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 福岡通信 05/04/04 (月) <前へ次へindexへ>
初優勝を遂げた東海大五。更なる成長が期待される。

 してやったり。東海大五が初優勝を飾る
 2005サニックス杯U-17国際ユースサッカー手大会

 取材・文/中倉一志
 春の訪れを告げる国際大会として福岡ではお馴染みになったサニックス杯U-17国際ユースサッカー大会が、3月23日から27日の日程で福岡県宗像市にあるグローバルアリーナで行われた。単なるサッカーの試合にとどまらず、青少年の国際交流を目的とした大会は今年で3回目。ACミランU-17、中国U-17代表、オーストラリアU-17代表、韓国高校選抜、U-17日本代表に加え、全国大会での実績を持つ高校と九州の強豪校の全16校が合宿生活をしながら互いの技術をぶつけ合った。

 大会は、まず4チームずつ4ブロックに分かれて35分ハーフの1回戦総当りのリーグ戦を実施。各ブロック上位2チームが40分ハーフで行われる決勝トーナメントへ、それ以外のチームは順位決定戦に回る。例年なら大会期間中に屋台が出て多くのサッカーファンで賑わう大会も、今年はあいにくの雨模様で屋台は中止に。時折吹く強風にテントが倒れてしまうほどだったが、それでも春休み期間中とあって、小・中・高校生を中心に多くのサッカーファンが来場した。

 ただ激しい雨風は選手たちを悩ませた。雷が鳴らない限り通常通りに行われるのがサッカーだが、あまりの悪天候に試合時間を25分ハーフに短縮する場面も。ピッチには見る見るうちに水が浮いて踏ん張るだけで水が飛び散り、スライティングタックルの時には、まるでプールに飛びこんだかのように水しぶきが舞った。ハイボールは風にあおられて戻されるのがスタンドから見ても分かるほど。せっかくの貴重な大会だけに、もう少し良い条件でやらせてあげたかった。

 そんな中、ベスト4に駒を進めたのは中国U-17代表、鵬翔高校U-17、日本U-17代表、東海大五U-17の4チーム。九州高校サッカー新人大会で、ひとつ上のレベルを見せて優勝を飾った鹿児島実業は、残念ながら、中国U-17代表、青森山田U-17、市立船橋U-17と戦ったグループリーグで4位に終わった。代わって強さを見せたのが東海大五。ACミランU-17との同一グループを首位で通過。準決勝では日本U-17代表を3−0で破って決勝戦へ駒を進めた。そして、もうひとつの準決勝は中国U-17代表が鵬翔高校U-17を1−0で下した。



かろうじて面目を保った日本U-17代表。サイド攻撃に対するDFライン
の不安定さが気になった
 さて、まずは3位決定戦の模様からお伝えすることにしたい。日本U-17代表のフォーメーションはダブルボランチを置く4−4−2。両サイドからの攻撃が特徴で、上がり目の位置でプレーするボランチの倉田が攻撃の中心を担う。ここを起点にして、小澤がポストプレーから落としたボールを右サイドへ展開。右MFの新川がサイドアタックを仕掛け、その後方から内田がオーバーラップして厚みのある攻撃を作る。技術の高さはさすがは日本代表。立ち上がりのペースを掴む。

 対する鵬翔もフォーメーションは4−4−2。中盤はダイヤモンド型だが、右MFをボランチと並ぶ低い位置に、左MFをトップ下と並ぶ高い位置に置く、やや変則スタイルで臨む。立ち上がりの15分は守勢に回ったが、左MF山本の縦への突破からリズムを掴むと主導権を奪い返してU-17日本代表を押し込んでいく。代表とはいえ同じ高校生。物怖じする姿は見せない。しかし、雨の影響からか互いに最終ラインを突破できず。試合は膠着したまま時計が進んでいく。

 均衡を破ったのは鵬翔。36分、金久が中央でためを作ってサイドを駆け上がってきた山本へ。ゴール前へクロスボールを上げると、勢い良く飛び込んできた広田が右足で合わせてゴールネットの天井部分を揺らした。しかし39分。U-17日本代表も同点ゴールを叩き出す。中央の倉田から右サイドの新川へ。ここからのラストパスにファーサイドに詰めていた長沢があわせた。どちらも得意の形から奪ったゴール。ともに一歩も引かないまま、試合は後半へと折り返した。

 あいにくの雨にも拘わらず熱戦を繰り広げる両チーム。57分、U-17日本代表が久保のゴールで鵬翔を突き放しにかかれば、鵬翔は61分に金久が同点ゴールを挙げて反撃体制を整える。前半同様、両チームとも一歩も引かない構えを見せる。しかし64分、鵬翔の山田がレッドカードを提示されて退場処分に。これで大勢が決した。粘る鵬翔は何とか延長戦へ持ち込んだが、89分に桜井に決勝Vゴールを浴びて力尽きた。



