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未だ見えぬアルビ一里塚
2004Jリーグ ディビジョン1 1stステージ第7節 アルビレックス新潟vs.東京ヴェルディ1969


文/石毛大介

 今日は東京よりも暖かくGW中盤のサッカー観戦には最高の天候。東京よりも新潟の方が暖かい。今日もビッグスワンには4万人の観衆。僕のような一人ものから、カップル、友達グループ、親子連れ、3代に渡る家族連れ。相変わらず老若男女、バラエティーの富んだアルビの観衆を目の当たりにして嬉しくなりました。「こういう風景、ずーっと続いて欲しいな。チームが良い状態でも悪い状態でも・・・」。

 そう未だホームで勝利がないアルビ。それでもリーグ戦は4万人を超える観衆。先日ナビスコカップも東京から観戦しに行きましたが、ちょっと少なく4万人を切りました。それでも約4万人。天候良し、観客動員良し。あとはアルビの勝利のみ。そんな高いモチベーションでスタジアムへ向かいました。この高い想いはやはり先日の日本女子代表の感動的な試合もベースにはありますがネ。


 あっとここで少し触れさせてください。あの試合を観た方は誰もが感動したに違いないと思います。彼女たちはプロではありません。サッカーで生計を立てていません。それでも「サッカーが好きだから」という想い一つで、さほど注目度も高くない女子サッカーという厳しい境遇にもかかわらず、決して腐ることなく自分を奮い立たせプレーをし、また日本代表に選ばれた、その名誉を重んじ、女子サッカーの発展と向上のため、何よりも自分のために必死に戦う姿。選手たちも口々に「自分たちが結果を出すことで女子サッカーの歴史が変わる」と。

 ケガにも関わらず自ら戦う姿勢をみせ、素晴らしいリーダーシップを発揮してくれた沢。「私たちの後ろに人もボールも行かせない!」という気迫で対峙した最終防衛ライン、磯ア・下小鶴・矢野。「前へ」の勝負心だけでなくテクニックでも相手陣内へ突破した山本。小柄ながらも山本同様、「前へ」とオーバーラップ&ドリブルチャレンジを勇敢に遂行したファイティング・レディー川上。ボールのあるとこないとこ、常に汗をかくプレーに徹した縁の下の力持ち、酒井・宮本。

 前線で動きまわり、決定的場面でスっと顔出し、「彼女なら決めてくれる」という想いを託せる、ゴールハンターFW大谷。アテネへの扉を開ける突破口の落ち着きあるゴールを決めただけではなく攻撃の起点にも奮闘した、ダーゲットレディー荒川。途中出場ながらも「まず1対1の勝負」と勇敢に勝負し前線を切り裂いた、突貫女子大生丸山。最後尾から大声で選手を鼓舞し、自らも鼓舞し続けたであろう日出づる国の守護神、GK山郷。

 わずかな出場時間でしたが、ちゃんと試合をシメてくれた山岸・柳田。試合には出られなかったサブのメンバー。彼女たちのガンバリもあるからこそスタメン組の緊張感も高まり、常にいいパフォーマンスが出来たと思います。そして選手たちをサポートした関係者の方たち。アテネオリンピック出場という過酷で日本女子サッカー界の最重要課題に挑んだ全ての人たちがMVPだと思います。本当に感動的な試合でした。

 これで女子サッカーを始めようと考えた人、「もうやめようかな・・・」と思っていたけど、この試合を見て思いとどまった人。「これからはL・リーグも観ようかな」と思った人。様々な多くの人たちの生活を変えてくれたことと思います。こんな感動的な試合をするチームを作り上げた上田監督に改めて敬意を表します。
あっとかなり女子代表に長くなってしまいました・・・


 さてアルビ。先日のナビスコではガンバ大阪相手に4−4で引き分けました。引き分け自体はよいのですが、4点取られたというのがどうも・・・。「受動的な戦術から開放された」という内容ではありませんでした。ガンバのミスでの得点もありましたし、ちょっとガンバも、らしくなかったのかも。アルビは4−3で勝つのではなく、1−0で勝つという専守防衛戦術ですからネ。

 ただ阿部の復帰は大きい気がします。まだ90分間のプレーはちょっと厳しいかもしれませんが、彼のパス技術・センスは抜群でしたネ。FKもCKもかなり精度の高いボールを上げてましたし、中盤からよい短・中距離パスが供給していたように思います。彼の復帰はアルビには間違いなくプラスになること間違いなしですネ。今後に期待が膨らみます。

