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 webnews 05/09/28 (水) <前へ次へindexへ>
首位攻防戦、G大阪の勝利は紙吹雪とともに散った!
2005Jリーグ ディビジョン1 第25節 ガンバ大阪vs.鹿島アントラーズ

2005年9月24日(土)19:04キックオフ 万博記念競技場 観衆:22,884人 天候:晴
試合結果/ガンバ大阪3−3鹿島アントラーズ(前1−2、後2−1)
得点経過/[鹿島]小笠原満男(9分)、[G大阪]アラウージョ(23分)、
[鹿島]小笠原満男(40分)、[G大阪]大黒将志(51分)、アラウージョ
(89分)、[鹿島]アレックス・ミネイロ(89分)


取材・文/貞永晃二

 強烈な攻撃力を擁して首位に立ったG大阪。それを勝ち点1差で追う鹿島。この直接対決の舞台G大阪のホーム万博記念競技場には、02年10月の磐田戦(22,809人)を上回るスタジアム・レコードの22,884人の観衆が詰めかけた。

 普段の試合ならまだスタンドはガラガラ状態で始まる小学生の前座試合もこの日は一つ一つのプレーに大きな歓声が起こるほど多くの観客がスタンドを埋めていた。この日の試合の重要性、ハイレベルなプレーへの期待が観客の来場を早めさせていた。

 G大阪が勝てば勝ち点差は4に広がり、鹿島が勝てば首位は入れ替わり勝ち点差は2となる。しかし残り試合数は9試合とまだ多く、決して優勝が決まるような試合ではない。長いシーズンを俯瞰すれば、単なる首位攻防戦。ただ勝利がもたらす自信はヴィクトリーロードを進む大きな推進力になるはずだ。



 G大阪サポーターが降らした美しい紙吹雪の中、ピッチに現れた両チーム。戦場の雰囲気は最高のものとなった。

 試合は古巣との対決に燃える鹿島・新井場がいきなり左サイドを強引に駆け上がる。さらにアレックス・ミネイロのシュートがサイドネットへ。G大阪の遠藤、鹿島の小笠原のそれぞれ定評あるキッカーのFKは実らない。

 先制したのは鹿島。9分、左サイド本山からのパスを中央で受けたアレックス・ミネイロが巧みなキープから飛び出してきた「ボランチ」小笠原に渡す。ボックス内で左足を豪快に振り抜いた小笠原のシュートはGK藤ケ谷の左を破った。

 反攻に出るG大阪。右サイド深く切り込んだ松下のクロスを戻ってカットしたのは小笠原だ。メンタル面での充実ぶりが守備面にも表れている。鹿島がやや優勢ながらも、G大阪は大黒のシュート、フェルナンジーニョのドリブルで鹿島DFを脅かし始める。

 そして23分、美しい展開からG大阪が追いつく。右の遠藤から受けたフェルナンジーニョがドリブルで仕掛け、左から追い越した二川へ流す。二川はダイレクトで左足クロス。大黒が飛び込むが合わせられない。しかしファーでアラウージョがきっちりと詰めていた。今季26点目のボレーにGK曽ヶ端はノーチャンス。1−1、スタジアムに期待通り「殴り合い」の始まりが告げられる。
 
 追いついた勢いで攻め込むG大阪。カウンターは右サイド寄りからアラウージョが突進、GKをかわし打ったシュートは必死に戻った岩政が体で止め、大岩がかき出した。西野監督が頭を抱え込み地団太。反対サイドにフリーの大黒がいたのだが・・・

 ピンチをしのいだ鹿島に幸運な追加点が入る。40分、左サイドのFKを小笠原がGKに向かうカーブボールを入れる。飛び込む鹿島、はねかえそうとするG大阪。藤ケ谷には全くボールが見えなかったのではないか。誰も触れなかったボールはネットに吸い込まれていった。再度鹿島が突き放し、勝負は後半に移る。



 G大阪は左右からのセットプレーのチャンスをつぶし、鹿島は深井の鋭いクロスを決められず迎えた51分、考えられないミスが生まれる。DFのバックパスをダイレクトで蹴った曽ヶ端のキックは忠実にプレッシャーをかけた大黒に引っかかってしまう。ピタリと止めた大黒はゴールに迫り、曽ヶ端をワンフェイントで交わしゴールへ流し込んだ。2−2、再度同点となった。

 次の一点をめぐり繰り広げられた激戦は見ごたえ十分。リカルジーニョ、野沢、鈴木、家長、そして吉原。交代で登場した選手も懸命に戦う姿勢を見せる。しかしフィニッシュがどうしても決まらない。

 そして90分を経過し第4審判が追加時間を高々と掲げるとG大阪アタッキングマシーンにスイッチが入った。二川からのフィードで抜け出た大黒が左サイドで受ける。青木をシザースで軽々とかわし、ゴール前の吉原へプルバックを入れる。わずかにDFに当たりコースが変わる。鹿島に不運だったのは27点目を狙う男の前にこぼれてしまったことだった。アラウージョは軽くプッシュしG大阪は土壇場で逆転、ゴール裏からは残っているありったけの紙吹雪が撒き散らされ、勝利を手中に入れたかに思えた。

 しかし絶望的な場面にも決してあきらめないのが鹿島の鹿島たる由縁か。アントラーズコールも鳴り止まない。ためらうことなく岩政をトップに送り込み、そこへロングボールを放り込む。バックしながらヘッドクリアした宮本は頭に当てるのがやっと。GK藤ケ谷が飛び出しを躊躇し、鈴木に拾われたボールはアレックス・ミネイロに渡り、クールな9番はワントラップでシュートを押し込んだ。

 ドラマテッィクなそして選手、監督、サポーターが一体となって攻めて守った90分。アディショナルタイムでの点の取り合いはその凝縮されたシーンとなった。



 3−3で直接対決は幕を閉じた。出されたイエローカードは8枚。次節出場できない選手もいる。ここからは見えない敵を気にかけながらの難しい戦いが始まる。この日笑ったのは、上位をうかがう3位以下に位置するチームだ。果たして最後に笑うのはG大阪か、鹿島か、いや全く違うチームか。結末は神のみぞ知る。


(ガンバ大阪) (鹿島アントラーズ)
GK: 藤ヶ谷陽介 GK: 曽ヶ端準
DF: シジクレイ、宮本恒靖、山口智 DF: 青木剛、岩政大樹、大岩剛、新井場徹
MF: 松下年宏(80分/家長昭博)、橋本英郎、遠藤保仁、二川孝広、アラウージョ MF: 小笠原満男、フェルナンド、増田誓志(66分/リカルジーニョ)、深井正樹(76分/鈴木隆行)
FW: 大黒将志、フェルナンジーニョ(80分/吉原宏太) FW: アレックス・ミネイロ、本山雅志(73分/野沢拓也)
SUB: 松代直樹、入江徹、松波正信 SUB: 小澤英明、内田潤
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