topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink




<前へ次へindexへ>
日テレ・ベレーザの2005シーズンが始まった。
Lリーグ開幕!日テレ・ベレーザ、21節の感動物語の始まり
L1リーグ第1節 日テレ・ベレーザvs.伊賀FCくの一


文/日テレ・ベレーザサポーターズグループ VB 佐相陽一

 桜の花びらが、ピッチへ、そしてスタンドへ舞っていた。

 1年のうちで、誰もが身近な日常の中で自然を綺麗だと思える瞬間。先週のスーパーカップの際購入した今期の公式パンフレットがピッタリとマッチしている。時間をかけて敷き詰めるような花びらにより徐々にピンクがかったピッチと、観客の肩にすら降り積もる春の訪れ。

 そんな晴れ渡った日にベレーザの2005年L・リーグは開幕した。


 西が丘サッカー場で行われた「日テレ・ベレーザVS伊賀FCくノ一」。足早に結果を書いてしまおう。0−0のスコアレスドロー。優勝候補筆頭と言われているベレーザ。スーパーカップをPK戦により制し、波に乗った開幕が迎えられそうと思っていた。結果はスコアレスドロー。誰もが結果を疑う試合だったのか?

 人によっては、そうではないだろう。昨年度の優勝を逃す最大の試合だった第12節、上野運動公園競技場での敗戦もあり、もともとのくノ一の選手のレベルの高さをも充分にわかっている。解釈の仕方は人それぞれである。そんな試合だった。

 ただ、誰もが思うこの試合の最大のポイントは「風」である。昨年の全日本女子サッカー選手権で、決勝以外のすべての開催日に見舞われた悪天候。天候はドローの言い訳には絶対にならない。逆にサッカーはやはり面白いと思った。自然が影響する。それがサッカーの面白いところでもあると感じた。

 風下、風上がそれほど有利に働くことのない、ピッチに対して斜めに吹き荒れる風。サブグラウンドから桜の花びらと共に流れてくる砂塵に、選手のみならず、観客すら前を向くのにも必死になっていた。ゴールキック、フリーキックの際、まるでいたずらのように自分から転がるボールに幾度と無く試合の間を空けられた。


 しかし、その中で見せたベレーザ、くノ一の両チームの集中力は素晴らしいものがあった。ロングボールといわず、上に上げるとすぐに流れるルーズなボール。両チームの選手は対応しようと風を見極め、奪うときは確実に相手の足元にある時に奪おうとする。前半はいかにサッカーにならない状況で、集中して不意の失点をなくすかに尽きた。ほとんど中盤での動きあいの中で前半は終了した。

 チャンスらしいチャンスは少なく、決め手に欠ける攻防が後半になっても続く。永里や澤などがミドルレンジからシュートを放つと、風圧で大きく曲がりゴールを避けていく。しかし、ベレーザは大野や川上のドリブル突破によりシュートチャンスを得るという攻撃にチェンジする。

 まったく互角の攻防も、後半なかばあたりから徐々にベレーザペースへと変わる。得意のパス回しから近賀がフリーになりシュートを放つがこれはくノ一GK・小林の気迫溢れるセーブによりはじき出される。幾度と無く繰り返されるコーナーキックも、くノ一の堅いDFに阻まれる。そして、試合終了のホイッスル。

 先週の満面の笑顔とは反対に、まるで敗戦のような苦しい表情ベレーザの選手達。彼女達はたくさんのものに支えられ、たくさんのものを背負っている。今年からニチレイという大手のスポンサーに支えられ、日本テレビフットボールクラブに支えられ、メディア出演にも、決して嫌がることなく女子サッカーの発展のために尽くしている彼女達。

「女子サッカーは私達が盛り上げる」その意気込みで望んだリーグ初戦。ただ一つ、気がついているだろうか? 後半30分あたりから、風はさほど気にするほどでもない吹き方になっていたのを…。


 引き上げていく選手達を見つめながら僕は心の中で思った。

「大丈夫! オフは終わった。これで、これからはリーグを制することだけを考えて、100%サッカーを考えよう」

 11月3日までの長い長い、21の感動物語の最後は何が待っているのだろう? これ以上ない満面の笑みで3年ぶりのリーグ優勝を飾ることを、一ファンとして信じている。
<前へ次へindexへ>

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送