topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 サッカーのある風景 03/09/26 (金) <前へ次へindexへ>
※写真はイメージ写真。
  豊田市中学生サッカーフェスティバルのものではありません


 私のフットボール日記 その3


 文/畦地治
はじめに

「畦地さんのコラム見ましたよ」と意外なところから反応がありました。「土橋FCで検索したら出てきたよ」。これらは私のチームの保護者や選手からの反応でした。正直いってこれはやばいと思いました。へたなことは書けないなあと・・・・

 それだけではありません。私のウィークデーの仕事は小学校の教員です。一応それなりに仕事はしているつもりです。(サッカーを理由に手抜きはしていないつもりですが・・・)今年度担任しているのは小学6年生。そのクラスのメンバーがこのコラムに気づいてしまったようです。むむ恐ろしきかな現代の小学生。とにかくそんなことを気にしながらペンを進めていくことにします。



第10回豊田市中学生サッカーフェスティバル

 毎年お盆の前に豊田市中学生サッカーフェスティバルが開催されます。今年は8/10〜12まで開催されました。この大会は県内外から中学生のチーム(学校のチーム・クラブチーム・各地のトレセン等)がやってきて、勝利をめざすチームはカップ戦を、交流を目的とするチームは交流戦を行う大会です。今年は79チームが参加をしました。

 私の指導している土橋FCは1999年よりこの大会に参加をし、会場担当チームとして遠来のみなさんが楽しくプレーできるようにサポートもしています。今年も8/10(日)、11(月)は地元の竜神中学校で、12(火)は豊田市運動公園球技場(芝生)で大会運営にかかわりました。今回はその大会の模様と感想を書いてみたいと思います。

◎8/10(日)
 8:00集合で会場設営に入る。私は黙々とライン引きにいそしむ。ほかのスタッフは本部席を設置したりしている。選手も三々五々集合し手伝いをしていてくれる。ありがたいことです。自分一人では何もできません。選手の指導は平井ヘッドコーチに一任。審判も三島コーチにまかせて、自分はひたすら裏方にまわっいました。

試合結果(1日目)
土橋FC(2年)対 坂下FC(3年)  愛知県春日井市  ●1−6
土橋FC(2年)対 守山FC(2年)  名古屋市  △1−1
土橋FC(1年)対 坂下FC(2年)  愛知県春日井市  ●0−3
土橋FC(1年)対 守山FC(1年)  名古屋市  ●1−3

 最初の坂下FC戦はちんちんにやられました。相手は中3で体も大きいし胸板の厚さも違っていました。この年代の1年の違いは大きいなあと改めて感じました。しかし、そのような相手に対しても後半はひるむことなく対抗した選手をたのもしく思いました。この差は追いつける差ではないか。何とかなる。そう感じました。



◎8/11(月)
 この日は大人のコーチが2人なので困っていると、高校3年生の選手が2人登場し、ヤングコーチになってくれました。これがまた新鮮でよかったんだなあ。年代が近いということが一番いいですね。さらに彼らには身体を動かすことができるという強みがあります。また、中学校のあこがれの先輩ということもあり、言うこともよく聞きますし・・・

試合結果(2日目)
土橋FC(2年)対 南ヶ丘中(2年)  岐阜県  ○5−0
土橋FC(2年)対 楠中(2年)  名古屋市  ○5−0
土橋FC(2年)対 らくほくFC(2年)  京都府  △0−0
土橋FC(1年)対 楠中(1年)  名古屋市  ○2−1
土橋FC(1年)対 らくほくFC(1年)  京都府  ●2−3

 この日は好試合の連続でした。中2でいきますと土橋FCと、らくほくFCがともに2勝で対戦しました。勝利を目的としない土橋FCですが、私もめずらしく「決勝戦だと思って闘おう」と静かに檄をとばしました。試合は手に汗握る好試合となりました。私は主審をしていたのですが、「これは真剣にレフリングをしなくては」と思いました。結果は0−0の引き分けでした。勝てた試合内容でしたが、順当な結果でしょう。

 この試合で感心したことに前述した高校生コーチの指導ぶりがあげられます。試合前の指示やハーフタイムの指示そして試合中の指示と、どれも的確なのに感動しました。彼らが、これからも選手を続けながらも時間を作って指導に来てほしいと思いました。

 小学生の時にさっぱり勝てなかった中1ですが、この大会を通して何とか来年に向けた目途が出てきました。私は小学校の部活動の指導の時代から少年団での指導を通して、ある種の確信めいた考えがあります。それは「小学年代で負けたりして差があっても、何とか小6で勝てないまでも引き分けか、1点差までに追いつめることができる」「そして中学校年代で逆転できる」というものです。しかし、この中1だけは小学6年の終わりでも「追いつける」という確信にはいたりませんでした。しかし、ようやくこの中1になって少し勝てる試合も出てきました。そして負けるにしても点をとることができるようになりました。「やはり私たちの指導は間違っていない」と再確認できた日でした。



