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 webnews 05/04/12 (火) <前へ次へindexへ>
今日こそ初勝利を願う浦和サポーター
「華やかさの陰の地道なプレー」がエッセンス。両者引き分けも心引き付けたゲーム
2005Jリーグ ディビジョン1 第4節 浦和レッズvs.ガンバ大阪

2005年4月9日(土) 16:03キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆:51.249人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ1−1ガンバ大阪(前1−0、後0−1)
試合経過/[浦和]堀之内(32分)[G大阪]アラウージョ(49分)


取材・文/砂畑 恵

 浦和が埼スタに初見参となるG大阪を迎えての一戦。開幕戦は共に黒星発進だったが、G大阪は2節を引き分け、前節の川崎戦では後半ロスタイムに追い付かれながらも終了間際に相手を突き放しての勝利と調子は上向き。ところが浦和は3節を終えて未勝利と今シーズンは波に乗れないまま。しかも、従来のDF3人が怪我と出場停止で全員不在となり、山田も怪我で休場と緊急事態の真っ只中。今日は坪井、堀之内、内舘で組む急造3バックに、サブメンバーにはルーキーの近藤、細貝らが名前を連ねる。

 試合は32分、浦和の先制点で動いた。ショートコーナーからアレックスのクロスがDFに当たってマイナスに飛ぶ。それを堀之内が戻りながら反転シュートでJ初ゴール。しかしG大阪も49分に追い付く。二川からパスを受けた遠藤のスルーパスに対し、マーカー・鈴木の目を欺いたアラウージョが反応。利き足の左で打つかに見せかけて坪井をかわすと右足を振り切りゴールをゲットした。エメルソン、アラウージョ、山口と双方のチームとも子供が誕生したばかりの選手がおり、お互いゴール後のパフォーマンスは揺りかごダンス。結局サッカーの神様は両チームへ平等に1ゴールずつ、ご加護を与えて終了した。



 ところで浦和の急造3バックの出来だが、1失点を喫したとはいえ、初めての実戦ということではまずまず。センターに坪井を据え、右は堀之内、左には内舘で臨んだ布陣は、高さと当たりの強さではレギュラー3人に引けを取るが、読みとスピードという点では上回るものがある。坪井のスプリントの高さは言わずもがなだが、内舘も8分、浦和のCKからG大阪に逆襲を浴びそうなった際、前線より素早く戻って大黒に対応している。また堀之内の高いカバー能力はまさにいぶし銀。69分、フェルナンジーニョと大黒のワンツーを阻止したのをはじめ、何度もチームのピンチを防いだ。その特徴を活かした3バックは、簡単に裏を取らせず、ライン上にいて瞬時の動きで得点を奪う大黒をシュート0に抑えた。

 但しラインの押し上げは不十分な側面もあった。それに併せてボランチとの連携も今1歩。後半の半ばから終盤に掛けて最終ラインが引き過ぎたあまり、DFのフォローをする鈴木と酒井が釣られて下がってしまう傾向が見え、G大阪にセカンドボールを拾われ続ける場面も多くなった。また中盤が間延びした為、攻撃陣とはかなり距離が空き、浦和が攻め切れない一因に。この辺は守備陣が意志疎通を図り、修正を施す必要はあるだろう。

 さて浦和の攻撃陣についてはややボールタッチが多く、シジクレイを中心としたG大阪の堅実なDFに守り切られてしまったように映る。エメルソン、田中、長谷部とドリブルでリズムを掴むタイプの選手だが、あと1テンポでも速くシュートを打っていればと、サポーターが臍を噛むシーンも。それは他の選手も同様だ。28分に鈴木が間髪入れず上げたクロスでエメルソンの惜しいダイビングヘッドを演出したように、ゴール前ではボールのタッチ数を減らせればチャンスも広がるのだが・・・。この辺の手直しが得点力復活の鍵となりそうだ。



スタジアムの一角に陣取るG大阪サポは完全アウェイ状態
 ところでG大阪は83分には山口が、ロスタイムにもフェルナンジーニョと、シュートがゴールに嫌われてしまい、こういう時は往々にして勝てないものだ。それでも後半、交代の度にフォーメーションが変わりながらも、選手達が高い順応性を見せつけたのは印象的だった。

 前半は、大黒のワントップ、アラウージョとフェルナンジーニョの2シャドーという構成で臨んだ。ゴール前ではタッチ数の少ないスピーディーなパス回しで浦和の切り崩しにチャレンジしたが、アラウージョとフェルナンジーニョは息が合っていたものの、前後左右に動きが大き過ぎ、フィニッシュの1つ前のパスに荒さがあって、大黒と合わない場面もしばしば見られた。それが前半、浦和を崩し切れなかったG大阪サイドの理由の1つだろう。

 ところが後半頭に吉原を入れ大黒とFWを2枚に、フェルナンジーニョとアラウージョが交互に前線に入る変則3トップに変更し、FWと緊密な距離感を保持させた。また3列目は遠藤が中央やや高めに入り、攻撃陣を補佐するような形のトリプルボランチ気味となる。つまり、その変化に浦和が慣れる前にG大阪はきっちり得点を挙げることに成功した。

 その布陣も74分に宮本と松下を投入し、2人にダブルボランチを任せると、遠藤を完全にトップ下へと上げた。トップはフェルナンジーニョと吉原で組ませ、アラウージョは右アウトサイドに移動。守備の地固めをしつつも攻め続けて、あとわずかで得点というチャンスを作った。

 そんなチームにあって、殊に二川と遠藤のプレーは素晴らしかった。2人ともオーソドックスなタイプで華麗さとは縁遠い。だが二川は、前半は本来とは違う右アウトサイド、後半には左エリアへ回り、いずれからも正確なクロスを配給。遠藤もボランチでは汗かき役、後半は中央に活躍の場を移すと攻撃のセンスを発揮した。そんな地道なプレーヤーが華やかなゴールもたらす。そこが今日のゲームをより魅力的にさせていた。


(浦和レッズ) (ガンバ大阪)
GK: 都築龍太 GK: 日野優
DF: 坪井慶介 堀之内聖 内舘秀樹 DF: 山口智 シジクレイ 實好礼忠
MF: 平川忠亮(81分/岡野雅行) 長谷部誠(73分/永井雄一郎) 酒井友之(81分/細貝萌)鈴木啓太 三都主アレサンドロ MF: 二川孝広 橋本英郎(74分/松下年宏) 遠藤保仁 家長昭博(45分/吉原宏太) アラウージョ
FW: 田中達也 エメルソン FW: 大黒将志(74分/宮本恒靖) フェルナンジーニョ
SUB: 徳重健太 近藤徹志 SUB: 松代直樹 青木良太
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