開催国UAE何もできず。コロンビア余裕の準決勝進出
FIFA World Youth Championship UAE2003　準々決勝　コロンビア代表vs.UAE代表

2003年12月12日（金）18:00キックオフ　ドバイ（ラシッド・スタジアム）　観衆：13,000人
試合結果／コロンビア代表１−０UAE代表（前１−０、後０−０）
得点経過／［コロンビア］モンターニュ（14分）


文／大内孝彦

　ワールドユースUAE2003も勝ち残っているのは８チーム。いよいよ準々決勝を迎えた。この試合で対戦するのはコロンビアと開催国のUAE。コロンビアはＥ組１位のアイルランドをカゥリージョのゴールデンゴールで振り切って、UAEはＣ組１位のオーストラリアを試合終了間際のマタルのゴールでうっちゃってベスト８進出を果たした。

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　試合は立ち上がりからコロンビアが個人の力の差を見せて試合のペースを握る。そして６分にはコロンビアのリバスが強烈なフリーキックを放つが、UAE五輪代表でもあるGKラベーがセーブして得点とはならず。しかし14分。パチョンがUAEの前線へのパスを出足素早くカット。そのまま持ち上がり右サイドのモンターニュへパス。UAEのディフェンスの裏へと抜け出したモンターニュがシュートを放ち。これがゴール左へと見事に決まり、あっさりとコロンビアが先制した。

　この先制点で追いかける立場となったUAE。通常ならば、同点を目指して攻勢を仕掛けるものなのだが、このチームは落ち着いているというべきなのか、それとも攻め手が無いためなのか、ほとんど攻撃のペースが上がらない。１点をリードしているコロンビアも無理に攻撃を仕掛けないため、勢い試合は膠着状態へと陥ってゆく。結局、前半はこの膠着状態のまま推移して終了。前半のコロンビアのボール支配率は実に67％。つまり３分の２はコロンビアがボールを支配していた時間であったということになる。

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　後半。コロンビアはトーレスに代えてカゥリージョを投入。これは積極的に追加点を狙いに行くというベンチの意思表示なのであろう。しかし、ボールは前半同様に支配できるのものの、これまた前半同様になかなか得点に結びつけるまでには至らない。それでも58分にはペレアがGKと１対１の場面となるものの、ラベーの好セーブもあって得点とはならず。

　59分。UAEは前線のシェハーブに代えてアハマドを投入。この交代が効いたのか、この後しばらくはUAEが主導権を握って試合を展開。だが、それも長続きはせず、気がつくと試合は再びコロンビアのペースに。この後、UAEは67分にスルタンに代えてＭ．マーラッラー。77分にハッサンに代えてジャバラを投入。何とかして試合の流れを逆転させようと試みるのだが、試合のペースに大きな変化は訪れない。

　そして試合展開に大きな変化が無いまま試合が進む。両チームともに相手守備を崩して決定的な場面をつくるまでにはいたらない。コロンビアはカステリジョンに代えて88分にアリサラを投入。さらにモンターニョを90分にグアリンへと交代。だが、この交代もゲームを動かすことは無く、結局、試合はそのまま終了。こうして、開催国のUAEがワールドユースの舞台から姿を消した。

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　敗れたUAEだが、正直に言ってこの試合の内容には不満が残る。確かに個人の能力ではコロンビアの力が格段に上なのだが、それにしても攻撃が淡白過ぎたのではないだろうか？ただ、中東勢のサッカーがカウンター主体であることを考えると、他に選択肢が無かったということであるのかもしれない。このあたりが、このチームの限界ということなのかもしれない。

　一方、勝利したコロンビア。この試合でも見せたように個人の能力の高さは準決勝へと進むにふさわしいものである。だが実力の差を考えるとこのスコアには満足できないのも確かではあるのだが。とにかく、これで準決勝に進出。次の対戦相手は欧州勢唯一の生き残りのスペインとなる。白熱した試合を期待したい。