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 第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
関学の忠実なプレーに、広島延長で冷や汗の勝利!
第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会 1回戦 関西学院大学vs.サンフレッチェ広島

2002年11月30日(日)13:00キックオフ 姫路市立陸上競技場 観衆:3,021人 天候:曇
試合結果/関西学院大学0−1サンフレッチェ広島(前0−0、後0−0、延前0−0、延後0−1)
得点経過/[広島]眞中(106分)


取材・文/貞永晃二

 2週間前に昇格を決め、1週間前に優勝をかけたリーグ最終戦を戦い敗れた広島。気分を入れかえて新たな戦いの場、天皇杯にのぞむ。「J1チームを倒したい」試合後今大会での目標を問われた小野監督はそう答えた。結果が全てだったJ2での戦い方とは異なる、チームが本来目標とするレベルの「サッカー」をしたい。そのためには対戦相手はJ1でなければならないというのだ。

 10月26日に終了した関西学生リーグ4位(10チーム中、優勝阪南大、2位関西大、3位大阪体育大)、3勝3分3敗、得点15、失点17。9戦して無失点の試合はわずか1試合という関西学院(かんせいがくいん、以下関学)。格下、しかも守備に難点を持つ相手なら大量得点は必至と思われたが、やはりサッカーはやってみないとわからないものだ。



 試合はまず広島が支配した。ワンタッチ、ツータッチでの早い展開を見せる広島。力の差がある相手に個人のボールの持ちすぎは厳禁だ。李、松浦、中山と積極的にシュートを放つが、なかなかワクに飛ばない。関学も序盤から落ち着いたプレーで応戦する。先月の全日本大学選手権(インカレ)2回戦で敗れたものの、優勝した筑波大相手に1−2という惜敗であった自信を糧に、その後の3週間で十分な準備をしてきたのだろう。関学の戦いぶりに「敬意を表したい」と小野監督が語ったのもわかるパフォーマンスだ。

 突出した選手はいないものの、関学は全員が忠実な守備で広島を苦しめる。そして、狙いはカウンター。ヴィッセル神戸入りが決まっているFW岸田が持ち前のスピードでかき回し、もう一人のFW岡野もポストをうまくこなした。岸田は16分、大胆なオーバーヘッドシュートまで見せた。MF橋本卓、橋本成が惜しいチャンスを連続してつかむがともにシュートに力がなく得点にまでは至らない。逆に広島は単調ともいえる攻撃でほとんどチャンスを作れないまま時間を無為に過ごした。



 後半、広島は松浦からマルセロにFWを入れかえ攻撃に出る。口火は森崎浩の直接FK2発だ。マルセロも積極的にシュートを狙う。関学も負けじと橋本成がミドルを放つ。

 12分、関学・岸田が巧妙な動きでDFを振り切ってGK下田と1対1のチャンスをつかむがシュートが左に外れる。守ってはGK秋山がマルセロのシュートをファインセーブで防ぐ。静かだったスタンドも「ビッグ・サプライズ」を期待してか関学を応援する声援大きくなる。小野監督はFW中山にかえてサンパイオを起用、MFを厚くする。

 さらに広島のシュートが関学ゴールに襲いかかる。34分マルセロのシュートは右ポストを叩いた。大木、森崎和、マルセロ、李とシュートは放つものの、焦りからか精度はますます悪くなる。そして時間はなくなっていく。インジュリータイムも終わり、なんと延長に突入することになった。

 延長前半、関学は古家が惜しいシュートを放つ。広島は眞中を大木に代えることで先発のFWが全て交代したことになる。しかし関学を自陣に押し込むものの肝心のゴールが生まれない。そして延長後半106分突然のフィナーレが訪れる。登場からわずか数分、眞中が関学ゴールをこじあけたのだ。左右のゆさぶりからの執拗な攻めに関学ゴールはついに陥落した。がっくり膝をつく関学の選手、しかしすぐに立ち上がり爽やかな笑顔を見せた。やれることはやったという満足感からだろう。3,000人を超える観客から両チームにいや、特に関学に大きな拍手が送られた。



 この日、姫路市立陸上競技場を訪れたサッカーファンは満足して帰宅の途についたことだろう。関学の見せた学生らしい精一杯の全力プレーには凡ミスもほとんどなく、そこにはサッカーの面白さが十分あふれていたからだ。そして多くの観衆の前でプレーする喜びが選手のパフォーマンスをも上げるものなのだと感じた。


(関西学院大学) (サンフレッチェ広島)
GK: 秋山大介 GK: 下田崇
DF: 山本悟史 山口陽平 押川大介 DF: リカルド 上村健一 桑原裕義
MF: 鈴木崇徳 佐伯雄亮 古家昭二 橋本茂久(79分/宇江田準) 橋本卓 MF: 森崎浩司 李漢宰 森崎和幸 服部公太
FW: 岸田裕樹(102分/亀ケ渕鼓) 岡野克之 FW: 松浦宏治(45分/マルセロ) 中山元気(66分/サンパイオ) 大木勉 (93分/眞中靖夫)
SUB: 水田泰広 岡村優佑 上貝修 SUB: 林卓人 高木和正
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