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 webnews 04/10/16(土) <前へ次へindexへ>
広島ユース、初優勝!ユース年代のチャンピオンに輝く。
高円宮杯第15回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 決勝 サンフレッチェ広島ユースvs.ジュビロ磐田ユース

2004年10月11日(祝・月)13:00キックオフ 埼玉スタジアム 観衆:2,992天候:晴
試合結果/サンフレッチェ広島1−0ジュビロ磐田(前0−0、後1−0)
得点経過/[広島]前田(58分)


文/中倉一志

 高校チームと、クラブチームが同じ土俵で戦う唯一の大会である高円宮杯第15回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会。全国9地域の代表チームに、昨年度のインターハイ、高校サッカー選手権の決勝進出チームを加えた24チームで行われた戦いも、いよいよ決勝戦。昨年度のJユース杯以降、ユース年代の大会を連続制覇中のサンフレッチェ広島ユースと、5年ぶり2度目の優勝を狙うジュビロ磐田ユースが、埼玉スタジアムでユース年代のチャンピオンの座をかけて対戦する。

 ユース年代の強化を目的に昨年度から大会方式が変更されたこの大会は、強豪が揃う全国9地域のプリンスリーグを勝ち抜き、さらには、本大会でも4チームずつ6ブロックに分かれたリーグ戦を勝ち抜いて、ようやく決勝トーナメントへの出場権を得ることができる。勢いではなく、心技体に優れていなければ勝ち進むことは難しい。既にJリーグ出場経験を持つ選手を3人も擁する広島と、先発メンバー中6人もの選手のトップチーム入りが決まっている磐田との対戦は、その決勝戦を争うのにふさわしい顔合わせと言える。



 まず前に出たのは広島だ。基本的なフォーメーションダブルボランチを置くは4−3−3だが、ボランチの木原と右SBの森脇が高い位置へ上がり攻撃的な姿勢を見せる。中盤では手数をかけず、左右に広がる纉cと平繁、あるいはエース前田に早めにボールを当てて、後方からグイグイと押し上げる。開始直後の5分、さらには11分に決定的な場面を演出して磐田ゴールに迫った。しかし、GK八田と、磐田DFの粘りの前にゴールを割ることができない。

 磐田の反撃は14分、左サイドからのアーリークロスに中村が頭で合わせて決定的なシュートを放つ。これはGK佐藤のファインセーブに阻まれたが、14分には上田のシュートが左ポストをかすめ、続く18分には混戦の中から放った増田のシュートがクロスバーを直撃する。10人のフィールドプレーヤーが連動して流れるようにパスをつなぐスタイルはトップチームそのもの。やや運動量が少なく中盤のプレッシャーが甘い広島に襲いかかる。広島にとって我慢の時間帯が続く。

 この時間帯を凌いだ広島は終了間際に再び主導権を奪い返す。38分、広島は纉cからのスルーパスを受けて裏へ抜け出した前田の左足が唸る。さらに、41分には平繁、前田と立て続けに決定的なシュートを放つ。だが、磐田はGK八田がファインセーブを連発してゴールマウスの外へはじき出す。さすがは決勝戦。ともによく攻め、そしてよく守る。互いに一歩も引かないまま前半が終了した。力は全くの互角。先制点がポイントになりそうだ。



 勝負のかかった後半、広島が一気にスピードアップして磐田に襲い掛かった。台風の影響で連戦となった決勝戦。前日のナイターで試合をした広島に不利かと思われたが、そんな影響を感じさせない動きを見せる。浅いラインを敷く磐田の背後に、ディアゴナルなロングボルを集め、右サイドを中心に突破を図る。そして58分、最前線でゴールキックを受けた前田がワンツーから鋭く反転。マークについていた森下を、さらにはカバーに入る萩原をもかわしGKと1対1に。冷静にGK八田の動きを見極めて股間を破るシュートを決めた。

 このゴールで試合は一気にヒートアップする。1点を追って前がかりになる磐田は、細かくボールをつないで広島ゴールに迫る。広島は、その攻撃を受け止めて長めのボールを前線へ。前田を中心に2点目を取るために前に出る。どちらも攻撃の意欲を前面に出して激しく攻め合う展開が続く。そして、このせめぎ合いを制したのは広島だった。局面で1対1の勝負を積極的に仕掛け、高い位置からプレッシャーをかけ続ける広島の前に、磐田の攻撃陣が分断され始めたのだ。

 磐田はゲームを作る上田、中村にボールが入らなくなる。更には自慢のパスワークも、広島の読みのいいDFにカットされカウンターを仕掛けられるシーンが増える。それでも最後の10分間は力を振り絞って広島ゴールに迫り、DF森田を前線に上げて攻撃の枚数を増やしてゴールを狙いに行く。終了間際のCKのチャンスには、GK八田がペナルティエリアの中まで上がってきた。しかし、広島の安定感ある守備を崩すことができなかった。やがてロスタイムの3分間を経過して試合終了を告げるホイッスル。広島が嬉しい初優勝を飾った。



 初優勝を飾り、この年代では圧倒的な強さを誇ることを証明して見せた広島。敗れたとはいえ、トップチームと同じように流れるようなパスワークで試合を組み立てた磐田。どちらにも優勝するチャンスは等しくあった試合だった。バランスの良い守備と、積極的にゴールを狙う姿勢が好ゲームを展開したことは誰もが納得するところだろう。そんな好勝負に決着をつけた形になった前田のゴール。前半は中々ボールに絡めず仕事ができなかった前田だが、一瞬のプレーで確実にゴールを陥れるところに大器の片鱗が窺えた。

 広島は、昨年のJユース杯、今年の日本クラブユースサッカー選手権に続いて、ユースの主要大会を3大会連続で制覇。今年のJユース杯では、2連覇とともに今年度の主要大会3冠に挑む。もちろん、磐田は全力を挙げて阻止しにかかるだろう。日本クラブユース選手権決勝で1−4で広島に敗れている磐田にとって、3大会連続で涙を呑むわけには行かないからだ。Jユース杯で雪辱を果たすために、磐田の新たな挑戦が始まる。


(サンフレッチェ広島ユース) (ジュビロ磐田ユース)
GK: 佐藤昭大 GK: 八田直樹
DF: 槙野智章 藤井大輔 大野翼 森脇良太 DF: 森下俊 萩原洪拓 飯田祐
MF: 柏木陽介 田中祐樹(57分/高柳一誠) 木原正和 MF: 上田康太 中村豪 増田真士 石上啓(62分/中島良輔) 徳増欣也(88分/宮本裕太郎)
FW: 前田俊介 纉c慎一郎(79分/遊佐克美) 平繁龍一(83分/冨成慎司) FW: 岡本達也 藤井貴
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