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 webnews 05/09/14 (水) <前へ次へindexへ>
「自分を信じる」大分、「眠った」浦和を叩き12試合振りの白星!
2005Jリーグ ディビジョン1 第23節 浦和レッズvs大分トリニータ

2005年9月10日(土) 16:03キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆:35.198人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ1−2大分トリニータ(前1ー1、後0ー1)
試合経過/[大分]梅田(18分)、[浦和]田中(28分)、[大分]マグノ アウベス(71分)


取材・文/砂畑 恵

 大半を占める赤い人垣が落胆の表情を浮かべる中、青と黄色の一角が小躍りして歓喜に沸く。11連戦勝ち星のなかった大分がようやく長いトンネルを抜けた。

 辞任した皇甫官監督からバトンを受けたシャムスカ監督がチームを指揮したのは3日前。名将と言えども、いくらなんでもそんな短時間で技術や戦術そのものを、いきなりに向上させ得るものではない。実際、大分の攻撃は前線にいる高松にロングボールを当て、マグノ アウベスにボール集めてフィニッシュに至る、今までやってきたごくごくシンプルで基本的な攻撃パターンがベースになっていたに過ぎない。シャムスカ監督も「戦術的なことを伝えるよりメンタル面を重視」し、「自信をもって自分を信じて最後まで戦え」と選手を送り出したと話す。だが訴えかける監督の言葉が迷いの中にいた選手達には染みた。



 それはゲーム開始直後から如実に現れていた。それまでと一貫して変わりない攻撃にしても、自陣に引いた状態からではなく、今日の大分のように浦和陣内からハイプレスでボールを奪い返すのとでは、相手が受ける圧迫感はずいぶん違ったものになるはずだ。

 その結果、浦和はDFが後退させられ、にじり寄る相手にボランチでのボールの収まりも覚束なくなる。ボールを奪って前に繋げようにも、攻撃陣との間がとても間延びさせられて、たじたじとなりながら、ぎこちないリズムで攻撃する浦和に対し、大分はチーム全体がコンパクトに纏まり、きびきびとプレー。主導権を奪ったのは当然の成り行きである。

 そんな大分が先制点を奪ったのは18分のこと。スローインから左サイドに開いていたマグノ アウベスに足の長い縦パスが通り、吉田とパス交換の後、中央に上がっていたトゥーリオにボールが渡る。そのトゥーリオのスルーパスに三都主の背後を取った梅田が反応。そのままペナルティーエリアに侵入し、内館のタックルの前にゴール右隅に流し込んだ。



 しかしその10分後、浦和はCKからネネがニアに走って作ったスペースに、マークを上手く解いた永井が飛び込んでヘディングし、更にゴール前にいた田中が頭でGK西川とポストを透かすゴールを決めて同点にする。

 こうなると浦和の攻撃は勢いを増し、どうしても大分は引かざるを得ない状況に晒された。しかしこの耐え忍ぶ展開の中でも、大分は弱気にはならず、必死にボールに喰らいついた。例えば42分、ポンテのロングパスを深谷が処理し切れず、零れ球を田中に奪われ、対応に出た二木もかわされてしまい、GK西川と田中が1対1となる危機的な場面となる。だが田中が切り返しを入れてシュート体勢に入ろうとした瞬間、再び二木が前に割って入り、シュートをブロックした。47分の永井の突破に対する場面でも、福元が抜かれればエジミウソンが駆けつけ、そこも躱されればまたも福元が前を阻むといった具合に、苦しみながらも、お互いをカバーし合いながら最後まで諦めない。その姿勢に結果が付いてきた。

 浦和が攻めに出ていることもあって、60分過ぎ辺りからポツポツと逆襲の機会が産まれていた。そして71分、大分にとってまたとないチャンスが訪れる。ゴール前で浦和の攻撃を防ぐと、左サイドで根本、吉田とボールを繋いで前線へ長いパスを送る。浦和のDFラインを破ったマグノ アウベスが冷静にゴールを仕留め、決勝点をゲットした。



 浦和とすれば今更ながら悔やみ切れない失点である。ゴールシーンの少し前に、坪井が足に怪我を負って、マグノ アウベスと対峙出来る状態になかったのである。そこを目敏く、大分は突き崩した。だがそうなる前に浦和は何らかの手立ては打てた。坪井が怪我をした時点では浦和ボール。内館も即座にバツ印をベンチに送っている。ここでのベンチと選手、また選手同士が瞬時にコミーニューケーションを取り、ゲームを切っていたなら…。

 けれどそれはチームの抱える問題に比べれば些細なこと。最も悪しきことはブッフバルト監督が言う「最初の30分、全く試合になっていなかった。寝ていたような状態」である。これは今日に限らない。シーズン序盤に出遅れた浦和が苦手なアウェイ東京戦に勝って、ようやく波に乗るかと思えた矢先のC大阪戦、そして3位に浮上し首位・鹿島に肉薄したホット6中の大宮と柏の2連戦と3度目で、「さあ、ここから!」という肝心な場面で、いずれも前半から意欲的に攻めてくる相手を前に、眠りこけたような不甲斐ない立ち上がりをしてゲームを落とした。言うなれば浦和の悪癖である。

 ここにきて首位・G大阪とは勝ち点10と更に開いた。G大阪を捉える好機が訪れるかは微妙だ。それでも全力を振り絞って、こつこつと勝ち点を積み、その日を迎える努力を続けねばならない。もしその日が巡ってきたなら、プレーからその答えを聞きたいものだ。


(浦和レッズ) (大分トリニータ)
GK: 都築龍太 GK: 西川周作
DF: 坪井慶介(72分/平川忠亮) 内舘秀樹 ネネ DF: 三木隆司 深谷友基 福元洋平
MF: 山田暢久 長谷部誠 鈴木啓太 三都主アレサンドロ(78分/岡野雅行) ポンテ MF: 梅田高志 トゥーリオ エジミウソン 根本裕一 吉田孝行(78分/内村圭宏)
FW: 田中達也(64分/エスクデロ)永井雄一郎 FW: マグノ アウベス(82分/木島良輔) 高松大樹
SUB: 山岸範宏 酒井友之 SUB: 高嵜理貴 吉村光示 梅崎司
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