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FROM NIIGATA TO J LEAGUE


文/石毛大介

 今年最初のサポーター観戦記です。Jリーグ開幕まであと一ヶ月。皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 今年はワールドカップ予選、男女のオリンピック予選、そしてオリンピック本大会(男女とも出場祈願!!)、と国を代表する戦いが多い年ですね。しかし来月はいよいよ「おらが町」の戦いが始まります。一ヶ月前から、ハラハラドキドキ。同じサッカー仲間と会えば、ひいきチームを肴に酒を飲みながらワイワイガヤガヤ・・・。あるいは年間の観戦スケージュールを眺めながら仕事に支障が出ないよう計画中・・・「いつ有給休暇を出そうかな・・・」なんて。また今シーズンの今季の戦い方を、まるで監督であるかのように、ひとり頭を悩ませている・・・もちろん移籍事情も考慮して。いろんな方がいるかと思います。それもまたサッカーを楽しんでいる一面であることは間違いないですね。だからサッカー(スポーツ)ってものは年中無休なのだと思っています。

 去年、僕は新潟まで3度足を運んでアルビレックス新潟の試合を観戦しました。こういっては何ですが、特にアルビレックスが好きだったというわけではないのです。個人的事情が重なり何度か新潟へ行くことがあり、そのついでにビックスワンで3試合観戦したのです(対湘南、広島、大宮)。最初は何の思い入れも無かったのですが、観出すと不思議とチームのことが気になるもので、TV観戦も含めると年間試合数の半分以上は観戦しました。

 僕はサッカーに関しては無党派層です。しかし、J1昇格、スタンドをオレンジ一色に染めるアルビレックスサポーター、そしてJ2にも関わらず4万人を超す大観衆。これらを体感したことと(J2最終節、歓喜の対大宮戦!)、年間を通してアルビレックス新潟の試合を20試合以上も観戦したことで、どうしてもアルビレックス新潟に気持ちが入ってしまい、今年はどうやら心を動かされてしまったようです。東京在住にも拘わらず年間シートまで購入し、「J1アルビレックス新潟」を見届けたいという気持ちになってしまいました。

 かなりミーハーな部分があるので、以前からアルビレックス新潟の応援をしている方には、そうとうひんしゅくものですかね・・・。そのへんはどうかご了承を・・・。でも、ビックスワンで、老若男女、様々な人たちと一体となって応援することを体感した人たちの多くに僕と同じような想いが芽生えたはずです。それがきっかけになって、足繁くスタジアムへ通うようになった人が必ずいるはずです。

          

 さて、アルビレックス新潟は、今シーズンがJ1初参戦になります。選手や監督、コーチなど、現場の人間でもJ1初体験の人がいると思います。初体験の舞台で様々なことを学ぶことになるでしょう。そして、それは大きな喜びにつながるはずです。でも、その初体験の喜びを最も強く感じるのはゴール裏で応援している人や、スタンドで観戦している人たちではないでしょうか?

 ビックスワンに「おらがチーム、アルビレックス新潟」を倒すために、J1のつわものどもがやってくるのです。J2よりもレベルの高いサッカーが新潟へやってくるのです。現日本代表選手やオリンピック代表選手、しかも主力選手。あるいは大型ルーキーなど若くて世代別の代表経験もある選手など勢揃いします。そんな選手たちをアルビレックス新潟の選手たちが堂々と迎え撃つのです。サポーターにとってこんなに嬉しいことはないと思います。

 想像してみてください。新潟DF陣が久保(横浜F)、エメルソン、田中達也(浦和)、イルハン(神戸)らを90分間シャットアウトする試合を。中盤でのアグレッシブな守備で、小笠原(鹿島)、藤田(磐田)が何も出来ない90分間を。新潟の攻撃陣が、宮本(G大阪)、坪井(浦和)をブっち切る場面を。
 しかし、また逆に今までのJ2とは大きく異なる場面にも出くわすはずです。それは今まで経験したことのない組織プレーや個人プレー。速いパス回しであっというまにアルビレックスゴールに迫ったり、今までだったら簡単に抑えていたはずなのに、僅か2、3人あるいは1人の選手によって脅かされたり・・・。