準優勝間の中国U-17代表、強く・速く・上手いサッカーを随所に見せた
 続いて行われた決勝戦に登場したU-17中国代表は、昨年のアジアユースを制したメンバーを7人有するチームで、今年のU-17世界選手権に出場する中国最強チーム。強くて、早くて、上手いチームに対して東海大五がどこまで食い下がれるか、それが決勝戦の見所だった。しかし、今大会で好調ぶりを見せる東海大五は食い下がるどころか試合のほとんどの時間帯で主導権を握り、中国U-17代表にサッカーをさせずに1−0で勝利。見事な優勝を飾った。

 立ち上がりは中国のペース。4−4−2の布陣の中国は、巧みなポジショニングでイゥ・ダボォがボールを引き出すと、正確なポストプレーからサイドへ展開。右からはヤァン・シゥが、左からはべ・フゥアがサイドを駆け上がる。強いショートパスをダイレクトで繋ぐ攻撃は正確で、しかもリズム感に溢れている。時折見せる激しく荒いプレーと、コーチングエリアを飛び出して大声でレフェリーに抗議をする首脳陣の姿が気になるが、それもお国柄。決して汚いチームではない。

 そんなU-17中国代表に対して、東海大五は真正面からぶつかっていく。高い位置からプレスをかけてU-17中国代表の攻撃を限定すると、中盤の底で末吉が着実にチャンスの芽を摘んで仲間へボールを繋ぐ。そして、ほどなく試合の主導権を奪い返した。攻撃の中心はU-18日本代表のある藤田。正確なFKと巧みなパス裁きでチームを引っ張る。21分、22分、29分と決定的なチャンスを積み上げていく東海大五。35分には藤田の直接FKがGKを襲う。

 だが、U-17中国代表は簡単にはゴールを許さない。中盤のプレスは緩い印象があるが、それでも最終ラインは堅牢。また、攻撃機会が減ったとはいえ、前を向いたときの迫力は満点。主導権を握る東海大五も気を許せる時間帯はない。結局前半は0−0のまま終了した。この時点で、朝から激しく降り続く雨の影響でピッチは水浸し。遠くから見ても水が浮いているのが分かるほどになっていた。難しいピッチコンディションではフィジカルに勝る中国が有利かと思われた。



ゴール前で競り合う東海大五と中国U-17代表
 ところが、後半も主導権を握ったのは東海大五だった。「水が浮いたし、相手が激しいから、裏へ落としてと、後半は蹴るように戦術を変えた」(平監督・東海大五)。もちろん、中国U-17代表も同じことを考えていただろう。しかし、東海大五は、もうひとつ手を打った。「相手が激しく来るんで、もうファール狙い。強引に縦に突破することでファールをもらってFKを取りに行った」(同監督)。中国U-17代表の激しいプレーを計算に入れての戦術だった。

 これが功を奏した。東海大五が倒れるたびに響くホイッスル。東海大五はこのFKをどんどんゴール前へ放り込み、そして裏のスペースめがけて走りこんだ。ファールの判定に苛つき、そして、放り込まれるボールへの対応に追われてラインを上げられなくなる中国U-17代表。やがて足が止まり、自陣から抜け出すことさえ叶わなくなる。中国U-17代表が後半に放ったシュートは0。東海大五の打った手が完璧にはまった。

 後はゴールネットを揺らすだけ。東海大五は攻撃の手を緩めない。そしてロスタイム、遂に歓喜のときがやってくる。決めたのは49分から途中出場した清水航平。この春に中学を卒業したばかりのルーキーだった。右サイドで得たFKから低いロビングボールをDFラインの裏へ放り込むと、寄せてくるDFと飛び出すGKの間の狭いスペースを50メートル6秒フラットの俊足を生かして清水がすり抜けた。そして右足を一閃。次の瞬間、中国U-17代表のゴールネットが大きく揺れた。

 東海大五はサニックス杯初優勝。縦への強さとアグレッシブな姿勢は伝統のスタイルだが、組織としての完成度も例年以上に高いという印象を受けた。どのチームも新チームとしてスタートしたばかりのこの時期の成績は、必ずしも今年の力関係を決定するものではないが、それでも、昨年逃した選手権出場、そして全国大会での上位進出を狙う十分な力を持っていることを証明して見せた。本格的なシーズンとなるプリンスリーグを経て、東海大五がどこまでチームの完成度を上げてくるのか。強豪ぞろいの九州高校サッカーは今年も面白くなりそうだ。
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