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 webnews 05/09/01 (木) <前へ次へindexへ>
G大阪、前年王者倒し、首位・鹿島へ肉迫!
2005Jリーグ ディビジョン1 第21節 ガンバ大阪vs.横浜F・マリノス

2005年8月27日(土)19:04キックオフ 万博記念競技場 観衆:15,071人 天候:曇
試合結果/ガンバ大阪3−2横浜F・マリノス(前1−1、後2−1)
得点経過/[横浜FM]坂田大輔(26分)、[G大阪]渡辺光輝(38分)、大黒将志(72分)、[横浜FM]大島秀夫(84分)、[G大阪]渡辺光輝(89分)


取材・文/貞永晃二

 首位鹿島に勝ち点4差の2位につけるG大阪。ホーム万博に迎えたのは9位の横浜FM。横浜FMにとって、首位との勝ち点差15はもう限界といってもよい「大差」だ。再開後の成績でも新潟には敗れたものの、苦手磐田に勝利し自信を取り戻したG大阪に対して、磐田と川崎に連敗してしまった横浜FMはいまひとつ調子が上向かない。



 横浜FMは「5バック」でG大阪の「ファンタスティック3」の封じ込めを狙ってきた。4バックと2ボランチの間にスクリーン的に河合を置くシステムだ。そしてファウルも辞さない激しい当たりを交えた守備が奏功し、G大阪にいつもの攻撃のリズムを出させない。

 新戦力の巨漢ボランチ・マグロンが他の選手とは違うリズムのキープでタメを作り、プレーメーカー山瀬が広汎な動きで攻めをリードする。両アウトサイドのドゥトラ、田中隼がタテを切り裂いていく。そして26分のFK。G大阪DFの一瞬のスキを突いて坂田が動き出し、マグロンが素早くリスタートして合わせる。気づいたシジクレイが追うが、坂田は素早いコントロールからシュート、横浜FMが先制した。

 その後も5バック中心のDF陣に攻撃を分断され、リズムを取り戻せず苦しんだG大阪だったが、左サイドで得たFKから同点にする。ゴールに飛んだFKは久々登場のGK榎本達がなんとかはじき一旦はクリアされる。それを拾った大黒から右に流れたアラウージョへ。左足から放たれたクロスにG大阪選手がなだれ込み、ファーに走った渡辺がヘッドで合わせ同点とした。渡辺の移籍後初ゴールだ。このまま前半は1−1で終わる。



 後半もやはり横浜FMのペースで進んでいく。57分、クリアを拾った田中隼が思い切りよく放った強烈ミドルはGK藤ヶ谷にファインセーブで防がれるが、横浜FMの左右サイドを使う大きな展開からの攻めはG大阪をさらに脅かす。

 G大阪は何度かあったセットプレーも活かせなかったが、徐々に横浜FMの疲れも出だし、いい形でボールを奪いはじめ、鋭いカウンターを仕掛けていく。そして72分、遠藤のパスを受けたアラウージョがゴールへ向かってドリブルで突っかけ、シュートと思わせるタイミングで右を並走した大黒にパス。大黒は美しいプルアウェイと完璧なボディシェイプでスペースとシュートコースを作り、懸命に戻ってきた河合をかわし左スミに豪快な逆転ゴールを決めた。

 リードされた岡田監督は76分に動く。清水、熊林を引っ込め大島、大橋を同時投入し、G大阪ゴール前の弱みである「高さ」を活かす攻撃を狙う。G大阪はこれに対応するため、エース大黒を退けケガ上がりの實好を入れ、大島封じを命じる。西野監督には珍しい逃げ切り狙いの交代策だったが、慣れない事をしてもうまくはいかないもの。交代のわずか2分後の84分、横浜FMはペナルティエリアの左角からのFKを大橋がシュート性のボールを蹴り長身選手が飛び込み、その中の大島が鋭くヘッドで合わせ再度同点とした。

 しかし、終盤の残り6分で追いつかれながら、今季のG大阪は「肝心なところで負ける」「観衆が多いと負ける」かつての弱虫チームではない。そんな勝利に貪欲な、粘り強い今季のG大阪を示したのがアディショナルタイムに決まったミラクルな決勝点だ。勝ちにこだわりペンチ前に仁王立ちしている西野監督の目の前のタッチライン際からフェルナンジーニョが蹴ったFKはやや短かったが、ボールに執念で競り合うように食らいついたのが渡辺と宮本だ。そしての渡辺のバックヘッドがなんとGK榎本達の頭上をゆっくりと越え吸い込まれるようにネットを揺らした。大歓声に包まれた万博にタイムアップの笛がなったのはそれからすぐのことだった。



 ヒーロー渡辺はG大阪在籍2年目で無得点。守備的選手と思われがちだが、実はこの日の2ゴールでJ通算19得点。攻撃陣を押さえ込まれた苦しい試合を救った男は、柏在籍当時から万博では点を取っていたという隠れた「G大阪キラー」だった。優勝するときや好成績をあげるときとは、彼のような殊勲者が試合ごとに日替わりで現れるものだ。

 G大阪に大きな勢いをつけた好ゲームは、最後までG大阪を追い込んだ横浜FMのハイパフォーマンスのおかげでドラマテッィクなものとなった。そして首位鹿島がバドン率いる新生・東京Vに敗れたことで、G大阪は勝ち点1差と急接近することになった。しかしそんあことよりも苦手としていた磐田、横浜FMとの連戦を乗り越えたことで勝ち得た自信の方が今後のG大阪には大きな財産になるはずだ。


(ガンバ大阪) (横浜F・マリノス)
GK: 藤ヶ谷陽介 GK: 榎本達也
DF: シジクレイ、宮本恒靖、山口智 DF: 田中隼磨、中澤佑二、松田直樹、ドゥトラ
MF: 渡辺光輝、橋本英郎、遠藤保仁、家長昭博(89分/入江徹)、フェルナンジーニョ MF: 河合竜二、清水範久(76分/大島秀夫)、熊林親吾(76分/大橋正博)、マグロン、山瀬功治
FW: 大黒将志(82分/實好礼忠)、アラウージョ FW: 坂田大輔
SUB: 日野優、児玉新、吉原宏太 SUB: 榎本哲也、栗原勇蔵、上野良治
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