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 頑張れ!女子サッカー 04/08/19 (木) <前へ次へindexへ>

 対戦相手はアメリカに決定。さあ、全てをぶつけよう!
 アテネオリンピック2004 女子準々決勝 なでしこジャパンvs.アメリカ女子代表プレビュー

 文/西森彰
 ナイジェリア戦では不運な敗戦を喫したなでしこジャパンだが、まだツキは残っていた。世界チャンピオンのドイツ女子代表を一時的に回避することができたのだ。

 グループリーグの最終戦で、スウェーデンがナイジェリアに1点差で勝ってくれたために、日本の予選リーグ通過順位は3位になった。クオーターファイナルではG組1位のアメリカと当たる。初戦の大勝でメキシコ戦を流したドイツと戦うよりは、3試合を消化しなければならなかったアメリカと戦うほうが、可能性は大きい。ブラジル、メキシコ、オーストラリアという山に入ったスウェーデンは羨ましい限りだが、隣の芝を見て嘆息するよりも目の前の試合に全力を尽くそう。

 日本が得るはずだったスケジュール上の優位点は、ナイジェリア戦の敗北でかなり失われてしまった。中5日と試合間隔ではアドバンテージはあったが、順位が決定するまで移動ができなかった。ギリシャ第2の都市・テッサロニキは北部に位置し、地図上はアテネからかなりの距離がある。だが飛行機移動が使えるため、ボロス等に比べると移動の負担は遥かに少ない。

 しかし、アメリカは第2戦、第3戦と戦ったテッサロニキに居残りなのだ。気候や芝状態などを体感し、知り尽くしている舞台でのゲームは、中2日の不利を補えるだけのものだろう。日本としてはパラグアイ戦でピッチ状態に苦しんだ山本ジャパンから、このあたりの情報を仕入れておきたい。私がいた2日間の気候では、アテネ以上ボロス以下。日中は日が照り付けていたが、カラッとした暑さで、アテネのようなうだる暑さとは異なっていた。



 さて、今大会のアメリカは、最終戦のオーストラリア戦こそ1対1のドローに持ち込まれたが、初戦でギリシャを3対0、2戦目はブラジルを2対0と危なげなく破っている。さらに、リーグ戦で3試合戦わなければいけないレギュレーションを、各選手の調整に生かした。今大会、まだ出場していないのは経験豊富なDFのチャスティンと控えGKのルッケンビルだけだ。その他の選手は全て2試合以上、出場経験があり、足慣らしは万全だ。日本戦の予想先発メンバーは以下のとおり。

(アメリカ女子代表・予想先発メンバー)
GK: スカリー
DF: ランポーン、ファウセット、レディック、マークグラフ
MF: ファウディ、ボックス、リリー、ワグナー
FW: ワンバック、ミア・ハム

 4−4−2、または4−3−3がアメリカの基本システム。ワンバックとミア・ハムの前線は強力だが、後ろの選手たちのテクニックもかなりのもの。中盤の選手も前が開けば、積極的にミドルシュートを狙ってくる。全体的にはきっちりとつなぐサッカーを展開するが、閉塞状況に陥るとパワープレーに切り替えてくる。春のアメリカ遠征で日本が喫した同点ゴールも、放り込んだボールに対する出足で勝って、得点者のワンバックにつないだものだ。日本としては、アメリカがビルドアップする時間帯に、相手を上回るプレスで主導権を奪い、GKとDFの頑張りで最後の放り込みを凌ぐ展開に持ち込みたい。



 アメリカとの対戦が決まってから「開き直り、士気が上がっている」と伝えられる日本。中5日の間隔で敗戦の沈滞ムードを打破し、連戦から来るメンタル面の疲労を取ることができたのは大きい。一番の好材料は、矢野喬子の戦線復帰にメドが立ったことだ。負傷を癒すため、ここまで温存していた左サイドの防火扉が、90分間、アメリカの攻撃に蓋をしてくれれば、右サイドで川上直子から山岸靖代という攻撃的な選手交代が行なえる。サイドに流れることの多いハムの意識を後ろに引っ張れるようなら、守備の面でも楽になるはずだ。

 山本絵美も復調し、ナイジェリア戦の最後には顔を出した。御殿場合宿以来、隠し持っているセットプレーも大きな武器となるだろう。今大会絶好調の小林弥生とどちらがスタメンに名を連ねるかは分からない。だが、宮本ともみの負傷で柳田美幸を引っ張られ、手薄になっていた左SHもスタミナを考えずに飛ばしていける。両サイドを基点とした本来の攻撃が行なえれば勝機も見えてくる。

(なでしこジャパン・予想先発メンバー)
GK: 山郷のぞみ
DF: 川上直子、磯崎浩美、下小鶴綾、矢野喬子
MF: 酒井與惠、柳田美幸、山本絵美、澤穂希
FW: 大谷未央、荒川恵理子



 スウェーデンに勝ったボーナスとも、ナイジェリアに負けたペナルティともとれる、このアメリカ戦。過去の対戦では未だ勝利は無いが、今春の遠征を含めて過去3戦はいずれも引分け。この女子サッカーの強豪国との差は間違いなく詰まってきている。「本当にサッカーが好きで、純粋で、そしてひたむきにプレーする」なでしこジャパンの魅力を存分に発揮して欲しい。結果は後からついてくるはずだ。


<なでしこジャパン(日本女子五輪代表)メンバー> <アメリカ女子五輪代表メンバー>
(ゴールキーパー) (ゴールキーパー)
1  山郷のぞみ  Yamago, Nozomi 1  スカリー    SCURRY Briana
18  小野寺志保  Onodera, Shiho 18  ルッケンビル  LUCKENBILL Kristin
(ディフェンダー) (ディフェンダー)
2  矢野喬子  Yano, Kyoko 2  ミッツ  MITTS Heather
3  磯崎浩美  Isozaki, Hiromi 3  ランポーン  RAMPONE Christie
4  大部由美  Obe, Yumi 4  レディック  REDDICK Cat
5  川上直子  Kawakami, Naoko 6  チャスティン  CHASTAIN Brandi
12  山岸靖代  Yamagishi, Yasuyo 14  フォウセット  FAWCETT Joy
13  下小鶴綾  Shimokozuru, Aya 15  マークグラフ  MARKGRAF Kate
(ミッドフィルダー) (ミッドフィルダー)
6  酒井與惠  Sakai ,Tomoe 5  タープリー  TARPLEY Lindsay
7  山本絵美  Yamamoto, Emi 7  ボックス  BOXX Shannon
8  宮本ともみ  Miyamoto, Tomomi 8  ヒュークレス  HUCLES Angela
15  柳田美幸  Yanagita, Miyuki 10  ワグナー  WAGNER Aly
16  小林弥生  Kobayashi, Yayoi 11  フォウディ  FOUDY Julie
17  安藤梢  Ando, Kozue 13  リリー  LILLY Kristine
(フォワード) (フォワード)
9  荒川恵理子  Arakawa, Eriko 9  ハム  HAMM Mia
10  澤穂希  Sawa Homare 12  パーロウ  PARLOW Cindy
11  大谷未央  Otani, Mio 16  ワンバック  WAMBACH Abby
14  丸山桂里奈  Maruyama, Karina 17  オレイリー  O REILLY Heather
(バックアップメンバー) (バックアップ)
19  宮崎有香  Miyazaki, Yuka 19  マクミラン
20  近賀ゆかり  Kinga, Yukari 20  フェア
21  鈴木智子  Suzuki, Tomoko 21  ロバーツ
22  福元美穂  Fukumoto, Miho 22  ソロ
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