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大津運動公園・多目的広場。遠くに見えるのがスタンド付きの球技場
これもKyuリーグ あれもKyuリーグ
第33回 Kyuリーグ(九州サッカーリーグ) 第9節 熊本大津集中開催


文/ふかえ まさひろ

 J入り目標クラブの参戦やホーム&アウェー制導入で盛り上がる今年のKyuリーグだが、前半戦と後半戦の最初と最後の2試合ずつは、Kyuリーグ名物の集中開催でおこなわれる。今回は前半戦の最後となる6月19日の集中開催を見に、熊本県大津町の大津町運動公園まで足を運んだ。

 「集中開催」とは、週末にKyuリーグの全10チームが一つの地区に集まり、2面のピッチで1日5試合。1チーム当たり2試合を連戦で行う形式だが、場合によって2面の場所が離れていることがある(今年も7月2,3日の沖縄集中開催の会場は北谷町と東風平町で、20kmほどは離れている)。

 今回の集中開催は、当初はピッチ2面取れる多目的広場で全試合を行う予定だったが、「ホーム」となるロッソ熊本戦だけは多数の来場者が見込まれたことから、いわば隔離される形で、土曜は陸上競技場、日曜は球技場で行われる事になった。といってもどちらも多目的広場に隣接しており、まさにKyuリーグの全チームが一ヶ所に集結する形になった。
 朝9時40分ごろに到着したら、球技場は準備が整いつつあり、試合2時間以上前にもかかわらずロッソサポーターなどで球技場に近い駐車場は早くも埋まりつつあった。


海邦銀行SC(青・GK黄)vsV・ファーレン長崎(白)。前半8分、FK
からの混戦から長崎の先制点が生まれる。
 午前10時に最初の2試合がキックオフ。私は多目的広場(東)での海邦銀行SCvsV・ファーレン長崎を観戦。
 前節(つまり前日)、ロスタイムのゴールでヴォルカ鹿児島を下した長崎に対し、キックオフ直後は3トップ気味の海邦銀行が攻めこむ展開も、前半8分、田上のCKから森本が頭で合わせ、ポストに跳ね返ったボールを中村が押し込んで長崎が先制する。これで試合は長崎ペースになり、たびたびゴールに迫るも海邦銀行ゴールを割れない。海邦銀行も右サイドから切り崩しを図るものの、フィニッシュには程遠い。そんな中、待望の追加点は43分。右サイドから原田の低いFKを上がってきた税所が走りこみ、スライディングでゴールに流し込んだ。前半は長崎の2点リードで折り返し。

 後半になると気温も上がり、連戦の疲れか選手の足も止まりつつあった。私も前夜のワールドユース観戦でほとんど寝ていなかったこともあり、睡魔に襲われながらの観戦。
 後半も長崎が押し気味に試合を進め、海邦銀行は66分に右サイドの中村をセンターバックに下げ4バックに変更して、長崎の気の緩みに乗じて時折攻めを図るもオフサイドにかかったりしてシュートにいけず。長崎も原田のセットプレーなどから何度と無くゴールを狙うがダメ押し点を上げられない。結局、後半はそのまま両チーム得点無く終わり、長崎が前半戦を連勝で締めくくったものの、とどめをさせない後半の展開には不満が残る試合だった。

 ちなみにこの試合、途中から原田と福岡時代にチームメイトだった服部浩紀(現在は福岡で新聞の解説や少年サッカースクールなどで活躍)、その服部と福岡J1時代にチームメイトだった前田浩二(現ヴィッセル神戸強化ディレクター)の姿が見えた。前田氏は隣で行われていた、昨年まで監督を務めたヴォルカ鹿児島の試合を見ていたようだが、そのヴォルカは沖縄かりゆしFCに8−0(2−0、6−0)で圧勝した。

試合結果/海邦銀行SC 0−2(0−2 0−0)V・ファーレン長崎
得点経過/[長崎]中村(8分)、税所(43分)
海邦銀行SC/GK21新島 DF5山口(62分→4塩川) 3平田 2比嘉 MF31中村 15上間 7金城(64分→32上間) 20稗田 FW9吉元 10高良 14新田
V・ファーレン長崎/GK12堤 DF31中村 5税所 2堀川 34平原 MF9田尻 22田上 14原田 19小嶺(89分→32大村) FW4森本(62分→13内田) 6宇土(76分→10宮崎)


