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 頑張れ!女子サッカー 05/07/19 (火) <前へ次へindexへ>
多数のゲートフラッグが選手を迎える。

 TEPCO、あと一歩の悔しい敗戦。日テレは第2クールを7戦全勝で飾る。
 2005L1 第14節 東京電力女子サッカー部マリーゼvs.日テレ・ベレーザ

 取材・文/西森彰
2005年7月16日(土)13:00キックオフ Jヴィレッジスタジアム 観衆:2,583人 天候:晴
試合結果/東京電力女子サッカー部マリーゼ0−1日テレ・ベレーザ(前0−0、後0−1)
得点経過/[日テレ]大野(89分)


「この間とそんなに変わらないんじゃないですか。だいたいこれくらいは入りますよ」

 東京電力女子サッカー部マリーゼ(以下TEPCO)のホームゲームでは毎週、バックスタンドのコーナー部分に出店しているというコロッケ屋の店員さんに、この日のお客さんの入りを尋ねるとそんな返事が返ってきた。福島県下メディアのサポートを受けて、人気が浸透しているTEPCO。キックオフ1時間半前の開門時、既に数百人単位でファンが到着していた。広野駅前から無料のシャトルバスも出た第2クール最終節。強い日差しの中、Jヴィレッジのスタジアムに2,583名の観客が詰め掛けた。

 その大声援を聞きながらピッチに散っていく、白と水色のユニフォーム。TEPCOの第2クールはアウェーで3勝1分け、ホームが0勝2敗。ホームゲームでの成績が悪いのは、対戦相手がTASAKIペルーレFC、伊賀FCくノ一と優勝候補が相手だったから。しかし、最後にホームで勝った5月3日の宝塚バニーズレディースSC戦から、もう2ヶ月半になる。「温かい応援、熱い応援をしていただいている方々に申し訳ない気持ちがある」(木村孝洋監督・TEPCO)。このあたりでファンにビッグサプライズを届けたい。

 白と水色がピッチを取り巻くスタジアムに乗り込んできたのは日テレ・ベレーザ。5勝2分けの第1クールから、この第2クールは加速。TASAKIペルーレFCを降して波に乗ると、大差の勝利を続けてここまで6戦全勝。「スコアの上では楽勝に見えますが、どの試合も苦しい場面がありました」と松田岳夫監督は謙遜するが、裏を返せば確実にゲームのポイントを制して白星を並べてきたということだ。代表の諸大会、そして国体で生まれる2ヶ月余りの中断期間を前に、確実に勝っておきたいゲームだ。



数百名のファンが、開門を待つ。
 この日のTEPCOは3ライン気味のコンパクトな4−4−2で臨んだ。それぞれの選手たちが気迫を前面に出して、日テレに襲い掛かる。近賀ゆかり、川上直子と対面する左サイドには、今シーズンサイドバックでの起用も多かった中村真実をサイドハーフ、北郷裕子を左サイドバックと2段構えで対抗。システム上、日テレががら空きにしている右サイドでは本間真喜子と青木知里を積極的に走らせた。

 最前線では丸山桂里奈がドリブルで日テレの最終ラインを脅かし、ピッチのそこかしこで起こる肉弾戦でもTEPCOが四分六分で制する。日テレの攻撃は、経験豊富な大部由美、宇野涼子の両センターバックを中心にして、鋭い読みと肩から先も使ったプレーで食い止める。その中にはファール気味に倒した際どいプレーもあったのだが、ジャッジの多くはホームチームに有利に流れた。

「『あまり良い監督じゃあないかもしれないけれども、みんなと一緒に戦う。ピッチの中には入っていけないし、サイドから声しかかけられないけれども、みんなを後押しして一緒に戦う』。そう選手たちには言っています。だから、もし指示が伝わらなかったら、その責任は全て私にあります」。木村監督らチームスタッフがプレーの合間にかける声に奮い立つ選手の姿勢。そしてスタンドのほとんどを占めたTEPCOファンの作る雰囲気。そういったものが、笛の方向に影響を与えていたのかも知れない。

 日テレは「ウチの2トップはスピードで勝てるので、相手が前に来たら裏を狙おう」(松田監督)と縦に速い展開を志向。ボールを奪ったら、大野忍と永里優季をTEPCO最終ラインの裏へ走らせ、ここにボールを送り込む。20分、近賀が相手のボールを奪い、ループでゴールを狙った場面や、44分に右から崩して最後に永里が押し込んだ場面と、2度の決定機は作ったが相手DFのクリアやオフサイドの判定で得点は挙げられなかった。



