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 スペインからの風 04/01/15 (木) <前へ次へindexへ>

 アトレティコ、チャンピオンズ圏内への3発!


 文/中島泰介(アリカンテ在住)
リガ・エスパニョーラ ディヴィジョン1 第19節 クルブ・アトレティコ・デ・マドリードvs.アスレティック・クルブ・ビルバオ

1月11日(日)21:00キックオフ エスタディオ・ビセンテ・カルデロン 観衆:45,000人
試合結果/アトレティコ・マドリード3−0アスレティック・ビルバオ
得点経過/トーレス(73分、83分)、パウノヴィッチ(89分)

 私事だが、年末年始にドイツ・東欧を訪れた。それらの国ではシーズンオフだったこともありフットボールとは無縁の旅だったが、ケルンで今年最初のスポーツ観戦の機会が訪れた。ケルン近郊の街を散策しようと駅へ向かうと、ホッケーのユニフォームに見を包み、ビール瓶を片手に零下の気温の中歌を歌っているグループに出会った。彼らから2時間後に地元アイスホッケーチーム、コルナー・ハイエ(ケルンのサメ)の試合があることをおしえてもらい、予定変更して観戦することにした。

 会場のケルン・アリーナは、外側がガラス張りで超近代的アリーナ。一番安いシートでも座席・背もたれにクッションがあり、快適に観戦できる。入場者数12,400人。席の空き具合から、20,000〜25,000人は収容できるのではないだろうか。実は私にとってアイスホッケー初観戦。7−1でホームチームが圧勝するゲームを楽しんだが、小さなパックを見慣れておらず、3ゴールほど見逃してしまった。米国の大学で、アメフトのスタジアムをホッケーのゲームで使用して数万人の観客を集めたと聞いたが、そんな大きなスタジアムで果たしてゴールを見ることができるのだろうか・・・



 今年最初のフットボール観戦となったクルブ・アトレティコ・デ・マドリード(以下A・マドリード) vsアスレティック・クルブ・ビルバオ(以下ビルバオ)は、マドリードのビセンテ・カルデロンで21時キックオフ。当日お昼にスタジアムのタキージャでチケットを購入した。ビセンテ・カルデロン・スタジアムは55,000人収容の大型スタジアム。面白いことにゴール裏のスタンドの下には高速道路が走っている。スタジアムの建物には不動産コンサルティングや旅行代理店など幾つかのビジネスオフィスも入っていた。

 今節はリーグ前半の最終戦。昨日はレアル・マドリードが降格ゾーンに近いレアル・ソシエダにいいところなく敗れ、バレンシアが勝利したため、バレンシアが非公式の"冬季王者"に輝いた。優勝争いにはまだ顔を出していないとはいえ、A・マドリードは現在5位。1996〜1997年シーズン以来のヨーロッパのイベントへの出場圏内に位置する。チャンピオンズリーグも夢ではなく、一歩でもそれに近づくため勝利を手にしたい。"エル・ニーニョ"トーレスの相棒、ニコライディスの復帰は好材料。ビルバオは今日のライバルを2ポイント差で追って8位と高位置をキープしている。UEFA出場圏内へ行くためにも、その圏内にいるライバルを直接たたいておきたい。右サイドのエチェベリアとラクルスが怪我でチームから離れているのは不安材料か。

 ゲームはA・マドリードのペースで始まる。最初のチャンスは17分。イバガサのDFの裏へふわりと浮かしたボールをアギレラが受け取りワントラップしてボレー。決まったと思ったがビルバオGKアランスビアがストップ。24分には縦パスがDFラインを抜けたがニコライディス惜しくも届かず。A・マドリードがボールを支配し続けたが25分、A・マドリードのDFガスパルとビルバオのウルサイスがペナルティ・エリア内でもつれ倒れた。私にはファウルがあったようには見えなかったが、このプレーをすぐ後ろで見ていた主審はすぐにペナルティ・スポットを指した。しかしこの絶好のチャンスをビルバオのイェステがふかしてしまう。A・マドリードは、32分にグルペギのスルーパスからシュートへ持ち込まれるが、それ以外はA・マドリードに危険な場面はなく、A・マドリードのゲーム支配が続く。36分ニコライディス、38分トーレスがゴールに近づくが得点には至らず。前半終了間際もイバガサのクロスボールをナノがヘッドで狙うがわずかにポストを逸れた。



 後半、A・マドリードはエンジン全開。46分、49分と直接フリーキックでゴールを襲い、54分にも連続してコーナーキックを得る。57分には右サイドでイバガサ、アギレラの見事なパスワークからボールはトーレスへ。しかしトーレスのボレーはゴールの枠を捉えなかった。トップ下のアルゼンチン人、イバガサの活躍が光る。彼が攻撃の起点となりビルバオ陣内にマドリードが押し寄せる。全くゲームをコントロールできないビルバオに対しA・マドリードは、中盤底のデ・ロス・サントス、ディフェンスのレキ、セルジまでも前へ頻繁に顔を出す。方やビルバオのワントップ、ウルサイスにはほとんど良い形でボールが供給されない。

 A・マドリード、待望の先制点は73分。イバガサのフリーキックにトーレスが頭で喰らいつき、ゴールネットを揺らした。随分長らく待たされたサポーターは更に大きな歌声と爆竹で喜びを表現。サポーターでいっぱいのゴール裏に幾つかポッカリと穴が開くのでどこで爆竹が鳴るのかすぐ分かるのだが、危険なことには変わりはないし褒められることではない。ここで思い出したのがセキュリティ。かばんの中身も確認せずにゲートを素通りできたのはこのスタジアムが初めてだ。

 79分にニコライディスを下げシメオネを投入。守り固めの交代ではあるが、次のゴールもA・マドリードに記録された。83分、前半のペナルティの場面のリプレーを見ているかのようなプレーでムサンパがビルバオディフェンスと倒れ、A・マドリードにペナルティ・キックが献上された。前半と違うのはトーレスがこれをきっちりと決めたこと。エースの2ゴールで試合を決定付けた。お役御免でトーレスは87分にパウノヴィッチと交代。2分後に右からのアギレラからのクロスボールに完全にフリーだったこのパウノヴィッチがお手本のようなヘディングシュートを決めて試合を終わらせた。

 今日の勝利によりA・マドリードはチャンピオンズリーグ出場圏内の4位に上昇した。過去3節がドローだったこともありA・マドリードのファンは内容の伴った今日の勝利に大満足。まだリーグは半分終了しただけでチャンピオンズリーグ出場権も保証されたわけではない。しかし、ファンは来シーズン、自分のクラブが欧州の強豪相手に戦う姿を想像しながら帰途についたことだろう。


アトレティコ・マドリード アスレティック・ビルバオ
GK: ファンマ GK: アランスビア
DF: ガスパル、ガルシア・カルボ、レキ、セルジ DF: セサル(78分 ゲレーロ)、L.プリエト、カランカ、デル・オルノ
MF: デ・ロス・サントス、アギレラ、イバガサ、ナノ(70分 ムサンパ) MF: グルペギ、ティコ、アライガ(61分/エスケロ)、ジョナン(61分/イラオラ)、イェステ
FW: トーレス(87分/パウノヴィッチ)、ニコライディス(79分/シメオネ) FW: ウルサイス
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