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 webnews 03/06/24 (火) <前へ次へindexへ>
日本、メンバー落ちフランスに一瞬のスキをつかれ惜敗!
FIFAコンフェデレーションズカップ フランス2003 グループA フランス代表vs.日本代表

2003年6月20日(金)21:00キックオフ サンテティエンヌ(スタッド・ジョフロワ・ギシャール) 観衆:33,070人
試合結果/フランス代表2−1日本代表(前1−0、後1−1)
得点経過/[フランス]ピレス(43分・PK)、[日本]中村(59分)、[フランス]ゴブ(65分)


文/貞永晃二

 緒戦のコロンビア戦をラッキーなPKでの辛勝で切り抜けたフランス。一方、草刈場となるであろうニュージーランドに完勝した日本。対照的な大会への入り方を見せた両チームの対戦だが、中1日という日程でフランスは控え選手を出場させ、日本はチームをいじらずに連勝を狙う。



 ファーストシュートはダボ。稲本のミスパスからつなぎ、ミドルレンジから狙ったが右へ外れる。日本も左サイドに出た中田からセンターへのパスを中村が「平凡な」右足ボレーで狙うが、シルベストルに当たりアウト。フランスははっきりと日本の出方を見ながらの戦いぶり。日本もチームディフェンスが忠実に機能する。

 サニョールの右からのクロス、三都主の左からのクロス、さらにゴブが右サイドを突破し深く侵入し戻すが坪井がカバーする。このサイドの激しい攻防は見ごたえたっぷりだ。日本がヒヤッとさせられたのは26分、左を稲本のチームメート・マルレが突破しクロス。長い距離を走ったゴブがヘッド、わずかに左へ外れてしまう。

 ダクール、中村のミドルは力なく両GKが簡単に処理する。そしてこのまま前半は0−0かと思われたが、日本は自らのミスからピンチを呼び、主審の厳しすぎる判定にまでつながってしまう。宮本のパスが相手に渡りCKへとつながって、稲本がブームソンを倒したとの判定が下ってしまったのだ。ピレスは楢崎の動きを良く見てPKを決めリードを奪った。やり慣れないメンバーを指揮して懸命にプレーしたピレスへのご褒美にも思えた判定だった。判定は納得いかないものだが、ここはミスを反省しなければ進歩はない。

 ボール・ポゼッションは日本が55%の数字を残した。しかし得点が欲しい。



 ロテンのFKからのゴブのヘッドはミートが弱い。日本は攻めなければいけない。50分、中村の右サイドからのFKはうまく回り込んだ稲本がフリーとなりヘッド。しかし前にいたDFが視界をふさいだのかうまく当たらず、PKをプレゼントしてしまった挽回にはならない。

 パスを細かくつなぎ、チャンスを構築する日本。しかし、FWのワクをとらえるシュートで終われない。イライラがつのる59分、センターやや左でのFK。ポイントにはジーコ指名の遠藤と中村。遠藤がボールを置きなおし、下がるが蹴らずダミーで通過。中村は球速といい、回転といいコースといい、すべて狙い通りのキック。今度は「非凡な」左足が3万を超える観衆を魅了したのだ。1−1、胸のナンバー10を指差し喜ぶ中村に、選手たちが覆いかぶさる。選手の顔に「やれる!」という気迫がみなぎる。

 同点でカサにかかる日本はFW二人のコンビから高原がシュート。気持ちが前へ前へと行き勝ちな時間。そこをフランスは抜け目なくついた。中村のFK炸裂からわずか6分後。右から左のシルベストルへ大きなサイドチェンジ。彼のゴール前へのロビングは、最終DFラインのウラへ。それはマーカー三都主の逆をとってボックスへ侵入したゴブに渡った。走りこみ、ワンタッチで足元にコントロールしシュートしたゴブ。楢崎はノーチャンスだった。



 再度突き放された日本。もう攻めるしかない。68分ビッグチャンスが訪れる。稲本から右へ流れた高原へ。切り返し、中を見た高原の左足のクロスは、どうぞ決めてくださいヒデさん、というものだったが、フリーで飛び出した中田英は右足インサイドでミートさせたかっのだろうが、インフロントに当たって空しくバーを越えた。今度は高原が突破をはかり倒される。同点FKよりもやや左でよりゴールに近い位置か。今度は中村がボールをセット。しかしキッカーは遠藤だ。ボールは今度はバーとポストの交点あたりを激しく叩いた。同点ゴールならず!

 切れまくる中村がまたも観衆のため息を呼ぶ。左から中へダイアゴナルにドリブル。途中ジダンの十八番、マルセイユ・ルーレットでDFを翻弄し右足でシュート。バルテズが手を伸ばす先、左ポストをかすめるように飛ぶ、しかし決まらない。さらに右サイド中田英からパスを受けた高原が左へ見事なターンから巻き込むように左足シュート。バルテズが防ぐ。フランスを追い詰める日本。ボックス近くで横パスを受けた三都主が強烈に左足を振る。これもスキンヘッドのGKがしっかりセーブする。

 サンティニ監督は押し込まれている状況打開にしぶしぶアンリを投入する。彼のスピードをカウンターに活かそうという常道か。ジーコ監督も足の負傷を悪化させた中村から小笠原へとチェンジし、さらに攻撃力強化をもくろむ。

 ボールキープは日本だが、全体に疲労感も高まり、チャンスが作れなくなる。時折アンリにボールが出ると、奪い返すために時間と労力を費やして攻撃に人数がさけなくなっていく。シュートで終われない攻撃が繰り返される。そして小笠原のシュートチャンスというタイミングでホイッスルが鳴った。2−1、日本には悔しい敗戦だ。 



 フランスは一緒にプレーした経験のない選手同士の連係がうまく取れず、それは攻撃にも守備にも表れていた。中田英、中村の二人が比較的自由に動け、短いパスをつなぐ攻撃がうまく機能したのもそのせいだろう。

 確かに試合を決めたのは、一瞬のDFの油断からだった。しかしあのゴブの得点時のロビングをあのポジションで高原や大久保が受けたとき、ゴブ同様にシュートを蹴るポイントにワンタッチでコントロールできただろうか。シュートさえ打てないのではないだろうか。

 とかく得点力不足がいわれるがシュートが外れたり、ポストやバーに当たるのはキックの精度以前にボールコントロールにも問題があるのではないだろうか。国内では決まる得点が、国際試合になると決まらないというのは、相手DFのリーチの差を考慮した国際試合で必要とされるボールスキルの不足が原因しているように思えてならないのだ。

 世界はまだ遠い。近づいたと思っても逃げて行く。しかし休んではいけない。ひたすら追いかけなければならないのだ。


(フランス代表) (日本代表)
GK: バルテズ GK: 楢崎正剛
DF: サニョール(退場) ブームソン ギャラス シルベストル DF: 山田暢久 坪井慶介 宮本恒靖 三都主アレサンドロ
MF: ダボ ダクール(57分/ペドレッティ) ピレス ロテン(66分/ビルトール) MF: 稲本潤一(73分/中田浩二) 遠藤保仁 中田英寿 中村俊輔(80分/小笠原満男)
FW: ゴブ マルレ(80分/アンリ) FW: 大久保嘉人 高原直泰
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