 あと寺川。先日の国立での対ジェフ戦、前半途中交代という屈辱を味わいましたが、その屈辱を発散させるようなプレー。攻守によく走って汗かきプレーをしたと思います。でもまだまだ。彼ならもっと攻守に絡み実効あるプレーができるはずです。彼にも期待が膨らんできます。女子代表の勇敢な戦いを国立で体感できた喜びとナビスコでの善戦を思い出しながらキックオフです。


 高いボール支配率のヴェルディですが、実効的ではありません。単にボールを回しているだけ。こねくり回しているだけの展開です。パスも足許パスのオンパレード。仕掛けも単発。こうなるとアルビも守りやすい。ゴール前まで運ばれてもアルビ最終防衛ラインが防ぎます。ただ相手はヴェルディ。個々のテクニックは高いものがありますから、組織的に崩しにかからなくても、個人で打開され危ない場面もあります。いつものようにアルビはディフェンスラインとボランチの最終防衛ラインが防ぎますが、いつものように引いて(引きすぎている?)守っているので中盤ではある程度フリーで持たれます。しかし先述のとおりなので、危険な臭いはあまりないのでアルビが防ぎますが、単発な勝負とはいえ肝を冷やす場面も。

 一方のアルビ。いつものような試合展開。これはもう記す必要はないですネ。ただ球際の弱さは何故改善されないのでしょうか?「アグレッシブに行くとかわされる可能性が・・・」なんていうネガティブなものでもあるのでしょうか? プレッシャーを与えるのも、「間合い詰め」にしか感じられず、特にボールホルダーでない選手に対して警戒が怠っているのか、ボールホルダーに対してプレッシャーを与えても、ボールホルダーでない選手が、完璧フリーな場面が多々あるので(決定的なチャンスになりませんが)、その選手にボールが渡ると・・・。

 特に走ってボールをもらおうとする、いわゆる第二、第三の動きの選手ですネ。前半は要所要所でチャンスはありましたが生かしきれず終了します。あっと前半の決定的シーン。前半24分。慎吾が中央の上野にクサビを入れ、そのまま止まることなく中央へ最高速ダッシュ。クサビをもらった上野が見事に慎吾へ落としてPE外からのシュート。惜しくもGKに弾かれましたが決定的な場面でした。

「こここそ!」の勝負時は、やはり自分の基本ポジションより前で(リスク冒して)プレーに絡むとチャンスになりますからネ。ただ前後半通じてやはり勝負どころでは押し上げが遅い気がします。ダイレクトプレーを標榜しているのなら、FW2人に任せて「いってらっしゃーい」というのではなく、次から次へとわいて出てくる攻撃を見たいですネ。


 後半開始。なかなかアルビがピッチに出てきません「うーん、恐らくそうとう言われてるな・・・」。だからでしょうか?開始早々、非常に攻めの動きが前半とは異なります。単発でプレーが終わらないし、パスの後、明確な意志を持って走り、プレーに絡もうとします。自分の基本ポジションを捨てて、タテに抜き出て攻撃に絡んだりと。「前半0点に抑えたし、後半、立ち上がりはいいぞ。後半15分以内に得点できれば・・・」と思っていたら先制点が・・・。

 それでも、「アルビ持ち前のリバウンドメンタリティで追いつきひっくり返そう!」と期待したのですが・・・。追加点への恐れか、ネガティブなプレーに・・・。2試合連続ゴールのノリノリの森田が投入されますが生かしきれず。もっとしつこいくらいに森田の高さを生かしてボールを放り込んでもいいのでは?といつも思うんですが・・・。そして試合終了。

 今日は非常に帰る足取りが重くなる試合でした。今日は勝っても全然おかしくない試合。互角以上に戦えると思っていたのですが、先制点後がどうも・・・。2日後にはアウェーで名古屋。そして9日は浦和です。両チームとも強烈な個性光る選手がいますからね。特に浦和はU-23日本代表でも、A代表でも核となる選手がいますからね。反町監督もたぶん名前と顔が全て一致する数少ないチームだと思います。GWの最後の試合、何とか踏ん張れるか。瑞穂には行けませんが、何とか勝点をもぎ取って欲しいと思います。それがヴェルディ戦後、サポーターがブーイングしたことに対するアルビ選手らのお返しだと思います。「どうだまだやれるぞ!」って。
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