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今日は素直に草津のサッカーに敬意を表します
第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦 アルビレックス新潟vs.ザスパ草津


文/石毛大介

 去年はJ1として、初の天皇杯でしたが、新潟中越地震の影響でビッグスワンが使えず、対戦相手の湘南のホームである、平塚競技場での開催。まだ地震の影響を引きずっているせいか、普段のアルビサッカーができず初戦敗退。今日の草津戦は、僕にとってはJ1最初の天皇杯と思っていました。何も外からの影響がないわけですから、去年のような負けのいい訳にはできませんからネ。そう思いスタジアムへ向かいました。スタメンの中で、DFの藤井とFWの河原は僕にとっては初です。宮沢も久々のスタメン。菊地が、僕個人としては、本職であると考えるボランチ。お初の選手など見所はそれなりにあると思いました。


 草津はJ2最下位チーム。仮にもアルビはJ1チームですから、格下相手ということになりましょう。しかし、開始10分を過ぎて、アルビのサッカーに微妙な違和感がありました。特にこの試合に対する「必死さ」においては草津が上のような気がします。ボールに対するアプローチ(ボールホルダーに対するプレッシャーも含め)、ラインを越えそうなボールも最後まで懸命に追います。またアルビの攻撃も、専守防衛守備ブロックで迎撃しますから、そう簡単には草津ゴールをこじあけられません。

 これに対しアルビは、草津のそれとは逆で、のんびりとしているというか、変な余裕を感じるというのでしょうか。全体的にまったりとした感じ。「まあ今はこれでもいいか。90分あるんだし、いつでも点は取れるさ」僕自身もそんな気持ちでした。ですがこの想いが甘いというのに気がつき出しました。

 前半20分過ぎて、その違和感は単なる「感じ」ではなく、事実そうだと確信しました。最初に感じた印象である球際の強さや、最後まで懸命なプレー姿勢など、相手の方が確実に上。華麗なプレーで相手を翻弄、というものではありませんが、確実にゴール前に迫ってきます。ですが草津の精度の低さに救われているだけで、アルビがそれを上回る守備力で迎撃しているという印象は全くといっていいほどありませんでした。

 仮に最後のシーンまでいけなくても、そこにいくまでの過程は本当にアグレッシブで、ボールを奪われてもすぐに切り替えて対応する。今日はJ2草津相手ですが、これがJ1のチームだったら・・・ と思ってしまったことが多々ありました。草津は1人、1人が、「自分が何かするんだ」という気迫が感じられるのですヨ。明確に目に見える華麗なテクニックとかではない、個人的な気迫とか気持ちの面での印象ですので、非常に抽象的でわかりずらいかもしれませんがネ・・・。ご了承を・・・

 時間がたつにつれて、アルビ側から見ると全体的に完全停滞。何のポジティブな予感もしません。草津側からみれば、非常に我慢しているものの、必死さ、何か一発かましてやろうという気持ちが、ますます感じます。「このままの展開だと草津先制なんてことも・・・」「勝っても得るものは、それだけだな・・・」。何てこっちもますますネガティブに。

 そんなまったりとした雰囲気のまま前半終了。これは自分だけの印象ではなかったようで、前半終了間際にゴール裏からの「ヤル気だせ!」「マジメにやれ!」コールが。そしてハーフタイムの笛と同時にスタジアムに大ブーイングが。そりゃあそうですよ、こんな雰囲気での試合展開ですからネ。前半はアルビにとっては何もないものでした。草津からすれば、J1相手に我慢の45分だった思います。もしかすると我慢した故、「アルビ、予想以上にたいしたことないじゃん」ということになって、モチベーションが上り、アルビを食う可能性も・・・ 何てことを感じてしまいましたヨ。後半どうなることやら・・・


 後半からファビを投入します。そのファビが後半最初からタテの突破を魅せてくれます。「うん、やっぱりこれだよ、これ」前半とは違う展開を期待せずにはいられません。
「ボールを奪われたらプレッシャー、ボールを持つたらスピードを駆使してスペースに飛び出すことを意識した。」試合後のファビのコメントですが、後半の45分間、彼は有言実行プレーでしたヨ。そして後半、待望の先制点がうまれます。

