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勝者との僅差
2004Jリーグ ディビジョン1 1stステージ第9節 アルビレックス新潟vs.浦和レッズ


文/石毛大介

 スタジアムへ入ってビックリ。普段ほとんど埋らないアウェイゴール裏が赤一色。事前に聞いていましたが、こうして目の当たりにすると何とも爽快です。そして迫力あるレッズサポの応援。試合開始前からアルビサポを圧倒します。レッズサポは約7000人。数ではアルビサポに劣ります。ですがその迫力は、どっちがホームだか分からない状態。僕は東京在住ですので、レッズの試合は今まで何度も観ていますので、レッズサポの迫力は「見慣れた光景」ですが新潟の方は恐らく初めての方も多いと思いますし、ビックスワンでは確かレッズサポ初上陸だと思いますからネ(間違えていたらゴメンなさい・・・)僕の周りの人たちも圧倒されている様子で、写真に収めている方もたくさんいまいした。

 5/5、対グランパス戦はアウェイながらも引き分け。先制するも追いつかれました。先制するも追いつかれ、先制されると追いつけない。そんなフラストレーションが溜まる試合がずっと続いています。4/4の対柏戦以来、勝利がありません。この勝利を得た試合も、そうそうこういう劇的な勝利はないだろう、というようなドラマティックな終焉でした。やはり・・・といったところでしょうか。その後、知将反町監督率いるアルビは長いトンネルから抜けだせません。さて・・・


 前半いきなり先制点を奪われます。中央長谷部から右に待ち構えていたエメルソンにパスが渡ります。さすがエメルソン。ゴールを決めるのもそうですが、ボールを受けてからのスピード、そして受けるまでの体勢(アルビDFの背後を回って裏への動き!)。全てに格が違いました。この時のマークは宮沢でしたでしょうか? ちょっと不用意だったかな、と。やはり相手はエメルソンですからね。「常に彼のポジションは把握してないと・・・」と痛感されられた失点でした。

 その失点から数分後、アルビが絶好のチャンスを迎えます。中央からのパスを受けた鈴木慎吾。PA外からのミドルシュート。惜しくもゴールポストに弾かれます。でもそのシュートに到達するまでの過程は慎吾らしいプレーでした。やはり彼が前線を追い越してのプレーは、アルビアタッキングエナジーを増幅しますからネ。今までも思っていましたし、この試合でも、そして今後も思いますが、もっともっと前線に絡んで欲しい。「いや上がり過ぎると、上がった後のスペースを使われて・・・」。だったら全速力ダッシュで戻ってディフェンスすればいいでしょう。そういうプレーシーン、国内外問わず見ますよネ。これは同じサイドの寺川にも期待したい部分でもあります(前半途中交代という屈辱的ゲームからプレー姿勢は向上中!)。

 そして、またまたエメルソンにやられます。左サイドのアレックスがドリブルでアルビPA内に侵入します。アルビDF陣はアタックしようにも行けないし、アタックしようものならアレックスの個人技でかわされます。そしてシュート。GK野澤が弾きますが、中央に転がったボールはノーマークのエメルソンへ。豪快に2点目を決めます。この失点ですが、アレックスがPA内に侵入した時点で、中央のエメルソンがフリーでした。アルビDF陣がかなりいるのに。みんなボールに集中してしまって・・・。アレックスはシュートを選択しましたが、エメルソンへのパスも可能な状況でした。うーん・・・ やはり彼のボール無い時のポジションは常に把握して集中してないと危険極まりないということですネ・・・。「それにしてもエメルソンは凄い・・・ これに田中達也が加わっていたら・・・」なんて思っていました。


 一方のアルビ。いつもの下がり過ぎの守備ブロックでレッズと対峙します。あまりにも下がるので中盤のプレスがかからないので、かなりフリーでボールを持たれ、チャンスも生まれてしまいます。山瀬の惜しい2本ほどシュートもありましたし。ボールホルダーに対して、驚異的なプレス(ボール奪取の迫力!)や、ボールを持っていない選手に対する注意(次のプレーに対するイメージチェック!)がまだまだ・・・。中盤のプレスがさほどキツくないので、頻繁にPA付近にボールを運ばれ、ボールのないところでの動きを把握していないせいか(ボールウォッチャーになっている)、パスが出された先へ急転回して戻るシーンが、やはり多発してしまっていました。「え!?ここにいたのか!?」、何て声が聞えそうな・・・。いつものような前半が終わります。そして後半・・・

