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夢追う者の強さ
2004Jリーグ ディビジョン2 第33節 川崎フロンターレvs.大宮アルディージャ

2004年9月11日(土)19:04キックオフ 等々力陸上競技場 観衆:20,043人 天候:くもり
試合結果/川崎フロンターレ0−3大宮アルディージャ(前半0−2、後半0−1)
得点経過/[大宮]奥野(前半20分)、トニーニョ(前半28分)、安藤(正)(後半42分)
退場者/[大宮]トゥット(後半31分警告2枚目)


文/森内 英

 等々力陸上競技場。21試合連続無敗記録更新中のライトブルーの聖地で、オレンジがやってのけた。J2第33節、首位川崎のJ1昇格内定を賭けた一戦は、大宮の完勝で終わった。

 大宮の守備網がJ2を席巻する流麗なパスサッカーを寸断した。
 まず、生命線の縦パスが通用しない。川崎はFW我那覇、マルクスに懸命に通そうとするが、横一列に4人並んだDFとMFの2ラインが挟み撃ちにしボールを絡め取る。裏への飛び出しやロングフィードもダメ。最後尾中央に構える大宮DF奥野の指示が絶妙。ラインを巧みに上下動させ、これらに応戦する。頼みのサイド攻撃も、大宮DFトニーニョがゴール前で身体を張ってクリアを繰り返した。

 そして大宮は、伝統のポゼッションから流れを引き寄せる。奪ったボールを最終ラインでじっくりとまわし、川崎のアタックを鎮静させると、機を見て前線に展開する。MF安藤(正)、久永、金澤、FWトゥットらが頻繁にポジションを入れ替え、マークをルーズにすると川崎ゴールを脅かした。20分奥野、28分トニーニョが、ともにセットプレーから得点を挙げ、大宮は2点リードで前半を終える。

 今季最多20043人の目前で悲願を果たしたい川崎は、後半開始から勝負に出た。相馬をボランチに投入し、久野を左アウトサイドに転換する。中村も中盤の底から積極的に飛び出し、多彩な攻撃で揺さぶりをかけた。しかし、大宮が粘り強く対応すると、徐々に縦パス一辺倒となり時間を消費する。大宮に退場者が出た後半31分以降は、ボールを支配下に置いたが、カウンターから安藤(正)に追加点を奪われ万事休した。

 無類の強さを誇る川崎が完敗した。敗因は何か。33試合31得点、脅威の決定力を誇るジュニーニョの不在。いつもは得てきた主導権を引き寄せられなかった。セットプレーでの集中力の欠如。焦りが生んだ単調な攻め。どれも当たっていて、全て違うような気がする。

 鬼気迫る表情で90分とロスタイムを戦い抜いた大宮イレブンに、夢追う者の強さをみた。奇しくもそれは、今季首位を独走してきた川崎が他チームに見せつけてきたJ1昇格への情念だった。この敗戦にも川崎の地位は磐石。残された2つのイス(うち1つはJ1年間最下位との入れ替え戦)を7チームが奪い合う激戦の渦中に、いま大宮はいる。


川崎フロンターレ(シュート数 前半5本 後半9本 計14本) 大宮アルディージャ(シュート数 前半10本 後半6本 計16本)
GK: 吉原慎也 GK: 荒谷弘樹
DF: 佐原秀樹 箕輪義信 伊藤宏樹 DF: 西村卓朗 トニーニョ 奥野誠一郎 冨田大介
MF: 長橋康弘 中村憲剛 久野智昭 木村誠(後半0分/相馬直樹) 今野章(後半26分/谷口博之) MF: 安藤正裕 金澤慎(後半44分/高橋泰) ディビッドソン純マーカス 久永辰徳(後半44分/島田裕介)
FW: 我那覇和樹 マルクス(後半26分/町田忠道) FW: トゥット 森田浩史(後半28分/斉藤雅人)
SUB: 下川誠吾 谷口博之 相馬直樹 飛弾暁 町田忠道 SUB: 安藤智安 木谷公亮 斉藤雅人 島田裕介 高橋泰
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