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 webnews 05/09/06 (火) <前へ次へindexへ>
勝利を手にしかけた東京ヴェルディ1969だったが・・・。
決定機をモノにしたG大阪、東京Vを破り、とうとう奪首!
2005Jリーグ ディビジョン1 第22節 東京ヴェルディ1969vs.ガンバ大阪

2005年9月3日(土)19:00キックオフ 味の素スタジアム 観衆:14,177人 天候:曇
試合結果/東京ヴェルディ19690−1ガンバ大阪(前0−0、後0−1)
得点経過/[G大阪]アラウージョ(77分)


取材・文/西森彰

 いったんは10以上も開いた勝ち点差を追いかけてきたガンバ大阪。前年度王者の横浜F・マリノスを1週間で2度破り、その勢いは留まるところをしらない。今節は鹿島アントラーズが浦和レッズとの潰しあい。カシマスタジアムの状況次第ではテッペンに行く可能性も残されているが、ミッドウィークのナビスコカップなど15日間で5試合の強行日程に一抹の不安が残る。

 一方、東京Vも中断期間に行なったレアル・マドリード戦で何か自信を取り戻したのか、フィオレンティーナも破ると、大宮アルディージャとの引き分けを挟んで、清水エスパルス、鹿島アントラーズを連破。降格圏をとりあえず脱している。それでも、まだまだ寒いシチュエーション。こちらはローテーションの利にモノを言わせて、ここでもサプライズを起こしたい。



 G大阪は開始直後、そして6分と大黒将志が2度得たシュートチャンスをいずれも逸するなど、やや動きの重さが目に付く。東京Vが中盤を放棄して7人で守る形をとったこともあって、ハーフウェーラインを越えるところまでは難なく持ち込めるのだが、そこから先のアイデア、ボールの精度に乏しい。決定機は21分、フェルナンジーニョのスルーパスで抜け出したアラウージョのシュートぐらい。それも高木義成のセーブに遭う。「ファンタスティック3」は、完全に緑の樹海に迷い込んでいた。

 一方、相手にボールを持たせて機を窺う東京Vは、ウイングバックまでが極端に低い位置をとる。ダブルボランチが最終ラインの前でワイパー役になり、フェルナンジーニョから大黒、アラウージョへのパスコースを消す。そしてボールを奪うと、前線の3人に預けて、攻撃に人数をかけるG大阪にカウンターを見舞った。

 28分、一瞬のスピードでDFを交わして独走になった平本一樹が、藤ヶ谷陽介に止められた場面、そして39分、平野孝のピンポイントパスをワシントンがボレーでサイドネットに引っ掛けた場面。どちらかをモノにしていれば東京Vのゲームになっていただろう。ボールポゼッションはともかく、ゲーム展開は完全に東京Vのものだった。

 しかし、これが首位を奪うチームの勢いというものなのだろうか。78分、アラウージョが左サイドでボールを持ったものの、東京VのDFはきっちりと対応していた。苦し紛れの突破が東京VのDFに当たる。しかし、このこぼれたボールがDFラインの後ろに走ろうとしていたアラウージョの足元にもう一度戻ってきた。G大阪の9番は、首位への道を切り開く、ファインシュートを放った。

 決して東京Vの守備網を崩しきれていたわけではなかった。それでも、このゴールが生まれた時間が深かったこと。そして守る側としては気持ちの整理ができない、不運な失点。東京Vの戦意は殺がれた。1点をリードしたG大阪はそれまでのやんちゃな試合回しが嘘のように、きちんとボールを動かしながらゲームをコントロールする。集中の糸を切らしてしまった東京Vの選手たちに、もう、ボールの行方を追うだけの力はなくなっていた。



ガンバ大阪のファンは、苦しいゲームをモノにした選手を讃える。
 東京Vは本当に惜しいゲームを落とした。相手の悪コンディションもあったとはいえ、前がかりにしておいてカウンターを見舞うゲームプランは、九分九厘まで当たっていた。逆に自分たちのゲームにしていながら、掴みかけていた勝ち点3(勝ち点1では満足できないゲームだった)を失ったのは、今後のJ1残留争いを戦う上で非常に痛い。

 守備からチームを立て直すバドン監督のやり方は、スタンドから第3者的に俯瞰する限りは理に適っている。ただし、実際にピッチの中でプレーする選手、そしてそれを見守るファンにとっては、フラストレーションの溜まる戦い方でもある。だからこそ、内容が良い試合ができているうちに、きっちりと結果を残しておきたかった。幸い、この節に自分より下位で勝ったのは清水エスパルスだけ。まだまだ俵までは距離がある。

 試合終了後、ゴール裏まで挨拶に向かった指揮官に、G大阪のファンから「西野コール」が送られた。そして、その後で誰かがカシマスタジアムの試合結果を告げたのだろう。一際大きな歓声があがった。10人の浦和が鹿島に追いついたため、勝ち点差1でG大阪が首位に立ったのだ。厳しいゲームで勝ち点3を積んだ今のG大阪は本当に強い。

 これまでにも「先頭走者」は経験している。だが、レースの最後に先頭でテープを切った経験はない。今後は優勝経験豊富なクラブとのメンタル面まで含めた戦いが始まる。差し返しを虎視眈々と狙う鹿島、そして大外からいつの間にかスルスルとあがってきたジュビロ磐田。浦和、そしてサンフレッチェ広島もステージ優勝の経験は持っている。このプレッシャーにチームが耐えられるのか。

 サッカーの内容だけで言えば、ライバルたちにもヒケはとらないし、むしろ優位に立っている。しかし「最も良いチーム」がすんなりと「最も強いチーム」になるわけではない。この日の最後に見せたような強者らしいゲームコントロールも交えながら、最後まで結果に拘ってほしい。


(東京ヴェルディ1969) (ガンバ大阪)
GK: 高木義成 GK: 藤ヶ谷陽介
DF: 米山篤志、林健太郎、戸川健太 DF: シジクレイ、宮本恒靖、山口智
MF: 山田卓也、小林大悟(74分/上村健一)、平野孝、相馬崇人 MF: 渡辺光輝、遠藤保仁、橋本英郎、家長昭博(63分/児玉新)、フェルナンジーニョ
FW: 平本一樹(74分/久場政朋)、ワシントン、ジウ(74分/町田忠道) FW: アラウージョ、大黒将志
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