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賢者の選択に覚えた一抹の不安
2004Jリーグ ディビジョン2 第34節 湘南ベルマーレvs.川崎フロンターレ

2004年9月18日(土)14:04キックオフ 平塚競技場 観衆:7,168人 天候:くもりのち晴れ
試合結果/湘南ベルマーレ0−1川崎フロンターレ(前半0−1、後半0−0)
得点経過/[川崎]我那覇(前半7分)


文/森内 英

 やることはやった。だけど…。

 川崎が大人のサッカーを披露して、アテネ五輪女子日本代表を牽引した上田監督の初陣で注目を集める湘南に勝利を収めた。今夜行われる福岡と山形の2試合がともに引き分け以下、それがダメでも翌19日、大宮が甲府に敗北すれば昇格内定の運びとなった。

 前節京都戦で勝ち点3を得た湘南は、この試合も4バックで挑んできた。1週間前に等々力で金星を挙げた大宮に倣ったのか。驚きは4人のMFもフラットに並んでいたこと。両ラインをコンパクトにし、攻撃のスペースを奪い取る作戦に出た。
 組織な守備で対抗しようとしたが、隙があった。FWの寄せが徹底されておらず、MF中村と久野にフリーでボールを散らされるとラインが間延びしてしまう。特に左サイドを、2試合出場停止から復帰したMFアウグストらに突かれ、序盤より押し込まれる格好となった。

 すると川崎は、前半7分、左コーナーキックを中村のリスタートからアウグストにつなぎ、二アサイドで受けたFW我那覇が技ありの反転シュートを放ち均衡を破る。
 しかし2点目が遠い。主導権を握り波状攻撃を仕掛けるも、パススピードが遅く、湘南ゴール目前で失速すると次々と守備網に引っかかった。幾度か訪れた決定機は、ダイレクトパスが素早く繋がった時、もしくはプレスがあまい時に限定されていた。
 そして気になることはもう一つ。後半、試合の流れを引き寄せながら守勢にまわったこと。湘南の健闘も光ったが、むしろ無理して追加点を狙わず省エネで乗り切ろうとする策にみえた。

 先制点を堅守で完封する。その賢者の選択に一抹の不安を覚える。あえて問いたい。川崎のサッカーとは、内容と結果、ともに相手を凌駕するサッカーではなかったのか。どんな状況下でも全霊を傾けて、得点を奪いにいくサッカーではなかったのか。挑戦こそが川崎の原点。J1でもどうかその姿勢を貫いて欲しい。わずか一年で降格、五年前の再現をサポーターはもう見たくないはずだ。

 勝利後、サポーターが真っ先に讃えた選手は中村だった。しばし大音量の応援歌が平塚競技場を包んだ。
 パスミス、インターセプトから、何度かピンチを招く主因を作った。終了間際の相手フリーキック、ボールを敵陣に向けて蹴り返す不用意な行動で黄紙を差し出された。「個人的にはよくなかった」とは本人の弁。それでもチームが守備に奔走するなか、勇猛果敢に攻め上がって好機を演出することを決して忘れなかった。
 強引なまでのドリブル突破と多彩なパスで味方を操った背番号14は、この日なによりも川崎スピリットを象徴していた。


湘南ベルマーレ(シュート数 前半1本 後半4本 計5本) 川崎フロンターレ(シュート数 前半8本 後半5本 計13本)
GK: 鈴木正人 GK: 吉原慎也
DF: 村山祐介 パラシオス 北出勉 城定信次 DF: 箕輪義信 寺田周平 伊藤宏樹
MF: 鈴木良和(後半8分/加藤大志) 金根哲 吉野智行 坂本紘司(後半8分/石田祐樹) MF: 長橋康弘 中村憲剛 久野智昭(後半32分/相馬直樹) アウグスト 今野章(後半44分/飛弾暁)
FW: 高田保則 アマラオ(後半30分/柿本倫明) FW: 我那覇和樹 マルクス
SUB: 植村慶 石田祐樹 加藤大志 佐野裕哉 柿本倫明 SUB: 下川誠吾 佐原秀樹 相馬直樹 飛弾暁 黒津勝
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