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 webnews 05/10/19 (水) <前へ次へindexへ>
浦和が柏に大勝も、試合後に深く考えさせられたゲーム
2005Jリーグ ディビジョン1 第27節 浦和レッズvs柏レイソル

2005年10月15日(土) 15:35キックオフ さいたま市浦和駒場スタジアム 観衆:16.865人 天候:曇
試合結果/浦和レッズ7−0柏レイソル(前1−0、後6−0)
試合経過/[浦和]ポンテ(23分)、田中(49分)、マリッチ(54分、57分、63分)、酒井(67分)横山(89分)


取材・文/砂畑 恵

 第16節に国立で行われた前回の対戦は両チームとって節目となる試合だった。丁度その頃、柏は勝利から遠のいて苦闘の時期にあった。だがこの試合、3ー0と約1年振りにホームゲームで勝利したのが切っ掛けとなって、その後は順位を上げて降格圏から脱出した。反対に浦和はエメルソンの退団騒ぎの余震と、先の大宮戦との連敗で3位まで付けた順序を下げ、首位取りを伺う最初のビックウェーブに乗り損ねてしまった。

 現在の互いのポジションは浦和が6位で柏は12位。残り試合を考えると、今日のゲームの勝利は浦和にすれば微かに残る優勝に望みを繋ぐ架け橋であり、柏とすれば降格争いにまだまだ予断を許さない状況から1歩でも離れる逃走の機会となる。そんな双方が開始15分にも満たない時間でターニングポイントを迎えるとは思いも寄らなかった。



 まず浦和にとっての分岐点は9分に訪れる。それまでは長谷部のミドルシュートが2本ほどあったとはいえ、どちらつかずの流れ。そんな中、ハイボールにジャンプしたクレーベルが鈴木に競り勝ち、それを受けたレイナウドが反転し、寄せる坪井の横を抜ける縦パスを送る。坪井が動いたことで出来たスペースに進むボールに玉田が反応。マークに来た内館を引き摺り倒すような走りでゴール前に入り込む。玉田の前にはGK都築がいるのみ。そのピンチをCKと凌いだのは、右アウトサイドに起用された永井が懸命に戻ってシュートをブロックしたからだ。「これがまず大きなポイントだった。チームの一体感がものすごく表われていたと思う」と、ブッフバルト監督も会見でそのシーンを振り返ったほどである。

 そしてその4分後、今度は柏に試合を左右する大事な局面が起こる。鈴木の長いグラウンダーのパスに明神がスライディングに行き、ポンテを足払いにする格好になって倒してしまったのだ。明神の距離感を誤ったような滑り方により起こったアクシデントに近いものだったが、結果的に見ればイエローカードは止む無し。3分に酒井を止めにいってイエローカードを受けていたことで、明神にはアンラッキーだったが退場の場面になった。

 ところがこの判定で柏の選手は冷静さを失ってしまった。柏側に笛が吹かれる度に選手は納得がいかない素振りをし、プレー自体も手荒くなっていく。柏ベンチは41分に小林祐を投入し、右アウトサイドの増田をディフェンスラインに下げて4バックとし、立て直しを図るが、いきり立って集中が削がれていく選手の心持ちまでは、どうにも収められなかった。それが56分の波戸の退場にも繋がっていくのだから、自滅したも同然だった。



 ところで優位な状況となった浦和は23分、圧巻なゴールを射止める。タッチライン際の長谷部から繰り出された足の長く速い縦パスに対し、スピードに乗った永井が追い付き、引き出した波戸の裏に出来たスペースへマイナスのパス。それを受けた田中は更にディフェンスに戻った薩川とカバーに来た土屋、そしてGK南をも自分に引き付け、後方にいたポンテへボールを託す。ポンテは薩川とGK南がケアしようとする広く開いたサイドではなく、狭い右ポスト脇のゴールにシュートを流しこんだ。

 そして追加点は後半が始まって4分、鈴木が前に送った強めのパスに田中が身体を反転させながらダイレクトで合わせてのゴール。アシストした鈴木も「常に練習でしていたので、とても嬉しかった」と話す狙い通りの得点だった。

 それ以降は浦和怒濤のゴールラッシュとなっていった。54分、マリッチの楔のプレーから、永井がお手本のようなパス&ゴーで田中からリターンを受け、ゴールラインギリギリから上げられたクロスにゴール前のマリッチがヘッドで押し込む3点目を奪う。マリッチは57分には永井のFKを頭で、63分にはエスクデロのシュートから始まる波状攻撃で混乱する柏DFを尻目に、左足の一撃でハットトリック達成。更には67分に酒井がペナルティーエリア内で柏DFを縫うようなドリブルからのシュートで加点し、そしてロスタイムには途中出場の横山がゴール前の混戦の中でボールを拾い、GK南を躱して7点目を押し込んだ。



 試合後は両チームとも重苦しかった。58分に怪我をした田中選手の容態を気に病んでだ。サッカーは接触プレーの多いスポーツだから選手達は日々の鍛錬し、それに耐え得る身体を作る。それでも不慮の事態を避ける事が出来ずに怪我は起こってしまう。

 ボールがラインを割るまで諦めず追い掛け、マークする相手にとことんまで喰らいつく。それはプロとして当然の姿勢だ。その凌ぎを削ってこそ見る者を感動させる。しかし、危険が及ぶかもしれない限界点ギリギリのプレーを観客は選手に望んでいない。選手にも確かな見極めで、自分と相手の身体を守り、それをやらない勇気を持って欲しい。










(浦和レッズ) (柏レイソル)
GK: 都築龍太 GK: 南雄太
DF: 坪井慶介 堀之内聖 内舘秀樹 DF: 土屋征夫 波戸康広(56分/退場) 薩川了洋
MF: 長谷部誠(74分/赤星貴文) 鈴木啓太 酒井友之 ポンテ MF: 増田忠俊 平山智規(41分/小林祐三) 明神智和(13分/退場) 大谷秀和 クレーベル
FW: 永井雄一郎(68分/横山拓也) 田中達也(60分/エスクデロ) マリッチ FW: 玉田圭司(61分/フランサ) レイナウド(69分/矢野貴章)
SUB: 山岸範宏 細貝萌 SUB: 加藤慎也 大野敏隆
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