12時からのロッソ熊本vsFC琉球の首位決戦。球技場にはKyuリーグ
史上最多となる9,867人が詰めかけた。
 12時からは、そのまま同じピッチでのニューウェーブ北九州vsサン宮崎の観戦も考えたが、頂上決戦のロッソ熊本vsFC琉球を見に球技場へ。合間が10分しかないので忙しい。前半10分過ぎの時点でも、JR肥後大津駅と臨時駐車場からの無料シャトルバスからは多数の人が降りてきて、小さなメインスタンドは文字通り埋まり、芝生のバックとゴール裏席も8割の入りといった感じ。入場者9867人の発表にはちょっと首を傾げたが、小さい会場で空席があまり無い分、非常にいい雰囲気だった。入場無料ということもあり、試合を終えたばかりの沖縄かりゆしの選手や長崎サポーターも芝生席から注目の試合を見つめていた。

 ただ試合は、前半から押し込む熊本の気迫に、上位との連戦(前日は3位の新日鉄大分を下した)にかける琉球の気合が空回りしたか、27分にはクリスティアーノがはやくも2枚目の警告で退場。このシーンで琉球の選手が主審を取り囲んでしばらく猛抗議。これが影響したか、この後は琉球に警告が出まくり、63分にはリカルド比嘉も2枚目のカードで退場。9人となった琉球はGKを中心によく守ったものの、熊本は69分にCKからの混戦からゴールが生まれ、熊本はその1点を守りきり前半戦全勝、首位での折り返しとなった。
 なお、新加入して新日鉄大分戦でいきなりゴールをあげた琉球の永井秀樹は、9人となってからの登場で、ドリブルで切り込もうとしても熊本DF3人に囲まれたりして、見せ場は作れずに終わった。、

 同時におこなわれたNW北九州−サン宮崎は4−1で北九州が快勝、新加入の池元(元リーベルプレート)も初ゴールをあげ、北九州からバスツアーを組んでやってきたサポーターと記念写真を撮るなど喜び合っていた。そして14時から、締めくくりとして行われた新日鉄大分vs三菱重工長崎は新日鉄大分が4−1で勝利し、熊本大津の集中開催は幕を閉じた。


首位決戦と同時に行われたニューウェーブ北九州vsサン宮崎FC。
数は少ないながら両チームのサポーターが熱心に声援を送る。
 これでKyuリーグは前半の9試合が終了。ロッソ熊本が全勝(勝ち点27)で下馬評どおり首位、FC琉球(23)、新日鉄大分(20)が熊本の後を追いながら地域リーグ決勝大会出場の2位以内確保を目指す。V・ファーレン長崎(18)とニューウェーブ北九州(16)は2位以内を目指し後半戦に勝負をかける。

 一方下位は、日曜日の大量8失点で沖縄かりゆしFC(2)と最下位のサン宮崎FC(2)の得失点差が1になった。ヴォルカ鹿児島(10)、海邦銀行SC(10)と三菱重工長崎(7)はこの2チーム、つまり降格ラインから逃げつつ、上位をうかがい後半戦に臨む。

 ちなみに、熊本から北九州までの上位5チームの順位は、実はそのまま直接対決の結果となっている。全て90分勝ちの熊本に対し、琉球は熊本のみに負け、新日鉄は熊本と琉球、長崎は上位3チーム、北九州は上位4チームにのみ負けている。下位チーム相手にPK戦突入での取りこぼしはあるが、後半戦も直接対決が命運を分けることになりそうだ。
 また、琉球の永井、北九州の池元など、シーズン途中の加入選手も各チームとも多く、さっそくの活躍を見せている。これも今後の戦いに影響を与えそうだ。



 ロッソの試合はスタジアムDJが観客をあおりまくり、40枚近いピッチ看板、有料のマッチデープログラム、シャトルバス、チームカラーの赤で染まるスタンドなど、下手なJ2の会場よりそれらしい雰囲気は出来上がっていた。そのすぐ隣では、選手関係者より少ない観客、子供が入って来れそうなピッチで同じリーグ戦が行われていた。

 この両極端な光景こそ、2005年のKyuリーグの縮図そのものに見えた。これもKyuリーグ、あれもKyuリーグ。次節からはインターネット中継も始まる(当初報道では有料会員制だったが、無料になるとのこと)との事で、7月2日からの後半戦の展開が楽しみである。
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