プレッシャーのかかるPKを、大野忍が成功。
 シュート数では3対6と下回っていたものの、内容的には日テレと五分以上にやりあった前半の勢いそのままに、TEPCOは後半も闘志を前面に打ち出した。後半最初から投入された森田牧子が、相手のミスを突いてゴールに迫れば、日テレも、47分、大野が同じような形でやり返すが、どちらのシュートもサイドネットを揺らしただけ。55分に大野からパスを受けた近賀のシュートコースに宇野が間一髪、身を投げ出すと、その1分後、抜け出しかかった森田の前方へ四方菜穂が滑り込んでこれを阻む。一進一退の攻防。

 ケガ人続出で、攻撃型の選手がベンチにいない日テレ。松田監督は64分、近賀ゆかりを下げて宇津木瑠美を左サイドバックに投入。ここでプレーしていた中地舞を右サイドに振り、川上をボランチに上げる。そして低い位置でプレーしていた伊藤香菜子のポジションを、左前方に進めた。「攻撃的なサブの選手がいなかった。宇津木を最終ラインに入れて、ボール奪取能力のある川上を前に上げることで、セカンドボールを拾いにいきました」(松田監督)。酒井與惠と川上が中盤でこぼれ球を拾い、日テレの波状攻撃が始まった。

 TEPCO陣内でゲームは続いた。TEPCOはゴール前に白い壁を作り、歯を食いしばって耐える。あくまで勝ち点3を奪うため、日テレはリスクを承知で前に出る。そして89分、運命の笛が鳴った。酒井が入れたボールに対する競り合いの中で、TEPCOのDFにファールがあったとしてPKの判定が下された。確かに澤穂希が派手に倒されたように見えたが、クロスボールに対して互いに良いポジションを取ろうとしている中のプレー。「それまでの分とあわせて1本」であるのなら仕方がないが…。



子供たちに大人気の「マリちゃん」。
「オフサイドのルールが変わって、選手たちはそれに対して勉強会を開いていました。もっとも、今日はなかなかジャッジと噛み合いませんでしたが」(松田監督)。そういった日常的な向上心に加えて、最後まで攻め続けた勝ち点3への執着心、そして危険なカウンターを浴びかけた場面でカードも辞さずにプレーを切った四方と宇津木の献身。そういったものが深い時間帯でのPK獲得へとつながった。

 これで日テレは第2クールを1試合も落とさないで7連勝。「正直、デキ過ぎですね」と指揮官も驚きの好成績だ。「苦しい時に自分たちがやってきたことが出ると思う。狭い中でボールを扱ったり、判断力を磨いてきた結果だと思います」(松田監督)。今年は秋の国体にも参加の方向。前年度の成績によって今年はノーシードになるが、出場すればもちろん優勝候補の一角。全日本女子選手権とあわせての三冠も視野に入ってきている。



「まだまだ力の差はあります。これからはもう少しチャンスを増やしていく。そしてそのチャンスをものにする。それでも精神的に充実しており、相手が強くても苦しめるところはできると証明できたと思います。PKで負けたのは残念だけれど、ベレーザという代表選手の集合体に対してがんばっていました」

 試合終了後、木村監督はジャッジに対する恨みをぶつけることもなく、爽やかに自軍の選手を称えた。今年、2月のチーム移管からスタートし、まだまだ強くなっていく途中過程だ。これから8週間、第3クールに向けてチームを再整備し、秋にはさらに成長した姿を見せなければならない。ここまで後押ししてくれる会社やファン、地元のメディアへ、ホームで勝利をプレゼントすることは、このチームの義務である。


(東京電力女子サッカー部マリーゼ) (日テレ・ベレーザ)
GK: 増田亜矢子 GK: 小野寺志保
DF: 青木知里、大部由美、宇野涼子、北郷裕子 DF: 川上直子、四方菜穂、豊田奈夕葉、中地舞
MF: 本間真喜子、五十嵐章恵、早坂優、中村真実 MF: 酒井與惠、伊藤香菜子、近賀ゆかり(64分/宇津木瑠美)、澤穂希
FW: 佐藤春詠(46分/森田牧子)、丸山桂里奈 FW: 永里優季、大野忍
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