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 webnews 05/04/11 (月) <前へ次へindexへ>
C大阪ようやく開花!森島、値千金の初ゴール!
2005Jリーグ ディビジョン1 第4節 セレッソ大阪vs.名古屋グランパスエイト

2005年4月9日(土)16:02キックオフ 長居スタジアム 観衆:13,040人 天候:晴
試合結果/セレッソ大阪1−0名古屋グランパスエイト(前1−0、後0−0)
得点経過/[C大阪]森島寛晃(19分)


取材・文/貞永晃二

 1−3、2−3、2−1、0−2そして0−1。C大阪の今季公式戦5試合の結果だ。新加入メンバーを8名起用したもののリーグ戦連敗スタート、しかも計6失点ではサポーターは苦しみぬいた昨季の再現フィルムを見せられているような気分になったことだろう。ナビスコカップで名古屋に勝利したあと、不安定だった守備も落ち着きをみせたものの、今度はゴールが決まらず苦しい戦いが続いている。

 一方、名古屋は第2節アウェーの磐田戦に快勝(3−0)し、そのまま勢いに乗るかと思われたが、ウェズレイをめぐるゴタゴタが影響したためか、リーグ戦では1勝2分、ナビスコカップでは連敗という思わしくない結果となっている。



 C大阪は黒部に代わり西澤を起用、また前節重傷を負った新人DF江添に代わり、これもルーキーしかもテスト生上がりの前田和哉(初芝橋本高−大阪体育大)を起用。一方名古屋はGK楢アが負傷のためベンチにも入れず川島が代役。さらにウェズレイ不在のトップには、話題の新人MF本田の星稜高校での一年先輩に当たる巨漢FW・豊田を抜擢した。

 両チームともに、西澤と豊田をターゲットにロングボールを当てて、攻撃を仕掛ける。しかしポストプレーでは、やはり西澤が何枚か上手。ダブル強力ストッパー古賀と増川を背負いながらも巧みに起点となり森島、古橋、ファビーニョそしてゼ・カルロスらの上がりを呼び込んでいく。

 ややC大阪が押し気味の展開で迎えた19分、今季主将に再就任したベテランが、今季の初ゴールを決める。中央ファビーニョからのパスを受けたゼ・カルロスが前進、DFとからみボックス内にこぼれたボールに鋭く反応した森島が拾いGK川島を左にかわし、主(あるじ)不在の名古屋ゴールに左足で突き刺した。思い出すのは同じ長居、2002年のチュニジア戦で決めた先制ゴールだ。左右の足の差はあるものの、腰を鋭く回転させたシュートは今季の彼の充実ぶりを表している。

 ナビスコカップ同様に先制を許した名古屋は当然、攻勢に移る。しかし、本来右SBの角田、ボランチの安に古橋、森島をマンマークさせたため守備から攻撃へ、攻撃から守備への切り替えの両方でスムーズさを欠いてしまう。それでも中村がセットプレーでの正確なキックから豊田、角田らにチャンスを供給するが結実しない。43分のマルケスのシュートもGK吉田が好セーブ。C大阪も古橋、ファビーニョが好機をつかむがやはりモノにできず最小リードでの折り返しとなった。



 ネルシーニョ監督はハーフタイムに動き、左アウトサイドを渡邉から中谷へ、トップも豊田からスピードスター杉本に切り替え、まずは同点を狙う。
しかしマルケス、杉本の圧迫にもそれぞれ前田、山崎がなんとか振り切られずに粘り決定的な場面は作らせない。

 しかし58分のクライトンのクロスに合わせた山口のヘッドにピンクのサポーターは一瞬息を止め、目を閉じたはずだ。しかしこれもGK吉田が鋭い反応ではじき出し、大歓声が守護神を称える。さらなるピンチもDFが左ポスト前で止める。C大阪はふりかかる初勝利への試練に必死に抵抗を続けていく。圧倒的なスピードを見せる杉本だがC大阪の高いラインキープに連続してオフサイドにかかった。

 専守防衛に陥りそうなC大阪はカウンターから古橋、西澤がミドルを放ちなんとか息を吹きかえす。名古屋は本田を、C大阪は廣山を投入しリズム、スピードの変化を狙う。身体を張ったC大阪の守備に名古屋も肝心なシーンでミスが出る。

 名古屋には不運、C大阪には幸運な場面が85分に訪れる。またも杉本がドリブル突進、ボックス目前で倒される。しかしボールは流れシュートが飛び、ネットを揺らした。喜びに揺れる赤いサポーター。しかし判定はノーゴールで名古屋にFKだ。激しく抗議する名古屋の選手たち。主審が笛を鳴らさず、アドバンテージを取っていれば・・・・

 時間は過ぎる、早く前線への放り込みを蹴ろうという名古屋DFに全身全霊で向かっていく森島。4分という長いインジュリータイム。疲労困憊の西澤、森島から黒部、苔口へとスイッチし同時に時間も使う小林監督。チーム全員の気持ちが一つになり、最後まで名古屋に自由を与えないC大阪。その奮闘を響き渡ったタイムアップのホイッスルがねぎらった。



 唯一となった失点シーンは楢アがいればどうだっただろうか。川島も優秀なGKだが、まだ存在感ではかなわない。全く名古屋には不運な守護神の負傷だった。そして名古屋には監督の練った守備策がまさに裏目に出た試合となった。普段どおりの戦い方をなぜ選択しなかったのか、ネルシーニョ監督の選手への信頼の無さがそうさせたのだろうか。

 さてC大阪の無失点勝利はいつ以来だろうか。この勝利で固かった桜のつぼみがようやく開いたが、このまま咲き続けられるかどうかは「?」だ。しかし彼らの勝利への執念をほめていい試合だろう。勝因は守備で前田が曲者マルケスを封じたこと、前線ではもちろん西澤、森島の古顔が攻守に貢献したことだ。しかし様々な場面で味のあるプレーを見せた古橋を陰のMVPとしたい。C大阪の中でどの試合でも最も安定したパフォーマンス、クレバーかつ冷静なプレーは日本代表に推薦したいほどだ。C大阪にとって昨年途中入団した彼の存在はいかに大きいか。ここまでの選手に成長するとはC大阪のスカウト陣も考えていなかっただろうが、JFLにこのような素材が眠って(失礼!)いたのは本当に不思議なことではないだろうか。日本サッカーの底辺はわれわれの想像以上に広がっているのかもしれない。


(セレッソ大阪) (名古屋グランパスエイト)
GK: 吉田宗弘 GK: 川島永嗣
DF: 前田和哉、ブルーノ・クアドロス、山崎哲也 DF: 角田誠、古賀正紘、増川隆洋、渡邊圭二(45分/中谷勇介)
MF: ファビーニョ、布部陽功、久藤清一(73分/廣山望)、ゼ・カルロス、古橋達弥 MF: 安英学、クライトン、中村直志、山口慶(69分/本田圭佑)
FW: 西澤明訓(89分/黒部光昭)、森島寛晃(89分/苔口卓也) FW: マルケス、豊田陽平(45分/杉本恵太)
SUB: 多田大介、柳本啓成 SUB: 広野耕一 秋田豊
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