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 頑張れ!女子サッカー 05/04/11 (月) <前へ次へindexへ>
いよいよ今年のL・リーグが開幕!

 高槻、宝塚に4得点の圧勝。2005シーズンを好スタート。
 L1リーグ第1節 宝塚バニーズレディースSCvs.スペランツァF.C.高槻

 取材・文/西森彰
2005年4月9日(土)12:00キックオフ 高槻市萩谷総合運動公園競技場 観衆:約200人 天候:晴
試合結果/宝塚バニーズレディースSC0−4スペランツァF.C.高槻(前0−1、後0−3)
得点経過/[高槻]松田(26分)、中鍋(52分)、小中山(58分)、小野村(71分)


 2005シーズンのL1リーグがいよいよ開幕した。4月9日の正午、8チームによる3回戦総当り84試合の先陣を切って対戦したのは、昨年6位の宝塚バニーズレディースSCと同7位のスペランツァF.C.高槻。上空は快晴。その後に試合を行なう、関西大学リーグの選手らもスタンドに顔を見せ、観客は200名を数えた。

 ホーム開催ながら、アウェー・萩谷総合運動公園競技場に乗り込んできた宝塚は「もちろん、勝つつもりでいました」(島田素英監督・宝塚)。高槻も「次節が日テレ・ベレーザなんで、勝ち点3が欲しかった」(福永亜紀監督・高槻)。力量差が無い同クラスのチームを相手にして白星を挙げねば、上位チームとの対戦で苦しくなるのは明らか。どちらも引き分けは視野に入れていない。



コーナーキックのこぼれ球を中鍋が押し込み2点目。 3点目はニアで小中山が絶妙のヘディングシュート。
 宝塚は昨年から8名の選手が入退団したが「ウチは市民球団なので、毎年、それくらい変わっているので(特に気にはならない)。むしろ、今年は凄く良い選手たちが入ってきてくれた」と島田監督はこれを前向きに捉えた。昨年来の4−4−2を敷き、中盤から深いタックルで高槻のボールホルダーに襲い掛かり、最終ラインでは中央の重松真由美がカバーリングを担当する。

 対する高槻は、最終調整試合の岡山湯郷Belle戦からシステムを変え、最終ラインを4枚から3枚にした。フィールド中央にボールを持てる松田望とキャプテンの庭田亜樹子を並べ、中央に3枚のフォワードが並ぶ。シュートを強く意識したフォーメーションで、試合開始から鳥越恵が積極的にシュートを狙っていった。

 試合開始から最初の15分は、宝塚陣内で高槻の選手たちが駆け回ったが、そこから次の15分は宝塚のペース。16分には近藤朋香のスルーパスで、矢田貝実希子がGKと1対1になるシーンも生まれた。「最初はウチにも1対1のチャンスなどができていた。そこで決め切れなかった。決定力の差と言いますか・・・」と、その時間帯を振り返った島田監督。結局は、先制のチャンスと共に勝機も喪失することになる。

 押されていた高槻だが、何でもないところからゴールが転がり込んできた。左タッチラインからのスローインを受けて松田がゴール前に。これを囲んだ宝塚のDFは3人、高槻のフォローも遅れていたので、さして危険には見えなかった。しかし、松田は絶妙なフェイントで最初の1枚を交わすと、前方のDFをブラインドに使ったループシュートを放つ。これがGKの頭上をきれいに越えた。大きな1点は高槻に刻まれた。



宝塚の2005シーズンは苦しいスタートになった。
 1点リードした高槻はハーフタイムに庭田を下げて、中江真紀を左サイドバックに入れて4バックに変更する。「1点差なんで気持ち悪かったんですが、庭田はあまり調子が良くなかった。そのままボランチのポジションに交代選手を入れることも考えましたが、宝塚はカウンターが上手いのでスペースを与えないために4枚にしました」(福永監督)。

 このシステム変更がずばりと的中する。失点後、更に活発になった宝塚のフォアチェックを、預けどころがひとつ増えた最終ラインがボールをつないで翻弄する。そして52分、この日、徹底してファーサイドに蹴っていた小野村亜矢が、左コーナーキックをまたもやファーサイドに上げると、相澤舞衣が頭で折り返し、最後はフリーになっていた中鍋が決めて2点目。5分後、またもや訪れたコーナーキックでは、裏を欠くようにニアへ速いボールが入り、これに上手く頭を合わせた小中山咲子がスコアを記した。

 GKの杉浦真生まで加わった「鳥かご」にいなされ続けた宝塚は、後半、立て続けに喫したこの2失点で気持ちが切れてしまった。高槻は3点のリードもあって、易々とボールをつなぎながら、ゲームをコントロールする。71分、宝塚ゴール前の混戦から、最後に小野村が蹴りこんで4点目。完全に止めを刺した。宝塚にこれを追撃する力は残っていなかった。



大勝を飾った高槻イレブンには笑顔がこぼれる。
 昨年、自分たちより下位だったチームに4点差もつけられての敗戦というのは、屈辱的なものだった。「コーナーのこぼれ球でやられはじめて、失点で頭が下がり・・・。そういうことが無いように練習から言い続けてきたのに、そうなってしまった。それが残念です」と搾り出すように口にした島田監督。「精神的なもろさじゃないですかね。そうでなければこんなに点差が開くはずがないし。そんなに力差があるわけがない」。

 後半に投入した清家聖喜が、指揮官の意図したポジショニングを取れていなかったり、まだまだチームが完成するには時間がかかりそうである。しかし、シーズン終盤には何とか帳尻を合わせるのが、このチームの特徴。どれだけ前との差をつけられずに追走できるかが、これからしばらくポイントになってくる。

 一方、勝った高槻の福永監督は理想以上の結果に、満面の笑み。昨年はゴール前までボールを持ち込みながら、そこから横パスの連続でシュートチャンスを失っていた高槻。それがこの日は積極的にシュートを放ち、4回もゴールネットを揺らした。「今シーズンはきちんとシュートで終わろうと言ってきました。それが早速、実践できた」と福永監督。意思の感じられるコーナーキックは「選手たちのアイデアです」。

 次は優勝候補の大本命・日テレが相手となるが、開幕直後でまだまだ戦い方を模索しているところのはずだ。「むこうも(U-17代表)メンバーが抜かれているはずですし、そこにつけこみたいですね」と健闘を誓った福永監督。翌日、総得点差で東京電力女子サッカー部マリーゼに抜かれたものの、現在2位。1週間は「日テレを迎え撃つ立場」だ。それを十分に満喫し、良いムードで迎え撃って欲しい。


(宝塚バニーズレディースSC) (スペランツァF.C.高槻)
GK: 達家理沙 GK: 杉浦真生
DF: 近藤朋香、阪上由紀代、重松真由美、小林恵 DF: 高見恵子、中鍋美里、奥田亜希子
MF: 柏原慶子、伊丹絵美、清原祐子(62分/今枝梢)、清原万里江(81分/清家聖喜) MF: 小中山咲子、松田望、庭田亜樹子(H.T/中江真紀)、東山紗衣子(80分/松下紀美)
FW: 三浦香子、矢田貝実希子 FW: 小野村亜矢(71分/櫻田有幾子)、相澤舞衣、鳥越恵
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