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 webnews 05/04/25 (月) <前へ次へindexへ>
全員守備のC大阪、自滅する浦和から勝利を収める
2005年Jリーグ ディビジョン1 第7節 浦和レッズvsセレッソ大阪

2005年4月23日(土) 15:05キックオフ さいたま市浦和駒場スタジアム 観衆:18.850人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ2−1セレッソ大阪(前0−2、後1−0)
試合経過/[C大阪]西澤(7分、20分)[浦和]横山(62分)


取材・文/砂畑 恵

 開始7分、布部が頭で送ったボールを古橋が2タッチでゴール前に入れる。DFの裏にスッと抜け出した西澤はGK都築の位置を冷静に判断して、ただ流し込むだけでよかった。このC大阪の先制点にスタジアムは唖然となる。なぜなら初めてFWにボールが収まったシーンでいとも簡単にゴールが産まれたのだから、観客のその反応も判らないではない。

 浦和にすれば前節の初勝利は先制点がものをいい、今日も先制点をとの「欲」は強かったのだろう。立ち上がりから攻勢に出たが、それが却って開始直後の守備を稀薄なものにしていたのは確かだ。これによりチームの歯車はあらぬ方向へきしみを立てて動いて行く。



 狙い通りと言うよりはむしろ上手い具合に得点を挙げたC大阪だったが、気を抜くことなく予めのプランに沿ってゲームを運ぶ。この日、C大阪は3−4−3で、攻撃陣は西澤を頂点に森島と古橋の3トップ。バックラインの前には4人のMFが並ぶといった布陣だ。但し、攻撃時に左に張るゼカルロスが割りに高い位置をキープするのに対し、逆サイドの久藤は上がりを我慢してDFラインに近いポジションを取るのが特徴。そして守備に回ると全員が一斉に自陣に引き、浦和の動き回るスペースを埋めた。

 布部が「相手の特徴であるスピードを出させないことを目標」だったと言うように、浦和がハーフウェイライン越えて自陣に入ってから守備を開始し、人垣で築く砦へと誘っては、浦和の選手を徹底的に追い込む。それについては前田も「今日は前からDFしてくれたので楽に出来た。1対1にはならなかったので、楽だった」と述壊する。更に最終ラインは場合によって久藤、ゼカルロスが降りて5バックになるなど、守備に関して念の入りようは半端ではなかった。

 そんなC大阪に浦和は力で対抗しようとする。狭い空間を無理にドリブルでこじ開けようと突き進み、相手が張り巡らす罠に陥る。長谷部に対してはC大阪の執拗なマークが食い下がった。また囲みをどうにか切り抜けても、あまりに時間が掛り過ぎて、パスを送り出しても味方へ届く前にC大阪によってインターセプトされた。成すことすべて上手く行かない悪循環。試合開始と打って変わってチームは集中力も闘う気持ちも削がれていく。

 そして20分、C大阪はまたもあっさりと追加点を挙げた。それまで攻撃では目立った動きのなかったC大阪だったが、右サイドを破った下村が長谷部を躱してセンタリング。「マークの受け渡しに失敗」(浦和・堀之内)した相手からフリーになった西澤は悠々とボールをヘッドで押し込む。C大阪は労せず2点を奪い前半を終えた。



 ハーフタイムを挟み、気持ちを新たにした浦和だったが、ペースは上がったものの今一つ反撃の手応えを掴めない。53分、フリーのエメルソンが放ったボレー、57分にもゴール前に上がった闘莉王の惜しいシュートと、こういった好機に点が入ればムードも変わっただろうが決め切れず、逆にフラストレーションを募らせた。ベンチも状況を好転させようと、59分には横山投入と早目に動く。その横山が62分、FKから闘莉王が折り返したところをゴールにねじ込み1点を返す。これで浦和に追い風が吹くかと思われたのだが…。

 浦和は交代の度に布陣が猫の目のように変わった。横山を投入した際は、横山がエメルソンのシャドーとしてプレーし、田中は左にエンドに回る。永井はやや引き気味に位置して変則4バックとなった。66分の交代では投入された岡野が右アウトサイドに入ると、永井はトップ下に移動。更に79分にネネが交代出場すると闘莉王はトップに上がり横山は右サイドへと回る。DFラインも本職の坪井とネネの2枚になり、それを岡野と鈴木がフォローする形となった。だがその次々と起こる変化に選手のプレーは追い付かない。各々、闇雲なドリブルへと走り、パスも足元に繋げるばかりで、どんどん選手達の視野は狭まった。お互いに声を掛け合うこともなく、味方のミスに不満の表情を浮かべる。

 それを横目にC大阪の守備は揺るがない。特定のマークを持たず、目の前の相手を捕まえるチームの約束があったからだ。そして時折、カウンターを炸裂させた。ただGK都築や岡野ら浦和の必死のプレーで追加点とはいかなかったが、C大阪は難なく逃げ切りに成功した。



 まさにしてやったりのC大阪・小林監督は、セットプレーからの失点に少し不満を漏らしたが、「守備の安定から自信をもって出来ている」とチームの成長を素直に喜んだ。次節の対戦は安定した守備で好調の広島。相手を上回る守備で4連勝と期待が掛かるところだ。

 今季最悪の試合となった浦和だが、ペナルティー付近で無駄にタッチが多いドリブルと、切り返し後の次のプレーへ移行する遅さが気になる。また自分のとってのいい形に固執しているようにも思う。34分、田中とエメルソンのワンツーでC大阪の守備を崩したように、相手の嫌がるタイミングでプレーするという発想の転換も大切ではないかと思う。


(浦和レッズ) (セレッソ大阪)
GK: 都築龍太 GK: 吉田宗弘
DF: 田中マルクス闘莉王 堀之内聖(79分/ネネ) 坪井慶介 DF: ブルーノクアドロス 前田和哉 柳本啓成
MF: 山田暢久(66分/岡野雅行) 長谷部誠 鈴木啓太 平川忠亮(59分/横山拓也) MF: 下村東美 布部陽功 久藤清一(89分/廣山望) ゼカルロス 古橋達弥
FW: 永井雄一郎 田中達也 エメルソン FW: 森島寛晃(86分/酒本憲幸) 西澤明訓
SUB: 山岸範宏 酒井友之 SUB: 伊藤友彦 (55分/黒部光昭)
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