 この日(8/11)の夜に大会参加チームの指導者が集う「懇親会」が開かれました。例年は地元の居酒屋であるのですが、今回は第10回記念ということで豊田スタジアムのレストランで「会」が催されました。お決まりの挨拶が続きます。しかし、こちらは連日の疲れとビールの酔いも手伝って話を聞いていません。そうしたらチーム紹介をしているあるチームの監督が「話は聞きなさい!」と怒り出す始末。かんべんして下さいよ。だって話の内容は「どこどこの大会で勝ちました」とか「全国どこへでも遠征しますのでいつでも呼んで下さい」という話の連続で、私たちのチームとは関係ありません。近隣の気の合うチーム同士が集まって「あんな話関係ないよね」と言いながら勝手に盛り上がっていました。

 このような挨拶を聞いているとうちのクラブ土橋FCのジュニアユースは(*日本サッカー協会の正式用語でいうと「ユース(U-15)」になりますが、そんなことはどうでもいいでしょう。ジュニアユース(中学生)という言葉の方が定着していますよね)、この大会では大善戦していることになりますね。
 この懇親会で私は次のように挨拶しました。

・私たちのクラブは将来のプロ選手の育成をめざしていません。勝利も目的としていません。
・みなさんは日夜奮闘してすばらしい選手を育て下さい。1000人選手がいれば将来有望な選手になる人は1人です。私たちのクラブは残りの999人に注目しています。この999人が大人になってもサッカーを愛してくれる。そんな日本サッカーの底辺を支えるクラブでありたい。

 真剣に選手の育成を考えている人はかちんときたかもしれません。でも大丈夫。だれも聞いていませんから・・・



◎8/12(火)
 さあ、このフェスティバルも最終日となりました。最終日の会場は豊田市運動公園球技場です。芝生のサッカー場です。私たちのクラブはにけっこう芝生のグランドで試合をする機会があります。少年などは豊田スタジアムで今年は2回も試合をしました。それというのも豊田市が田舎でグランドにめぐまれているということでしょうか。

試合結果(3日目)
土橋FC(2年)対 ライオスFC(2年)  兵庫県  △1−1
土橋FC(2年)対 緑東FC(2年)  名古屋市  ○3−2
土橋FC(1年)対 ライオスFC(1年)  ●1−3
土橋FC(1年)対 緑東FC(1年)  ●1−3

 正直言いまして、うちのクラブの中1年は強くありません。とにかく技術がありません。なんとか技術をつけてほしいと思い指導はしてきたのですが、ボールリフティングなどをやっても、「ねえゲームやろうよ」と言って真剣になりません。
 この日対戦した緑東FCは名古屋市内の強豪チームで技術の高さでは定評があるチームです。小島監督とは個人的にもつきあいがあります。小島監督は「うちはメンバーを決めるのは簡単ですよ。ボールリフティングをしながらグランドを1周してこい。と言うんです。はやくゴールした11人が先発のメンバーです」とのこと。

 うちのチームでそんなことをしたら試合にでられる選手は1人もいません。この日も緑東FCの試合前の練習はひたすらボールリフティングでした。全員がアウトサイドを使ってリフティングをしています。それも左右交互で延々と続けています。それをうちの選手にみせて「きみたちもやってみろよ」と言うと「できないからいやだ」と一蹴されてしまいました。そこで登場したのが土橋FCがほこる高校生ボランティアコーチです。

「よし、みんな今から日本1周をしよう」といって右足・右もも・右肩・頭・左肩・左もも・左足とリフティングを披露。「できたらジュースをおごってやる」。そうしたら選手の目の色が俄然変わりました。あっという間に「できた」「できた」の声の連続。こんなに目の色を変えてリフティングに励む選手の姿に私はびっくり。ここには指導のヒントがかくれていますね。まずは選手の前でお手本を示したこと。それから褒美を与えたことです。すばらしい指導ですよね。この結果ジュース代は私が払いましたが安い。3000円でした。



 私はこの豊田市中学生フェスティバルが好きです。真夏でたいへんですが、こちらがだまって会場にいるだけで全国から様々なチームがやってきてくれるのですから。過去には全校中学校大会で優勝した東海第一中(静岡)や日比野中(名古屋)も来ました。岐阜トレセンもきました。私の友人の岡さんが指導しているクラブチームの老舗・神戸FCも来ました。普段では対戦させてもらえないようなチームばかりです。そのチーム相手に選手が善戦しますと、これまたうれしいものですね。
<前へ次へindexへ>
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送