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 webnews 03/12/14 (日) <前へ次へindexへ>
「リトル・バティ」カベナギ、エースの証明。アルゼンチン、エジプト下しベスト8へ
FIFA World Youth Championship UAE2003 ラウンド16 アルゼンチン代表vs.エジプト代表

2003年12月8日(月)18:00キックオフ アルマカトゥム・スタジアム(ドバイ) 観衆:10,800人
試合結果/アルゼンチン代表2−1エジプト代表(前1−1、後0−0、延後1−0)
得点経過/[アルゼンチン]カベナギ(27分)、[エジプト]メトワリ(42分)、
[アルゼンチン]カベナギ(110分)


文/貞永晃二

 地元開催の前回優勝国アルゼンチンと3位エジプトの対決。エジプトが1次リーグ最終戦で日本に思わぬ敗戦を喫したためラウンド16で実現した優勝候補同士の対戦。1次リーグを3連勝で抜け出したアルゼンチンは強さを見せつつも3試合ともに失点をしているのが気になるところだ。前回のサビオラ、コロッチーニ、ダレッサンドロほどのタレントは見当たらないようだが、この年代での実績は燦然と輝いている。エジプトも本調子ではないが、堅固な守備からの高い技術を活かしたスピード攻撃が見ものだ。さらにスタジアムは完全にホーム状態で彼らをバックアップしてくれる。



 キックオフから互いに激しいチェイシングとフィジカルコンタクトで火花が散るような試合となった。まずエジプトのモトブがチャンスを迎えるがGKバルボサが好判断で防ぐ。さらに17歳のサミールの強烈な左足ミドルがうなりGKがはじくところをモタブがプッシュしたがオフサイド。そして7分、10分と両チームにイエローカードが出る。レフリーにとっても大変な試合になりそうだ。

 その後も攻め合いながらも、肝心なところは両チームとも心得たものでゴールは許さない。しかし必ずといってよいほどフィニッシュで終わるエジプトの攻撃がやや優る。しかし先制はアルゼンチンだ。27分、ボックス左からのFKをカベナギが壁の右を巻くようなキック。シュートというよりも味方に合わせたかったようだが、敵DFも触れず抜けたボールはGK名手エクラミーにはブラインドになりネットに吸い込まれた。

 先制したアルゼンチンはさらに、エレーラが惜しいチャンスをつかむが角度がなくはずす。エジプトも同点を狙い攻め続ける。完璧なつなぎとは裏腹にフィニッシュが不正確でアルゼンチンは救われる。しかし、ついにエジプトが思いを遂げる瞬間が42分にやってきた。メトワリーがドリブルでボックスへ侵入するが、DFにコースをふさがれて倒れる。しかしこぼれたボールへモタブが飛び込んでプッシュ、GKバルボサは弾くのがやっと、素早く起き上がったメトワリーが慎重に押し込んだ。同点ゴールにスタジアムはまるで「首都カイロ」と化し割れんばかりの大歓声に包まれる。



 後半もピッチのあちらこちらで激しい一対一の戦いが続く。まずカベナギが惜しいボレーシュートを放つが右へ。そしてトカーリ監督が動く。MFのカルスカ、モンティージョからコラセ、カンヘレへ交替し流れを変えたいところ。しかし効果はなくエジプトに攻め込まれる。モタブのヘッド、アブドラボのミドルが飛ぶがやはり精度は低い。

 そして試合は後半終盤まで一進一退の膠着状態へ入る。前半にとばしたつけからかシュートが容易に打てなくなってくる。しかし80分のアルゼンチン。右へ流れたカベナギが右足アウトサイドでゴール前へ送るとGKとカンヘレが接触し、ゴール方向へボールがこぼれ、エレーラが突っ込むが一瞬早くファティが蹴り出して大ピンチを逃れる。先制点で気をよくしたカベナギが大きな踏み込みから右足から強烈な一発、しかしバーを越える。ついに延長へ突入だ。

 延長戦は疲労との戦いであり、些細なミスがゴールデンゴールにつながる恐怖感との戦いだ。早速FKのクリアボールを得意の左足ボレーで狙ったサミールだが、バーを越える。ファティも直接FKを壁にぶつけてしまう。

 両チームともさすがに疲れから動きが一歩一歩遅れがちだ。しかしPK方式にはもつれ込まず、決着が延長後半110分についた。右サイドからするするとドリブルで入ったマスチェラーノからカベナギへ鋭いパス。ワントラップからのシュートをGKエクラミーはブロックするが再度カベナギが倒れながらも足を振りぬく。わずかにDFの足に当たったボールはエクラミーを越えてゴールデンゴールとなった。



 エジプトにとってあまりにも悔しすぎる敗戦だろう。振り返れば試合の大部分を支配したのはエジプトだっただけに、選手が立ち上がれないのも無理はない。しかし結局は決めるべきところをいかに決めるかが勝敗を分けたのだ。この苦い経験を近い将来活かす事ができればそれでいいのだ。

 アルゼンチンは苦しみぬいてのベスト8入りとなった。1次リーグではPKの1点のみだったエース・カベナギが大事なところでの2得点。目標であるバティスチュータに一歩近づいたといったところか。まだまだ難敵が待ち構えているが、さすがに勝負強い。5度目の優勝まであと3勝だ。


(アルゼンチン代表) (エジプト代表)
GK: M・バルボサ GK: エクラミー
DF: ロメロ ロドリゲス フェルナンデス(91分/ボッティチェリ) フェレイラ DF: エルザヤト アズミー ゼクリー
MF: サバレタ モンティージョ(53分/カンヘレ) マスチェラーノ カルスカ(53分/コラセ) MF: サイード・アハメド(95分/アーメド・サイード) ファティ サミール アブドラボ アブデルワハブ
FW: カベナギ エレーラ FW: モタブ メトワリー
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