 左サイドでファビの突破から、中央へクロス。そこへ寺川が突っ込みます。草津の伸さんも飛び出し混戦状態。そのダンゴの中から、ボールが出て、草津ゴールへ転がります。アルビ先制。本当に待望の先制点。これで気分は少し楽にはなりましたヨ。点を取るまでの間のプロセスは別として、リードしたことには変わりないですから。

 得点後は全体的に活性化されてきた感がありました。ポゼッションも、単に持っているのではなく、仕掛け意識を十分に感じさせるものになってきましたが、草津にJ1チームとして魅せつけるものとしては、まだまだ・・・ 個人的には、前半の草津のしぶとさを考えると、もう一点はほしいと思いました。そして時間経過とともに、アルビがいきいきしてきました。でも決定的チャンスまでには、まだまだ。「あともうちょい・・・」ですが前半をベースに考えれば、何かを期待させる展開になっていることには間違いないな、と。いや単に前半が悪すぎるのかもしれませんネ・・・

 その後、河原に代わって末岡。スピードにのったタテ突破に期待しましたが、十分な働きをしたと思います。今後もリーグ戦での活躍を願ってやみません。やはりアルビの中でも、前のスペースへ狙ってのタテ突破のスピードは、かなりのものがありますから、アルビ専守防衛ブロックをベースに、そこからのカウンターを考えれば、彼は非常に貴重な武器だと思います。

 しかしまたまた前半の様相が見えてきました。ファビが攻撃に絡むと、相手に脅威は与えますが、そこで終ってしまうのです。ゴールネットを揺らすまだにはいたらないし、最後のシーンまでたどりつけません。むしろ追う立場の草津の方が、何か活性的なものを感じます。前半と全く同じになります。アルビの攻撃を、最後の最後まで集中をきらさず迎撃していると思いました。今回はじめて草津のサッカーを見たけど、尊敬に値する展開を見せていると試合中思いましたヨ。いや素晴らしかった・・・ 反町監督も「フィニッシュのところで、1対1のところで局面を打開できなかった、というのが今日のザスパさんが点を取れなかった大きな理由だと思います。」と試合後のコメントを残していますが、本当に紙一重、といったところでしょうか・・・

 追加点を奪えないまま試合終了。いや本当に0に抑えたと思います。いつ同点にされてもおかしくないと思っていただけに・・・ 何とか追いつかれずに放した、といったところでしょうか・・・ いやはや・・・


 さて途中交代の河原。今回初めて見ました。期待のルーキーということですが、「周りとの兼ね合いを含め、強さ、速さは、まだJ2相手のゲームでも全く何もできない」「自分に対する厳しさを含めて足りない部分は多いと思います。」と試合後の反町監督の厳しいコメントが全てかと思います。リーグでのトップデビューはまだまだかなと。せっかくもらった天皇杯でのスタメン。これ以上ないアピールの場だと思いましたが、不発、いや監督からすれば期待外れだったということでしょうか。それに比べ、リーグでの対横浜戦でデビューしたDFの藤井ですが、横浜戦同様、十分アピールできたと思います。ちょっと危なっかしい場面もありましたが、それを差し引いても反町監督曰く、及第点を与えるべき選手だと思います。

 期待通りの選手。試したいポジションで、いかしきれなかった選手。期待外れの選手。様々だったと思います。もうテストの時間はありません。リーグも残るところあとわずか。ですが、今日の試合で「勝ち」以外は得るものはなかったと反町監督も言っていますが、これで余計な期待感はなくなったのでは、と思います。「使えるもの」「使えないもの」のラインが明確になったのではないかな、と思います。それを残りのリーグにいかして、是が非でもJ1残留も早く決めて欲しいものです。

 次の天皇杯は12月。相手はヤマハスタジアムで磐田と対戦です。天皇杯に関しては、アルビがいくところまでいくつもりです。丸亀も視野に入れてますヨ。リーグ戦はホームで柏を迎えます。もちろん行きます。柏も残留争いの渦中にいますから、死にもの狂いでむかってくることでしょう。激しい試合になりそうです。ですがアルビには、僕らのモヤモヤを晴らしてほしいものです。では。
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