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追い風来たる
2003Jリーグ ディビジョン1 2ndステージ第11節 東京ヴェルディ1969vs.ベガルタ仙台

2003年10月25日(土)18:03キックオフ 味の素スタジアム 観衆:17,856人 天候:曇
試合結果/東京ヴェルディ1969 0−0 ベガルタ仙台


文/森内 英

 残留争いさなかの仙台にとって、勝ち点「1」では満足できないだろう。スコアは0−0。後半終了直後のピッチで見せる選手たちの表情は、総じて硬く険しかった。失った「2」の重みに打ちひしがれているようだった。

 しかし、失点を0で抑えたことは今後に弾みをつけるのではないか。ベルデニック監督は言う。

「成長点は守備に対する責任。これを今日のゲームでは証明できたと思う」

 仙台に足りなかったのは守備の粘り強さだ。同ステージ第6節のFC東京戦はセットプレーのマークの甘さから同点弾を許し、第10節の市原戦でもボランチの佐藤に2度も隙を衝かれ先制の好機をフイにした。

          

 ところが、今日の仙台は違っていた。東京Vのお家芸、中盤での素早いパス回しに翻弄されながらも、終始ボールに対しての果敢なアタックを怠らなかった。

 前半の東京Vは攻めに攻めた。サイドバックの三浦を出場停止により、攻撃的MFの平野が負傷交代で、左サイドの2枚看板を欠いているとはいえ厚みのある攻撃で首位の底力をみせた。ただ、ハーフタイムまでに8本ものシュートを放ちながらゴール枠内に飛んだのは小林(大)のわずか1本のみ。

 シュートが雑だったわけではない。いざモーションに入ると、白いユニホームがシュートコースを切ろうと体を寄せて抵抗する。とくに、決定的だった10分のラモンと21分のエムボマのシュートが枠を捉えられなかったのは、仙台の選手が後手に回りながらもきっちりとプレッシャーをかけていたからだ。

 仙台のこの積極的なチャレンジは、的確なカバーリングあってこそ。センターバックのファビアーノが前に出て、ボランチ裏のスペースに侵入する敵を潰しにかかる。すると先程まで右横に構えていた渡辺と右サイドバックの村上が、空いたポジションを献身的にカバーする。ときに役割を変えながら最終ラインで何度も繰り返されるその反復は、時間が経つにつれ円滑さを増し、東京Vの攻勢を手詰まりにさせた。

 攻守の入れ替わりが激しい後半は、左サイドを制した仙台のペースに。残念なのは、3度の決定機をモノにできなかったことか。 

          

 勝ち点「3」が取れなかったことは、仙台にとって確かにキツイ。ただ、どんなに激しく警戒されていても攻撃的MFの岩本は煌きを失わない。この試合も触れば1点の好クロスを連発する。ベルニック監督就任後の前節までの4試合、引いて守る戦法を敷いてきたにもかかわらず得点0が一度しかなかったのは、彼の心意気がほとばしる剛柔自在の左足ゆえ。その破壊力は衰えを知らない。今後も期待できる。

 第11節を終えた現在、いまだ降格圏を抜けきれぬ仙台だが、残留を争う京都と大分との直接対決を残している。3チームは、総合勝ち点「3」差のなかにひしめき合う。ひとつ上にいる神戸もアドバンテージはプラス「3」、まだ安泰ではない。もとはといえば、守備の瓦解が引き起こした順位。今日の失点0は、きっと大きな自信になる。

 残り4試合、仙台に追い風が吹いてきた。


東京ヴェルディ1969(シュート数 前半8本 後半3本 計11本) ベガルタ仙台(シュート数 前半2本 後半4本 計6本)
GK: 高木義成 GK: 小針 清允
DF: 柳沢将之 ロペス 林健太郎 相馬崇人(51分/桜井直人) DF: 村上和弘 ファビアーノ 渡辺晋 根本裕一
MF: 小林慶行 山田卓也 平野孝(7分/小林大悟→82分/根占真伍) ラモン MF: シルビーニョ 森保一 望月重良(45分/石井俊也) 岩本輝雄
FW: 平本一樹 エムボマ FW: 佐藤寿人(77分/山下芳輝) 福田健二
SUB: 柴崎貴広 富澤清太郎 小林大悟 根占真伍 桜井直人 SUB: 高桑大二朗 數馬正浩 石井俊也 山下芳輝 金殷中
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