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 webnews 05/01/03 (月) <前へ次へindexへ>
ハット達成の堀川(オレンジ奥)はガッツポーズ。
済美、堀川のハットトリックで、ホームの実践学園を粉砕!
第83回全国高校サッカー選手権大会 1回戦 実践学園高校vs.済美高校

2004年12月31日(金)12:10キックオフ 西が丘サッカー場 観衆:3,264人 天候:曇のち雪
試合結果/実践学園高校1−3済美高校(前半0−2、後半1−1)
得点経過/[済美]堀川(11分、34分、46分)、[実践学園]下地(79分)


取材・文/西森彰

 今年も、首都圏校が地元で戦える有利なブロック分けが行なわれた。この西が丘で暫定ホームチームとなるのは、初出場となる実践学園高校。武蔵野出身の選手たちが、プリンスリーグに参加して経験を積み、今冬、この全国高校サッカー選手権に初めて歩みを進めた。

 これに対するは愛媛県から乗り込んできた済美高校だ。こちらも夏にインターハイベスト16の実績を残している新勢力。女子校から共学校へと変わって3年目。野球は甲子園で、センバツ優勝、夏は準優勝と大活躍を見せた。当然、サッカー部もこれに続きたいところ。



 試合開始から、しばらくして雪が舞い始めた西が丘サッカー場。キックオフから、オレンジのユニフォームを着た済美の選手たちが鮮やかに躍動する。「試合前に『普段どおり、いつもどおりで行こう』と選手たちに言って、非常に良い形で試合に入れたと思います」。土屋誠監督のコメントどおり、済美は地元チームを相手にする不利など微塵も感じさせない、素晴らしいスタートダッシュを切った。

 3-5-2で布陣する実践学園。3バックの横にできるスペースを突くことは、敵陣攻略の基本だ。「前の日からミーティングなどで徹底して、シンプルに両サイドを使っていこうと話をしました。これを繰り返しながら、(点を)取れなくても、リズムを崩さず焦らず、ということで」(土屋監督)。済美は、チーム全体でそれを実行した。

 特に活発だったのが左サイドハーフの池田幸弘と、その後ろにいる井上俊介のコンビ。池田が果敢な攻撃で、相手のウイングバックを引っ張ると、そこに生まれたスペースに井上が入って、クロスを上げる。11分の先制点は、狙っていたその形から生まれた。井上のクロスが相手DFに当たって、ニアサイドの誰もいないスペースにこぼれた。スピードスター・堀川恭平は、相手GKの鼻先でかっ攫いシュート。先制ゴールとイニシアチブを手繰り寄せた。

実践学園(青白)、雪中に散る。
 済美はかさにかかって攻めかかる。25分にも決定機が生まれた。小笠原宏樹と井上のパス交換を見た池田が前方へ走り、エンドラインギリギリから中央へグラウンダーを折り返す。敵味方とも触れば1点ものの場面だったが、ボールは逆サイドまで抜けていった。さらに34分、左のCKから、天崎亮太が放ったキックはニアサイドに走りこんだ堀川の頭にピタリ。2点差をつけて前半を終了した。

 後半に入った46分、渡邊一仁が前線に送ったロングボールを、左サイドで受けた堀川が実践学園ゴールに叩き込み、今大会初のハットトリックを達成した。ゴールを決めたのは、母校の応援団が声援を送るバックスタンドの目の前。嬉しそうにガッツポーズでアピールする堀川。済美は、この時点でほぼ勝利を手中に収めた。

 何とか1点を返したい実践学園は、選手交代に伴う大きなポジションチェンジで、済美のマークをズラそうとする。57分、石原美彦の蹴った右コーナーキックからの混戦では詰めきれず。62分、左サイドからのFKで、高橋令維示の蹴ったボールに、藤井恭平、鈴木佑輔が突っ込むが決まらない。77分、石原のFKに1クッションあって、最後は途中出場・伊藤啓太のヘディングもあったが、これも僅かに外。

 完封負けも匂い始めた79分、左コーナーキックから流れたボールを、阿部友樹が懸命に折り返し、下地由維樹がゴールをゲット。途中出場した高橋拓也以外の出場メンバー全員が3年生の実践学園は、高校サッカーのハイライトとなるゴールを奪い、最後の試合を終えた。



「天候が悪くなる前に1点目を先制できて、さらにもう1点取れたのが勝因だと思います」と土屋監督は語った。2時間後にキックオフされた第2試合では、最初から雪まみれのピッチコンディション。「本人も楽しみにしていましたし、彼のスピードは全国に行っても通じると思っていました。『1点は取ってくれよ』と声をかけていたんですが」(土屋監督)という堀川のパフォーマンスは、天候によって封じ込まれていたかもしれない。

「(『後半、苦戦した原因は?』)読みの問題ですね。クリアができてもセカンドボールが拾えない。それと最終ラインが押し上げられなくなって苦しくなりました。次は堀川がマークされるとは思いますが、そのあたりは周りの選手が頑張ってもらえれば良いと思います」

 2回戦への課題を語ってくれた土屋監督は、女子チームを率いて全国高校女子サッカー選手権に出場したこともある。異色の経歴を持つ指揮官のもと、済美サッカー部は新たな冒険のスタートを切った。


(実践学園高校) (済美高校)
GK: 佐々木勇輔 GK: 佐々木達也(79分/桐本貴裕)
DF: 藤井恭平、鈴木佑輔、内堀達也(48分/神田建介) DF: 門田真二、谷東磨、西原誉志、井上綾介
MF: 村田哲太、高橋令維示、阿部友樹、石原美彦、住崎武史(70分/高橋拓也) MF: 渡邊一仁、天崎亮太、池田幸弘、宮内智弘(60分/友近勇也)
FW: 下地由維樹、又吉浩(62分/伊藤啓太) FW: 堀川恭平(63分/八塚猛)、小笠原宏樹
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