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 webnews 03/06/25 (水) <前へ次へindexへ>
日本、1点が取れず初対戦のコロンビアに敗退!
FIFAコンフェデレーションズカップ フランス2003グループA 日本代表vs.コロンビア代表

2003年6月22日(日)21:00キックオフ フランス サンテティエンヌ(スタッド・ジョフロワ・ギシャール) 観衆:24,541人 
試合結果/日本代表0−1コロンビア代表(前0−0、後0−1)
得点経過/[コロンビア]エルナンデス(68分)


文/貞永晃二

 ともにフランスには敗れ、ニュージーランドに勝って迎えた最終戦。引き分けでも良い日本だが、狙って引き分けられるほど守備への自信を持てないだけに、今までどおりの戦い方を繰り返すことだろう。一方のコロンビアは、守備に自信があるチームだけに、早く先制して逃げ切りを考えてくることはほぼ間違いないことだろう。ただそこに、セリエAでならすI・コルドバの姿がない(出場停止)のは残念だ。



 勝っているチームはいじらない、というジーコの考え方から、日本は出場停止の稲本を中田浩に、負傷の中村を小笠原にと、微調整を加えただけで5日間での3試合目という厳しい戦いにのぞむことになった。

 試合は、開始早々からコロンビアが持ち味の高い技術でショートパスをつなぎ、日本選手はそのあとを追い回す形でスタートした。最後はロペスのミドルは左に外れる。坪井のクリアミスからピンチを招くが山田がうまくラインをコントロールしオフサイドで事なきを得た。コロンビアがキープする時間が続く。FKからパティーニョ、ジェペスに合わせるがゴールへは飛ばない。

 日本の攻撃は19分、山田がドリブルで右から中へ入りこむが倒される。FKは三都主が壁に当てて逃してしまう。コロンビアはベドジャのミドルがバーを越す。勝たなければならないコロンビアだが決して焦って攻めたりはしない。彼らなりにマイペースに自らのスタイルを守ってプレーする。GKO・コルドバのキックフィードは実に正確で攻撃の第一歩となる。

 日本は右の山田からのアーリークロスが飛び出した中田英に合うが、ヘッドは左へ流れる。さらに相手のミスを拾った大久保が思い切りよく狙うが大きく外してしまう。コロンビアの大きなチャンスは、三都主がキープしパスコースを探すところをアリスティサバルがつめて奪い即ループシュート。わずかに高く、先制できない。日本のミスが怖い。

 中田浩、中田英のミドルも決まらず時間が経過する。コロンビアもベドジャのクロスにアリスティサバルのヘッドはわずかに合わない。そして前半終了間際、中田英のドリブルでの力強いドリブルでの持ち上がりから大久保へパスが出る。ワンタッチで左へ持ち出せれば、コースがあったが、右へ右へとDFにうまく持たされ結局シュートは右に外れた。惜しいチャンスだった。前半は重苦しいまま終わった。



 異常気象による高温と3試合目という疲労をも後半の「敵」となる。まず日本が高原の突破のこぼれを小笠原が狙う。これはO・コルドバの正面をつく。50分には右の山田からのクロスが左から入った高原の頭にピッタリ合う。絶望の中で懸命に邪魔しようとしたGKO.コルドバの迫力に押されたか、ヘッドシュートは左ポストを強烈に叩いた。天を仰ぎ悔しい表情の高原。今度は、コロンビアがお返し。ゴール前に上がったボールの落下位置を測り損ねた坪井の頭上を越えてアリスティサバルが左足で強烈なシュート。前へ出た楢崎がファインセーブで日本を救った。GK競演といった感じだ。

 その後も両チームともシュートチャンスを作るが決まらず迎えた68分。遠藤と宮本のDFラインでのパス交換を寄せられ、奪われる。後半から入っていたバレンティエラが右サイドを全力で上がる。追走しゴール前へ上がるエルナンデス。バレンティエラのグラウンダーのクロスをエルナンデスはボックス内で巧みにキープ、そしてターンしながら巻き込むように左足を振った。タックルに入った宮本、GK楢崎は決して強くないシュートがネットに吸い込まれるのを目で追うしかなかった。とうとうコロンビアが最低必要な1点を奪ったのだ。

 日本は失点直前に大久保から永井へ、失点後に小笠原をデビュー戦となる松井へと交替投入する。マツラナ監督もアリアガを交替で下げてアリスティサバルのワントップで逃げ切りを図る。時間は20分以上、日本は同点にさえすればいいのだ。まだわからない。

 34分その松井が左サイドを突きクロスをゴール前へ。ファーポストにポジションを取っていた高原が軽くジャンプして胸でコントロール、落ち際を強烈に叩いた。しかし、日本の夢を乗せたボールはゴールへの軌道を描かず左ポストの横をすり抜けて行った。決まっていればまさに夢のように美しいゴールだと絶賛されたはずだ。

 遠藤を奥に替えて、コロンビアの粘着キープからのカウンターの恐怖を乗り越えて必死にボールを奪い取り、ゴールを目指す日本。インジュアリータイムにも三都主の左サイドの突破からのクロスに高原がドンピシャのヘッドで応えるが、空しくGKの正面を突いてしまう。そしてホイッスルが鳴って、世界への1年ぶりの挑戦は終わった。



 3試合を戦った日本代表。結果としてミスからの失点で2試合を失った。しかし決定機を数多く作り、それらをことごとくモノにできなかったのもまた事実だ。国内強化試合での、シュートが少ない=チャンスが少ない、という状態は少なくとも脱していたのだ。そういう意味ではひとつ階段を上がったのだ。これをジーコの功績とすべきかどうかはまだわかりかねているのだが。

 しかし決定力不足という次の階段は日本サッカー界全体の課題なのだ。この階段を上がるには、国内リーグでの攻守両面のレベルをあげることが最重要だ。GKを含めたDFの力が上がらなければ、それを打ち破って得点をあげなければならないFWは成長を止めてしまうのだから。GKと同様にFWの専門的なトレーニングも必要だろう。極端な話だが、若い世代ではFWの人数のワントップ・ツートップ禁止(3人以上)やFWは守備時に自陣に戻ってはいけないなどと制限するのも一案ではないか、そんなことまで考えてしまうほどだ。とにかくシュートを打つ経験を積まさなければ、そしてそれがゴールに入る経験を積まさなければならない。決めたことのない距離、角度、場面からシュートを狙うFWはまずいないはずなのだから。


(日本代表) (コロンビア代表)
GK: 楢崎正剛 GK: O・コルドバ
DF: 山田暢久 坪井慶介 宮本恒靖 三都主アレサンドロ DF: マルティネス メーラ ジェペス ベドジャ
MF: 中田浩二 遠藤保仁(82分/奥大介) 中田英寿 小笠原満男(74分/松井大輔) MF: ディアス(46分/バレンティエラ) パティーニョ ロペス エルナンデス
FW: 大久保嘉人(67分/永井雄一郎) 高原直泰 FW: アリアガ(76分/バジェーホ) アリスティサバル
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