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 webnews 05/10/19 (水) <前へ次へindexへ>
C大阪、苦しみながらの6連勝!
2005J1リーグ  第27節 セレッソ大阪vs.大宮アルディージャ

2005年10月15日(土)14:05キックオフ 長居スタジアム 観衆:5,232人 天候:雨
試合結果/セレッソ大阪1−0大宮アルディージャ(前0−0、後1−0)
得点経過/[C大阪]ファビーニョ(60分、PK)


取材・文/貞永晃二

 5連勝中の3位C大阪が5連敗中の16位大宮をホーム長居に迎えた。リーグ再開時は大宮が9位、C大阪が10位という位置にいたが、その後C大阪は6勝2分で急浮上、一方1勝1分6敗とJ2転落の危機に瀕している大宮は、何とか勝ち点3を奪い連敗をストップしたい。

C大阪は好調を維持する西澤、ゼ・カルロスが出場停止。さらにチーム躍進の象徴だったボランチ下村も負傷で長期離脱と大きな戦力ダウンを強いられている。対する大宮もチャンスメーカーMF藤本を出場停止で欠きこれもメンバー構成は苦しい。

 西澤を黒部、下村を布部で埋め、本来右サイドの酒本をあえて左サイドのゼ・カルロスの代役としたC大阪・小林監督に対し、大宮・三浦監督は予想された山下ではなく来日2試合目、20歳のレアンドロを初先発させた。



 早朝から降り続いていた雨が一層激しさを増した中で試合は始まった。蛇足だが降り続いた雨は両チームの戦いに微妙に影響を与えはしたが、ピッチに水もたまらず長居スタジアムの芝生管理が素晴らしいことは評価しておきたい。

飛車角落ちともいえるC大阪だったが、メンバーが多少代わってもチーム力のアップは20分までに3度のチャンスを作ったことが示している。まず古橋が直接FKを狙う。バーを越えるキックの多い古橋だがこれは左ポストをはずれる。続いてはモリシ。古橋の左サイドからのクロスを飛び込むタイミングを計りながら飛び込み見事にヘッドでとらえたがこれも左に外れる。さらに酒本が左サイドを破って右足に持ちかえ上げたクロスはクリアされるが、ファビーニョが強引にダイレクトシュートする。しかし、これもGK安藤に余裕で見送られた。

 大宮の狙いはいうまでもなくしっかり守った上で仕掛けるカウンター。桜井のドリブルから作ったチャンスはトゥットのヘッドで仕上げるが決まらない。前半終了間際にはブルーノのコントロール・ミスを見逃さなかった桜井が奪い取り、中へ持ち込みシュート、しかしDFが二人でボールに体を寄せブロックする。そのリバウンドをレアンドロが狙うが今度は、三人が体を張って防ぐ。C大阪の好調は「ピンチだ!」という感覚を全員で共有できていることに表れている。しかし前半は0−0、大宮の「勝利の法則」にC大阪ははまりつつあった。



 後半の早い時間帯、大宮に試合の流れが訪れる。まず桜井がトゥットとのパス交換で持ち込み最後は左足で狙う。続いてまたも桜井のドリブルで崩し、久永がゴールライン上まで持ち込んでクロス。GK吉田の頭上を越え、フリーのレアンドロがヘッド、しかしバーを越えてしまう。頭を抱えるレアンドロ。猛攻を続ける大宮は、さらにトゥットがブルーノをフェイクでかわし放ったシュートはGKを抜きながらもDF柳本に蹴り出されてしまう。ここで先制できなかったことが大きな禍根を残すことになる。

 56分、C大阪が怒涛のカウンターを仕掛ける。クリアを拾った古橋からパスを受けた酒本が全速ドリブルで大宮陣深くもちこみ、それを追い越した久藤が受け酒本にバックパス。このときC大阪の選手が4人、5人と相手ボックス内に入りクロスを待った。酒本の右足からのクロスをファビーニョがヘッドで落とし古橋がシュート!ミートが悪くはずれはしたが、C大阪の好調な一因がここにも表れた。攻守の切り替えの早さである。前半の「ピンチ感覚」ここでの「チャンス感覚」いずれも昨年のC大阪に欠けていたものだ。

 この「全員攻撃」で流れを自らに引き寄せたC大阪は、MFで受けた久藤が黒部のポストで中央を突破し、ボックス内へ侵入しトニーニョに倒されPKを得る。ここでは、久藤の進む経路にスペースを作りながらポストとなった黒部の受け方が殊勲モノだ。60分、「PK職人」ゼ・カルロスの代役となったファビーニョは一度はGK安藤にはじかれながらも冷静に押し込み貴重な先制点とした。

 大宮は三上を入れトニーニョを中盤に上げるシステム変更。島田、森田と攻めるための手札を全部切って同点、逆転を狙い、終盤C大阪を自陣に釘付けにし、多くのセットプレーのチャンスをつかむが、C大阪はその集中力を維持しスコアをそのままで逃げ切ることに成功した。シュート数では上回り、内容でも互角以上のものを見せながら大宮にゴールは遠く、悔しい敗戦となった。



 降り続いた大雨の中、両監督はコートも羽織らずスーツのままベンチ前で熱く指示を送り続けた。しかし結果は冷酷なもの。泥沼の6連敗に落ち込んだJ1初年度のアウェーチームは、残り7試合に必死の戦いを続ける。内容は安定しているだけに、何かのキッカケが欲しいところだ。

 苦しい試合を凌ぎ6連勝となったC大阪。彼らの「上」を狙わず、一戦一戦に集中して戦い続ける姿勢に「欲」や「変な色気」はまだ見られない。無欲のチームが、本当の勝負に出るべき日が果たしてやって来るのだろうか。
 2位鹿島との対戦を残し、逆転が可能なだけに、首位G大阪の動向は気になるところだ。「2位はいらん、3位でええ。『吹田』のすぐ下はいやや」という極端なライバル心むき出しのサポーターもいる。しかし2位の座を目指すべきなのだ。鹿島を乗り越えて2位となり、優勝へのプレッシャーを感じながらさらなる戦いに臨む。たとえ優勝に手が届かなくともその「優勝を争った」経験が今後のC大阪にとって得がたいものになるはずなのだ。


(セレッソ大阪) (大宮アルディージャ)
GK: 吉田宗弘 GK: 安藤智安
DF: 前田和哉、ブルーノ・クアドロス、柳本啓成 DF: 西村卓朗(73分/島田裕介) 、トニーニョ、奥野誠一郎、冨田大介
MF: ファビーニョ、布部陽功、久藤清一(82分/藤本康太)、酒本憲幸(71分/苔口卓也)、古橋達弥、森島寛晃(84分/宮原裕司) MF: 斉藤雅人、ディビッドソン・純マーカス(66分/三上和良)、久永辰徳、トゥット(76分/森田浩史)
FW: 黒部光昭 FW: レアンドロ、桜井直人
SUB: 伊藤友彦、徳重隆明 SUB: 荒谷弘樹、横山聡
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