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もっと地方で日本代表戦を!!


文/石毛大介

 「え!?○○さん。今日初めて生でサッカー見るんですか?凄いデビューですね!!」
行きのシャトルバス内でこんな会話が耳に入った。

 9月10日、新潟スタジアム(ビックスワン)にてセネガル戦が行われた。僕の記憶が正しければ、ビックスワンでの日本代表の試合は、2001年のコンフェデレーションズカップの対カメルーン戦以来だと思う。
 今日は平日。僕のように東京から観戦に来た者もいれば、おそらくほとんどが地元新潟県民だろう。その証拠に、僕が新潟までの新幹線の中、上野からはまったくみられなかった代表ユニを着た人たちが長岡駅以降、自由席車両や車両連結部分の通路などに急激に増えた。16:30頃に新潟駅に降り立ったが、駅構内からシャトルバスにかけてかなりの人だかり。やはり日本代表戦のブランドの凄さを実感した。

 ただ少し違うところもあった。非常に抽象的で申し訳ないが、国立や横国で行われる代表戦と雰囲気が違うのである。都内近郊で行われる代表戦より、スタジアムへ行く人たちの表情がどこか違うのだ。上手く表現できないが、どこか「ワクワクした表情」とでもいえばよいのか。新潟から東京までは、新幹線で2時間ちょっとで行ける。しかしめったに日本代表戦を見に行くことができないはずだ。確かにスタジアムへ行く人たちの表情も「ワクワク」するのは当然だ。すぐ近くで日本代表戦が行われるのだから。

 移動のシャトルバス内での会話も違う。いろいろな人が今日行われる試合について語っているのだが、やはりそれほど日本代表戦を見に行ったことがない、という話がいくつか耳に入った。ましてや今日が初めてサッカーをスタジアムで観戦するという方もいた。またアルビレックスの話も耳に入った。アルビレックスの観客動員数は知ってのとおり、ビックスワンでは4万人近く入る。現に今日の代表戦と先日の対サンフレッチェ戦では、後者の方が観客動員では上回っている。「日本戦もいいけど、気持ちというか思い入れはやっぱアルビの方が強いな〜」何ていう話がたくさん耳に入った。これは移動中のシャトルバスでもスタジアム内でも耳に入った。

 どうしても「日本代表戦>Jリーグ」という構図はできてしまう。しかしここ新潟では違った。地元生活者の中にサッカー(アルビレックス新潟)が浸透し、それが日常生活における生活習慣も変え、新潟県文化となりつつある。僕は非常に嬉しかった。
 話は大きくそれてしまったが、スタジアムへ入っても都内近郊での試合とは違って、スタジアム全体が「待ちに待った代表戦。ワクワクせずにはいられない!!」という雰囲気がいっぱいだった。

 僕は思う。もっと地方で日本代表戦を行うべきだと。もちろん日本代表戦がサッカーの全てではない。しかし「日本」というものを応援したくなる、ある種の国家主義的なものもあるし(普段観ないのに、オリンピックや世界水泳、世界柔道といったサッカー以外の競技を応援してしまう)、やはり「日本代表戦>Jリーグ」という構図は、まだまだ一般生活者にはあるし、エンターテイメント性も日本戦の方が高いし、ブランド力もある。また年間国内での試合数は限られている。そういった様々なものを兼ね揃えている日本戦は、やはりスタジアムで観戦してみたいというのは、自然なことだと思う。それよりもなによりも、あの移動中の地元の方たちの、待ちに待った日本戦!」という「ワクワクした気持ち」の表情を見たら、「もっと地方で日本代表戦!!」をという僕の気持ちも自然なことなのかもしれない。


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