 同居する期待と不安が今から湧き上がっているのではないでしょうか?でも、こういったレベルの高いプレーを目の当たりにすることで、観ている側も変わると思うのです。スタンドからの「行けー!」「がんばれー!」と簡単な声援が(いやそれが悪いというのではないのですよ)、「そこ右―!」「逆サイ空いてるぞ!」などなど、まるで監督の指示が飛び出したりなんてことも。しかも若い女性から、お年寄り、小学生くらいの子供まで。

          

 またアルビレックス新潟が活躍することで、新潟の生活習慣に更なる変化が起り、ますますサッカーが地域に密着することに期待しています(勝手な想像話しですが、というか妄想・・・?)。仕事帰りにスタジアムへ。しかも会社のお偉いさんが「今日はアルビレックス新潟の試合だからみんな早く上がるぞー」と鶴の一声。退社後みんなでコンビニに寄って、つまみとビールでも買いながら、今日の試合の展望を話しながらスタジアムへ。次の日には勝っても負けても前日の試合の話しをするのが一日の始まり。

 奥さんとその子供はアルビが大好き。旦那はサッカーに無関心。試合のある日に旦那が仕事から帰るとテーブルに書置きが。「みんなでアルビを観に行きます。冷蔵庫に食事があるのでレンジで暖めて食べてください」旦那はレンジで暖めた食事を食べながら、TVでアルビの試合を観戦。次の試合から家族全員で行く事を決意。

 小学生が放課後や学校が終わった後の公園でサッカーを。「おれジダン!」「おれベッカム!」「おれアンリ!」「じゃあおれヒデ!」、これはいたって普通ですが、新潟の子供たちの場合「おれ優作!」「おれファビーニョ!」「おれ山口!」「いやおれが山口だよ!」「おれキーパーだから野澤!」そんな光景を勝手に想像しています。新潟市民の生活習慣をさらに変える可能性が十二分にあるアルビレックス新潟。今年J1で戦うことで、期待は去年以上かと思います。

          

 しかし、その一方で、懸念していることの一つにゴール裏の風景があります。今、アルビレックスのゴール裏は、それこそ老若男女が何の心配や恐れもなく行ける場所です。ですが残念ながらJリーグのゴール裏の中にはそうではないゴール裏があります。「サッカーのゴール裏はそういうもの。海外を観ろ。乱闘あり発円筒ありじゃないか。それが本場なんだし、サッカーとはそういうもの」という方がいるチームもあるのです。

 では自分や自分の身内や友人がゴール裏の乱闘に巻き込まれたり、イヤな思いをした場合同じようなことが言えるでしょうか? 今日本の犯罪率は上昇し、凶悪化が進み、検挙率が低下していますが、だからといってアメリカのように銃社会が好ましいでしょうか? 本場の良い部分は大いに模倣すれば良いと思いますが、悪い部分まで模倣する必要はないのです。ですからどうか今のまま、老若男女、誰でもが集える場所であって欲しいという願いがあります。自分たちで今の良い状態を崩してほしくないですし、むしろそういった良い状態を自分たちで守ってほしいのです。四方のスタンドが老若男女で埋め尽くされているスタジアム。メインスタンドもバックスタンドも、そしてゴール裏も老若男女で埋め尽くされたスタジアム。素晴らしいじゃありませんか。

 J1で戦うことでアルビレックス新潟は全国区になります。全国向けにTV中継も盛んに行われるでしょう。しかしながらアルビレックス新潟のピッチ上での戦いだけではなく、その他に付随している部分(スタジアムの雰囲気などなど)も全国へ発信したいと思うのです。そして全ての意味でJリーグの手本となるアルビレックス新潟を発信しましょう。
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