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 webnews 05/01/03 (月) <前へ次へindexへ>
先制に沸いたイレブンと応援席。
全国高校サッカー開幕。初出場・羽黒に快進撃の予感、城陽には悔しい敗戦。
第83回全国高校サッカー選手権大会 1回戦・開幕戦 羽黒高校vs.城陽高校

2004年12月30日(木)13:10キックオフ 国立霞ヶ丘競技場 天候:晴 観衆:8,432人
試合結果/羽黒高校1−1城陽高校(前0−1、後1−0)、PK4−1
得点経過/[城陽]北川(17分)、[羽黒]高橋(75分)(注)前後半40分ハーフ


取材・文/貞永晃二

 例年どおり、カラフルなユニフォームが並んだ開会式も終わり直後の開幕戦に登場したのは、初出場の羽黒と2度目の城陽。全国的にはまだ無名といってよいチーム同士のフレッシュな開幕戦だ。

 羽黒はジェフ市原、モンテディオ山形でプレーした本街直樹監督が指揮し、ジーコとジェロニモコーチの縁によるブラジルCFZクラブからの留学生4人を擁するチーム。一方村上昌司監督率いる城陽はサブを含めても2年生がDF白波瀬翔ただ一人であとは3年生がずらりと並び、今年に賭けるチームといってよいようだ。 


キャプテン柏倉(8番)のFK。徐々に羽黒もペースを掴む。

 試合は城陽ペースで始まる。左サイドを幾度か崩しチャンスを作る。村上監督が「もっと緊張するかと思っていましたが」と、本街監督が「固かった」と振り返ったように、城陽はやや緊張気味の羽黒を尻目に監督の予想をいい意味で裏切ってのびのびと持ち前のサッカーを披露した。

 DF河村幸祐のロングシュート、FW橋爪啓の左サイドからのドリブルシュートで羽黒ゴールを脅かした城陽は17分にペナルティエリア右よりのFKで先制する。中盤の底を担当する北川裕輔の右足から放たれたキックは美しい弧を描きゴール左上スミに吸い込まれた。1、2、3のリズムで助走もなくそれゆえ力みもなく蹴り出されたボールだった。

 先制したことでさらにリズムがよくなった城陽は、ドリブルでの仕掛けからサイドの崩しが効果的で、中でもMF島田圭の技術が冴えを見せる。羽黒は押されながらもGK中島弘行が橋爪啓のフリーシュートをブロック、味方の反撃を待つ。

 31分、本街監督は中盤の選手を交代し、ボランチだったマーロン・シルベイラを左サイドに出すことで、同点のきっかけを模索する。そして右サイドを遠藤弘康が破り、ブルーノ・カルバリョがボレーで狙う惜しいチャンスも生んだが決められず、そのままハーフタイムを迎えることになる。



1対1のまま、勝負はPK戦にもつれ込んだ。
 後半、前半の緊張ムードが嘘のように羽黒は高めの位置からのチェイシングとプレッシングを意識し、城陽を圧倒する攻撃を展開する。FKから秋場勝利のヘッド、柏倉優のミドルが飛ぶ。さらにFKからもチャンスが訪れるが決めきれない。このあたり、城陽の選手の動きが目立って落ち始める。それでも城陽は左サイドからのグラウンダーのボールに巧みなスルーを絡めて森本元気がフリーシュート、しかしこれもGK中島弘行がファインセーブで救う。

 同時にピッチに立てるのは二人までというレギュレーションからブラジル人交代の時期を思案していた本街監督が残り12分で動く。マーロン・シルベイラをアウトし、本来はDFながらも192センチという長身を武器とするドグラス・ピレスデソウザを投入し、ハイボールでの攻めを意図する。しかし「選手が徹底できなかった」と本街監督が苦笑したようになかなか効果的なパワープレーができない。それでも、加賀晶彦とブルーノ・カルバリョの2トップの連係から惜しいチャンスを作る。

 さらに攻勢を強めた羽黒はブルーノ・カルバリョが左サイドで粘り強いドリブルでDFを引きつけ、上がった柏倉優へ横パス、さらに右でフリーとなっている高橋一成へとボールは送られ、シュートはGKと右ポストの狭い空間をボールは突き抜けた。あきらめ始めた残り5分での同点ゴールに羽黒応援団が大騒ぎだ。

 追いついた勢いで逆転を狙う羽黒は狙いのハイボールをドグラス・ピレスデソウザがヘッドですらし、加賀晶彦がダイレクトで狙う。城陽も負けずに盛り返し、先制ゴールの北川裕輔に再度FKのチャンスが来るが、今度は決められない。

 交代ワクを一つ残す城陽は、京都府大会で3度のPK戦を勝って自信を持つGK森泰之を入れ「ロシアン・ルーレット」に備えた。しかし、本街監督が「PKが好き」と評したこの日絶好調のGK中島弘行の自信は相手GKを上回った。この湘南ベルマーレ・ジュニアユース出身のGKは城陽の1番目高岡祐基、3番目の島田圭のキックをストップし、チームを初陣・初勝利に導いてみせたのだ。



崩れる城陽(手前)と喜ぶ羽黒(奥)。PKの光と影。
 前半の出来からは想像しにくい後半の落ち込みを見せてしまった城陽。緊張が見られない立ち上がりだったが、国立の舞台に逆に張り切りすぎ、パワーを前半につぎ込みすぎたようだ。もう少しの我慢ができず悔しい敗戦となった。

 まだ若い羽黒・本街監督だが、本来個人プレーに走りがちのブラジル人も協調性あるプレーを見せるように、チームを完全に掌握しているようだ。過去、初戦突破を果たした初出場チームが勢いに乗って勝ち進むことは珍しいことではない。他チームより一日多く休めることもアドバンテージだ。初陣・羽黒の快進撃を期待しよう。











(羽黒高校) (城陽高校)
GK: 中島弘行 GK: 鶴谷啓明(79分/森泰之)
DF: 五十嵐崇紘 遠藤弘康 秋場勝利 志村優 DF: 白波瀬翔 三矢広樹 高岡祐基 河村幸祐
MF: 高橋一成 柏倉優 高松尚也(31分/畠腹郁実) マーロン・シルベイラ(68分/ドグラス・ピレスデソウザ) MF: 北川裕輔 林久郎(69分/野田涼太) 島田圭 森本元気
FW: 加賀晶彦 ブルーノ・カルバリョ FW: 橋爪啓 田泓智和
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