 いつもの後半といっていいのでしょうか? 後半は1失点するものの、全体的にはアルビペースの試合展開だったと思います。ボールポゼッションも高いし、ボールホルダーへのチェックやプレス、迫力あるボール奪取シーン。パスレシーバーへの注意によるマーク。そんな予測ディフェンスが頻繁に見られるようになってきました。パスが出されてアワ食ったように戻るシーンも少なくなりました。しかしあと一歩が・・・。

 アルビCKから惜しいシーンが2度ほど。ファビーニョのボレーがレッズゴールのクロスバーに当たり、レッズDFに当たりゴールへ吸い込まれそうでしたが、レッズGK都築がキャッチ。アンデルソンのヘッドもGKの手の中へ・・・。


 そんな中、この試合で僕が非常に印象に残ったシーンがあります。中盤左サイドで、山口がボールを奪取、ファビーニョに預け、左の慎吾へ、タテに上野に預けます。慎吾が上野へ預けようとした瞬間、ファビーニョが超高速でレッズ陣内へ突入します。左サイドに大きく開いたスペースへ。しかしその脇にもう1人超高速で自陣へ戻る選手が。鈴木啓太。攻撃側でボールを受けるはずのファビーニョより早くスタートしたように見ましたが、いや素晴らしい・・・。彼の持ち味といいましょうか。

 レッズサポの方々には申し訳ないですが、啓太は華麗なドリブルで相手を翻弄したりと華麗なテクニックを持っているとは思いませんが、攻撃でも守備でも「ここぞ!!」の時は猛烈な勢いでプレーする姿は尊敬に価します。ファビーニョの狙いどころが分かるや、レッズDF陣が控えているというのに、超高速で走り、チャンスを潰す驚異的なプレー。この試合何度も攻守にわたり、相変わらずの汗っかきプレーを魅せてくれましたが、このシーンは鳥肌が立ちました。

 結果は0−3と大敗。しかもエメルソンのハットトリックです。スタジアムで観戦している時は、僕のストレスは最高潮に達するところでしたが、後日冷静になってTVチェックしましたが、点差ほど開いた、とは思いません。あと少しなんですよネ。勝者との僅差・・・。


 日本代表においても世界の強豪との差は僅差で、「あとちょっと」のところなのですが、これを埋めるのが難しいし、時間がかかる。しかしアルビは徐々ではありますが、埋まりつつあると思います。個々の選手の力が劣っている。確かにそうでしょう。しかしアルビより上にいるチーム(といっても現時点で最下位ですが)は、皆個性溢れる選手たちが揃ったチームでしょうか? 個々の選手が劣っていても、それをチームの力で補っている上位チームもあります。反町監督もコメントしていましたが、まだまだ伸びしろがあると思います。

 相手が強いからズルズル下がってアグレッシブにアクションを起こさないサッカーよりも、危険先刻承知されど突き進まん、というリスクを冒してもアグレッシブに行くサッカーを見たいものですよネ。個人的にですが、「何点取られてもいいから前半から攻めてこい!!」といって送り出して欲しいと思ったりもしていますが・・・。

 さて次節はアウェイでセレッソ大阪戦。この試合は順位を考えても負けられないと思います。そしてその次はホームで首位独走のジュビロ磐田です。この2試合。今シーズンのターニングポイントになるような気が(っていつもそんなこと言っている気がしますが)。特にホームでジュビロを迎え撃つのは今からワクワクしてます。セレッソ戦は行かれないのですが、ホームでジュビロを迎え撃つ試合は、また東京から観戦しに行きたいと思います。では。

 あっと最後に。新潟日報のスポーツ版で、「県内で初めて60歳以上のサッカーチーム結成」との記事が。(5/7付け)徐々に新潟の地にも本当の意味で(あらゆる世代、生活レベルで)サッカーが浸透してきていると実感させられ嬉しくなった記事でした。
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