボランチの間をすり抜けてゴール前へ。パク・ジョヨンからのラストパスを受けてGKと1対1になると、左足アウトサイドで落ち着いてゴールに流し込んだ。守備に追われる日本は、ぺク・ジフンの動きに全く反応できなかった。

 今大会初失点を喫した日本は明らかに動揺の色が隠せない。この後、更に激しさを増す韓国の攻撃にさらされた。時間の経過とともにボールをカットする位置が後方へ下がり、守備陣の連携も怪しくなっていく。それでも何とか追加点を喫することだけは免れた日本は37分、中山が強烈にシュートを放つ。この試合で、日本が得た初めてのチャンスらしいチャンスだった。しかし、韓国の攻勢は変わらず。試合は0−1で折り返したが、この時点で日本に反撃のチャンスはないように思われた。



 ところが、日本は後半に入ると見違えるように生まれ変わった。苔口が高い位置取りから積極的に仕掛け、怪我が癒えない平山も前線で必死になってボールを受ける。縦へのリズムが出始めた。4分、さらに5分には攻めに出る間隙を突かれて韓国から決定的なシュートを浴びるが日本はひるまない。とにかくなりふりかまわずに前に出た。やがて韓国の足が止まり始める。そして、ここから日本の怒涛の攻撃が始まった。

 67分、大熊監督は中山を下げて船谷を投入。兵藤をトップ下に上げる。前がかりになる日本は、激しく韓国を攻め立てDFラインも積極的に攻撃に参加する。32分には高柳に代えて森本。リスクを背負って3トップ気味の布陣で韓国をゴール前に押し込んで一方的に攻めたてた。さらに87分、小林を下げて渡邊。4枚のFWで韓国の厚い壁を強引に破りにかかる。そしてロスタイム、森本のシュートがこぼれたところを平山がゴール前へ。渡邊が頭から飛び込んで遂に韓国のゴールネットを揺らした。

 勝敗の行方は延長戦へ。流れから見て日本に分があるように思われた。しかし、悔やまれるのは、この勝負とごろで攻め切れなかったこと。やがて徐々に韓国にリズムを奪われた。そして113分、渡邊からボールを奪った韓国はぺク・ジフンが左サイドへ長いボールを展開。ボールを受けたパク・ジョヨンが一人で持ち込んでゴールを決めた。これで勝負あったと誰もが思ったことだろう。しかし、ここから再び日本は劇的なゴールを挙げる。120分、苔口がゴール前にあげたクロスに平山がジャンプ一番。高さを生かしたヘディングでゴールネットを揺らしたのだ。「最後まであきらめない粘り強いサッカー」で土壇場で追いついた。

 しかし、サッカーの神様が微笑んだのは韓国。PK戦では日本が3人も外したのに対し、韓国は1本目こそ外したものの、後は確実にゴールネットを揺らし激戦にピリオドを打った。



 圧倒的に不利な状態から強い気持ちで試合を五分に戻した日本。その戦いは見事だった。しかし、「前半のサッカーはゴールに向かう気持ちが足りない。後半30分のサッカーを90分続けられるようにならなければ、日本の選手はうまいだけで終わる」(大熊監督)と言うように、韓国との間にメンタル面と、個人の力に差があったことも事実。土壇場で2度も追いついたという粘り強さを評価することはもちろんだが、この差を正面から見据えて対策を立てなければ、この日の激戦も糧にはならない。

 来年の6月にオランダで行われるワールドユースに向けて選手の入替もあるだろう。今大会で得た教訓をもとに、大熊監督もチームを更に強化することだろう。まだまだ伸び白の多い若い世代。世界の舞台で、この悔しさを晴らしてくれることを期待したい。


(日本代表) (韓国代表)
GK: 西川周作 GK: チャ・キソク
DF: 小林祐三(87分/渡邉千真) 増嶋竜也 水本裕貴 DF: オ・ジャンウン イ・ガンジン キム・ジンギュ アン・テウン
MF: 兵藤慎剛 高柳一誠(78分/森本貴幸) 中村北斗 苔口卓也 中山博貴(67分/船谷圭祐) MF: パク・ヒチョル ぺク・ジフン チョ・ウォンカン(70分/パク・ジョンジン) ぺク・スンミン
FW: 平山相太 カレン・ロバート FW: キム・スンヨン(90分・チョン・インファン) パク・ジョヨン
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