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 サッカーのある風景 04/03/26 (金) <前へ次へindexへ>

 サクラの季節


 文/竹井義彦
 Jリーグが開幕。サッカーシーズンのはじまりの季節は、子どもたちにとってひとつの区切りの季節でもある。

 3月14日に、駒林サッカークラブの卒団式が行われた。いわゆる卒業式のようなものだと考えてもらえばいいだろう。小学校六年生の子どもたちは、この3月でジュニアを卒業して、来月からは中学に入学してジュニアユースということになる。駒林サッカークラブは、ジュニアチームしかないので、この3月が最後の活動の月になる。

 午前中には、クラブの総会が開かれ、会場になっている小学校では父兄たちが屋台を開いて、お昼まで過ごすことになっている。その後は、卒団のセレモニーを挟んで、幼稚園をはじめとした各学年と6年生が記念試合をやっていく。もちろん、人数のハンデをつけて行うので、なかなか楽しい試合になる。
 私がコーチをしている3年生チームは、相手の人数が少ないこともあって、サイドからの攻撃で2点獲り、勝った。もっとも6年生は学年が上ということもあり、遠慮しながらのプレイで、試合というよりは遊びに近いものだと思ってもらった方がいいだろう。各学年との試合が終わると、コーチやお父さん・お母さんたちと試合をして、最後にOBとの試合で卒団式は終わった。 風が少し強い日だったが天気も上々、なかなかいい一日だった。



 長男が在籍していたころはあまり熱心なコーチでなかったが、それも5年の時からだから、卒団式に出るのは、これで5年目ということになる。
 いつもいつも卒団式の時に思うのは、入団した学年はそれぞれだろうけど、小学校を卒業するまで、駒林サッカークラブに在籍してがんばれたことは、きっとその子にとっては価値ある経験になるだろうということだ。卒団していく子のすべてが中学に入ってもサッカーを続けるとは限らない。たとえば女の子チームにいた子たちは、実は部活もないし、中学に進んでからサッカーを続けることは大変なことでもある。別のスポーツを選んだりする子もいるだろう。

 けれど、卒団するまでサッカーを続けることができたということは、とても大きな財産でもあると思う。ひとつのことを続ける、その大切さが身についているからだ。また、いままで続けてきたスポーツだから、それが子どもたちの物事を判断する上での重要な尺度を作ってくれているはずなのだ。そのことを忘れずに、新しい生活をはじめてもらいたい。

 できたら、いつまでもサッカーを続けて欲しい。
 別のスポーツを選んだ子は、サッカーを好きでいて欲しい。

 私は、いつもそう思いながら卒団式に参加している。



 さて、私がコーチしている子どもたちもすぐに4年生。4月も後半になれば、横浜市春季少年サッカー大会、春の市大会がはじまる。LLクラスとしては上位学年での参加になるので、できたら予選リーグを通過して、決勝トーナメントへと駒を進めたい。もちろん、子どもたちもひとつでも上を目指している。2月の終わり頃からいろいろな練習試合なんかにも参加しているが、この市大会を睨んでチームのチェックをしている。

 以前から禁止していたディフェンスのクリアは一応、解禁にしたが、先週の試合ではきちんと最終ラインからでもボールを繋いで、攻撃にへと結びつけていた。
 3年生の間にやってきた練習の成果なんかも、あちこちに見られるようになってきたし、試合の進め方を見ていても、少しずつではあるけれど成長を感じさせてくれている。特に、速攻のときのスピードと前線へと走り込む人数は迫力さえ感じさせてくれるようになった。もっとも、そのあとのシュートがまだまだなんだが。

 もちろん、他のチームもいろいろな工夫を凝らして子どもたちを育てている。今月の初めに練習試合があったが、そのとき対戦したあるチームとの試合のこと。試合開始のホイッスルが鳴ると、ピッチ上にいる子どもたちが一団にとなってボールに向かってきた。まるで団子サッカーだった。それでも、出足が速く、私たちのチームの子たちは、ボールをサイドへと簡単に振ることができず、とにかく押し込まれるだけ押し込まれてしまった。

 後で、そのチームのコーチに話を聞いたところ、その前半だけパス禁止にしていたらしい。個人のドリブル力をアップするために、やってみたということだった。その話を聞くまでは、なにを考えているのか首を捻っていたんだが、(だって団子サッカーなんてここ1年近く見たことがなかったからね)話を聞いて唸ってしまった。
 なるほど、そういう目的で試合をすることも必要かもしれない。



 私たちのチームは、ディフェンスのクリア禁止と前への放り込み禁止。対戦相手はパス禁止。それは、とても不可思議な試合になったけれど、改めていろいろなチームが、さまざまな目的をもって練習させ、試合をしていることを知り、私ももっともっと頭を使って、子どもたちのコーチをしていかなければと、考えを新たにした。

 さあ、あと一週間もすればサクラは満開を迎え、子どもたちは新しい学年になる。今年は、どんな目標を掲げて練習を、そして試合をしていこうか。卒団式の時には、いつまでもサッカーを続けたいと、子どもたちが思ってくれるように、私もしっかりと考えて、新しい季節に備えなければいけない。
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