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 webnews 05/09/22 (木) <前へ次へindexへ>
直接対決を制した福岡。札幌は苦しい3連敗
2005Jリーグ ディビジョン2 第32節 コンサドーレ札幌vs.アビスパ福岡

2005年9月18日(日)14:03キックオフ 札幌厚別公園競技場 観衆:7,314人 天候:曇
試合結果/コンサドーレ札幌1−3アビスパ福岡(前0−2、後1−1)
得点経過/[福岡]グラウシオ(44分)、千代反田(44分)、グラウシオ(57分)、[札幌]清野(71分)


取材・文/中倉一志

 少しずつ、少しずつ、順位争いがばらけてきた。第3クールに入って5勝3分1敗の福岡の勝ち点は54。第2クール終了時点で3だった2位との勝ち点差を7に広げ、首位・京都との勝ち点差を18から14に縮めた。決して磐石の戦いをしているわけではないが、過去に積み重ねてきたベースが、ここへきて勝ち点を伸ばすことにつながっている。しかし、山場は、この日から始まる札幌、甲府の2連戦。昇格争いのライバルチームとの直接対決の結果次第で状況は大きく変わる。福岡は結果にこだわって勝ち点3を目指す。

 一方、札幌の第3クールの成績は4勝1分4敗。第2クールでは勝ち点22を稼いでJ1昇格争いの中心に加わったが、思うように勝ち点を伸ばせない状況が続いている。福岡同様、第3クール最大の山場は福岡、京都と対戦する上がりの2試合。これ以上離されてはJ1昇格争いが厳しくなる。水曜日には台風のために順延されていた山形との試合をこなしており、中3日での試合というハンデを背負うが、ホームのサポーターと力を合わせて福岡を迎え撃つ。



 立ち上がりからボールキープ率で上回るのは福岡。少ないタッチでパスを回し、ホベルト、アレックス、グラウシオのブラジル人トリオに古賀が加わって左サイドから積極的に攻めあがる。守っては、高さに強い長野がゴール前の制空権を渡さない。対する札幌は、ターゲットマンを務める中山へのロングボールと、攻め上がってくる福岡の左サイドの後ろのスペースに砂川が入り込むことでチャンスを狙う。守勢で進む試合も、この2人にボールが入るとリズムが変わる。

 しかし、札幌には中3日での戦いの影響が如実に現れていた。とにかく身体が動かない。走り合いでは福岡に負け、1対1の局面では足元がおぼつかずに簡単にボールを奪われる。7分にはCKから池内が決定的なヘディングシュートを放ったが、それ以外ではチャンスが作れない。だが、福岡もボールをキープするもののチャンスがない。左サイドに偏る攻撃は展開を小さくさせ、雨の影響からかミスも多く、ボールを前持ち出すもののシュートが打てない。互いにゴールの匂いが感じられないままに試合は進んでいた。

 このまま試合が終わると思われた44分、いきなり試合が動く。宮本から宮崎を経由したボールにグラウシオが右足を振り抜く。大きなチャンスには見えなかったが、相手DFに当たったボールがGKの逆を突いてゴールネットを揺らす。そして、その2分後、集中力を欠いたままCKの守備についた札幌は、ファーサイドに走りこんできた千代反田を誰もマークせず。千代反田がこれを難なく決めて、福岡は前半を2−0で折り返した。



「3点取らなければ勝てない。積極的にゴールに向かって行こう」。檄を飛ばす柳下監督の指示を受けて、札幌は後半開始から高い位置からボールを追いかける。53分に田畑に代えて石井を投入してトップ下を2枚に増やし、続く56分には中山の代わりに清野をピッチに送り出す。しかし、やはり動かない身体は攻撃を活性化できず。ここぞというところでは福岡にボールを奪われてチャンスが作れない展開が続く。

 そして57分、福岡は前に出る札幌の裏を取ってカウンターから攻めあがると、最後は古賀のピンポイントのクロスをグラウシオが頭で合わせて札幌を突き放した。福岡にとっては試合を決める3点目。63分に古賀に代えて喜名を投入。山形を左サイドへシフトし、中盤の底にホベルトと喜名を並べる。後はゲームをコントロールして時間を費やすだけ。札幌の運動量からすれば、それは、それほど難しくないことのようにも思えた。

 ところが、ホームでの惨敗は許されない札幌は必死に前に出る。66分には運動量の少ない砂川を下げて金子をボランチに投入。鈴木のポジションをひとつ上げて攻撃を繰り返す。そして71分に清野が1点を返すと流れは一気に札幌に。ただ後ろに下がって守るだけの福岡を激しく攻め立てた。どちらがリードしているのか分からない展開に、厚別運動公園競技場の観客が沸く。しかし、一方的に押し込む展開にも札幌は肝心のシュートが打てず。結局、攻めきれない札幌の攻撃を防ぎきった福岡が勝ち点3を獲得した。



 試合全体を通して感じたことは、札幌の運動量が足りなかったこと。移動を伴っての中3日での試合は、やはりフィジカルコンディションに大きな影響を与えていたようだ。ただ後半に仕掛けた猛攻を見ると、前半から戦えなかったのかと悔いが残る。これで3連敗となった札幌だが、どのチームも安定感を欠くJ2の戦いはまだまだ分からない。次節に対戦する京都も、前半戦に見せた勢いを完全に失っている。まずは勝ち点3を積み上げて京都から帰ってくること。それがJ1昇格への望みをつなぐことになる。

 さて、攻めあぐねた前半、試合を落ち着かせることが出来なかった後半と、福岡にとっては課題も残る試合だったが、勝ち点3という結果を手に入れたことがなによりも大きかった。しかし、この時点での2位との間の勝ち点7差は決して安心できる数字ではない。「勝点差7は一見大きい状況に見られるが、勝点を意識せず、1戦1戦、次の試合に集中していくだけ」とグラウシオも気を引き締める。J1昇格への戦いは、これからが本当の勝負。いつもと変わらぬ姿勢で次節の甲府戦に臨む。


松田監督(アビスパ福岡)記者会見
柳下正明(コンサドーレ札幌)記者会見


(コンサドーレ札幌) (アビスパ福岡)
GK: 林卓人 GK: 水谷雄一
DF: 加賀健一 曽田雄志 池内友彦 DF: 宮本亨 長野聡 千代反田充 アレックス
MF: 田畑昭宏(53分/石井謙伍) 鈴木智樹 岡田佑樹 砂川誠(66分/金子勇樹) 和波智広 MF: 宮崎光平 ホベルト 山形恭平 古賀誠史(63分/喜名哲裕)
FW: デルリス 中山元気(56分/清野智秋) FW: 田中佑昌(68分/岡山一成) グラウシオ(84分/山形辰徳)
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