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 webnews 03/06/30 (月) <前へ次へindexへ>
 勝利の知らせを告げてくれ!
山形、破竹の勢い。6月5勝目で4位浮上。
2003Jリーグ ディビジョン2 第20節 大宮アルディージャvs.モンテディオ山形

2003年6月28日(土)18:30キックオフ さいたま市大宮公園サッカー場 観衆:3,681人 天候:曇
試合結果/大宮アルディージャ0−2モンテディオ山形(前0−0、後0−2)
得点経過/[山形]中村(77分)、羽地(84分)


取材・文/西森彰

 開幕から7節までは5勝1敗1分けと上位を快走していた大宮アルディージャだが、4月26日、ホームでヴァンフォーレ甲府に喫した0−3という大敗を皮切りに深刻な状態に陥った。引き分け4つ、黒星6つで、10試合という気の遠くなるような長い間、勝利にありつけなかった。ようやくその憎き甲府をアウェーで破って連敗脱出。前節の福岡戦も勝利し、立ち直ってきた。現在は勝ち点26の6位。

 一方、6月に入ってからの5戦を4勝1分けと完全に波に乗っているモンテディオ山形。サンフレッチェ広島、アルビレックス新潟、川崎フロンターレという、いわゆる3強との対戦が無かったことも確かだが、勝てる相手から確実に3を奪えるというのも、J2という戦場では大きな武器だ。こちらは勝ち点28の5位。

 前回の対戦は第6節、同じ大宮公園サッカー場のゲームで、その時は2−1と大宮がホームの意地を見せている。勝ち点差2という僅差で迎えた中位対決。ホームの大宮はもちろん、アウェーの山形も次節以降の対戦相手を考えれば勝ち点3が必須条件。どちらにとっても大きな意味を持つゲームは山形のキックオフで始まった。



 試合開始から両チームはゴールを目指して意欲的に前に出た。大宮はバレーが両サイドに流れ、黒崎久志が中央で待つ2トップがひとつの形。最初のチャンスは6分。山形ゴール前の混戦からフワっと浮いたボールを、バレーがループシュートで狙うが枠をそれる。その後も原崎政人のオーバーラップを生かして左サイドを中心に好機を作る。

 山形の方は手数をかけないロングボールと2枚のセンターバックの裏への走り込みが狙い。8分、内山俊彦からのロングパスをピタリとトラップした小久保純がシュートするが、大宮GK安藤智安に阻まれる。10分にも、中村幸聖、アレッシャンドレとつなぎ、井上雄幾が抜け出しかかるが、ここも安藤智の勇敢な飛び出しによって得点できない。こちらもカギを握っているのは左SBの内山。双方、左が攻めて右が受けている。

 山形は34分にも大宮ゴール前で永井篤志と高橋健二のパス交換から小久保につなぎ、トニーニョの裏をとったアレッシャンドレがペナルティエリア内でGKと1対1になったが、ここも安藤智が体に当てて防いだ。ちなみに、このシーンは唐木田徹レフェリーが、山形の選手が倒されたもののチャンス続行と判断してアドバンテージを適用し、演出したもの。ナイスジャッジだった。



 両チーム無得点で迎えた後半、大宮の菅野将晃監督はあっさりと黒崎を諦め、磯山和司にゴールを求めた。そして前半、鳴りを潜めていた右サイドから攻勢をとる。ジュビロ磐田でチャンピオンシップを勝ち取った安藤正裕が、リスタートから山形のゴール前にハイボールを降らせる。相手を押し込めた分、その後ろにできるスペースでショートパスを楽につなぐこともできるようになった。

 完全な大宮ペースの中、先制点のチャンスも訪れた。55分、安藤が右サイドをドリブルでひとりひとり交わし、ペナルティエリア内まで侵入。完全なゴールチャンスだったが、シュートのタイミングを逸し、中央のサポートも遅れて逸機。59分にも早いスローインからバレーが右サイドを駆けあがりシュートを放つが、山形GK桜井繁も手ではじき、このこぼれ球も詰め切れない。

 さらに63分、バレーが独走に入りかかったところをGKの桜井がペナルティエリア外で倒す。もちろんファール。状況的にはレッドカードでもおかしくなかった。2分前に山形の羽地登志晃がエリア内で倒されながらPKを与えなかったこととバランスをとったか、結局イエローカードでエリアすぐ外からFK。絶好のチャンスに安藤がキッカーを務めたが、壁に当ててしまう。67分、69分にもバレーがシュートを放ち、一方的に押し込む大宮だがゴールが遠い。



 ホームチームの攻勢に耐えながら、山形の柱谷幸一が切った2枚目のカードは秋葉勝。右サイドへ投入されたユース上がりのアタッカーが、0−0の均衡を崩す最後の分銅となった。75分、FKからの2次攻撃で右のスペースを持ちあがってセンタリングから好機を作り、ガソリンを使い果たしていた大宮の左翼をチームの攻撃目標に位置付けた。

 2分後、その狙いをつけたスペースに中央の永井からスルーパスが出される。右サイドから中央に抜けた中村が、寄せの遅れた大宮ディフェンスを尻目にペナルティエリアまで持ちこむ。そして、再三に渡る攻守を見せていたGK安藤智の動きを良く見たうえでシュート。0−1。相手の攻勢を耐え抜いた山形が、深い時間帯での先制に成功した。

 山形はその後も大宮の左サイドを蹂躙。84分にも秋葉が相手DFを抜き去って折り返したボールを、羽地がニアサイドで叩き込み、2点目を奪う。右翼のみの片肺飛行になった大宮もバレーと安藤が何度かチャンスを作るがゴールには至らず。この試合、両チーム最後のシュートも秋葉のミドルシュート。相手の時間帯を辛抱した山形が、右サイドからの攻撃で勝ち点3を手に入れた。



 イーブンゲームを落とした大宮は、得失点差で甲府、札幌にも抜かれ8位に後退。酷な言い方になるが、イエローカードをもらって熱くなっていたワンボランチの大塚真司を、島田裕介に代えたあたりから、若干バランスが崩れてしまった。良い試合を見せながら、勝ち点がついてこないのは既にチームカラーになってしまったきらいがある。決められる時に決められないと、心身ともに疲労が蓄積する。まして連戦続きのJ2なのだから・・・。

 勝った山形は柱谷監督の采配がズバリ的中した。ボールポゼッション、シュート数では劣ったが、決定機の数でも上回っていた。何よりこういった我慢比べのような試合できちんと勝ちきれるのは、連勝中の自信だろう。この日の勝利で勝ち点を31まで伸ばした山形は、水戸を抜いてついに4位まで浮上。次節から川崎、新潟と上位クラブとの直接対決が待ちうける。ここも勢いで乗りきるようだと、一昨年の燃えるようなシーズンが再来するはずだ。


(大宮アルディージャ) (モンテディオ山形)
GK: 安藤智安 GK: 桜井繁
DF: 野口裕司、トニーニョ、奥野誠一郎、原崎政人 DF: 依田光正、古川毅、鷲田雅一、内山俊彦
MF: 大塚真司(67分/島田裕介)、安藤正裕、斉藤雅人、伊藤彰 MF: 小久保純(73分/秋葉勝)、永井篤志、井上雄幾、高橋健二
FW: 黒崎久志(H.T/磯山和司)、バレー FW: 中村幸聖(89分/伊東真吾)、アレッシャンドレ(60分/羽地登志晃)
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